脳梗塞・心筋梗塞の予防法

脳梗塞・心筋梗塞にならない食べ方&プラークを低下させるための要件(RAP食)

2023年9月20日改訂(ご注意:最新記事は文末に追記で記載 )

以下には、血管プラークの増減と、摂取した食品との関係を緻密に調べて、その結果に基づき、動脈硬化(プラーク)を治すためのRAP食(後述)を完成の域まで高めるに至った15年間の試行錯誤の経緯が書かれています。なお、2018年4月20日発行の書籍「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因 動脈硬化は自分で治せる」(幻冬舎)に判りやすく解説しています。

血管にプラークが溜まっていない人(私の基準でレベル:0〜1の方)は今まで通りでかまいません。レベル:2の方は注意する必要があります。

特にレベル3〜4の方・糖尿病・大腸ガン・前立腺ガンの方・その他の動脈硬化関連疾患(サイトの別項目参照)の方は以下の事柄を少なくとも2年間はお続けください。その後はそのような食習慣が当たり前に感じます。プラークレベルの詳細は(動脈硬化の未来塾 31)へ。

この食事療法は動脈硬化改善・治療および予防、更にすでに脳梗塞・心筋梗塞になられた方や認知症の傾向がある方への食事療法とお考え下さい。頸動脈プラークが肥厚している人は認知症になりやすい(Wendell CR et al.: Stroke 2012;43(12))との一流雑誌で報告有り・・つまり・・この食事療法は・・認知症予防の食事療法でもあり・・・血管病全ての予防・治療に効果が期待できます。

この食事療法には、エパデールSなどの病院処方でいただくEPA製剤(魚油ではなく純度98%以上のEPA)の服用がお勧めです。なお、EPA+DHA製剤であるロトリガ(2g)1Pでも抗血小板作用(血液サラサラ効果)・プラーク退縮に大差ありませんので心配無用です。LDLを下げるスタチン製剤はお勧めしていません(理由のエビデンスはサイトの各所に掲載)

なお、当院へ受診された脳梗塞・心筋梗塞後の方や血管プラークの改善がみられない方・レベル4の方へは、以下の文面よりもっと厳しい文書をお渡しして指導を行っております。

「3〜4ヶ月の精進で一生の五体満足への展望が得られます。努力しましょう、するしかない」

**フライ物・揚げ物・脂身類・油炒め類**

1)ギョウザの中身は脂身&肉です。 野菜だけの餃子でもフライにせず水餃子で。
B級グルメで人気の餃子ですが・・意外な落とし穴があります。
2008年度の餃子消費量の上位10県の内の4県は、2010年度の大動脈瘤破裂(女性)での県別死亡ランキングの上位10県にランクインしていますが(当サイトに紹介)、偶然なら凄い確率です。
2)亜麻仁油・エゴマ油・ココナッツオイル・米油・ゴマ油・オリーブ油など、レベル2〜4の方は、プラークが改善しない・・または悪化しますので・・生の使用でも控えましょう。酸化してもしていなくても、頻回の摂取は危険です(後述)。
(ふりかけゴマ・ゴマ豆腐のゴマ・生のオリーブ油などは、レベル0〜1の方は普通に可です)
3)コロッケ・天ぷら・から揚げなどの衣は控える。(劣化・酸化脂質を多く含む)
4)揚げ物・油炒めは極力控えましょう。
5)加熱調理時のベーコン・食用油など(脂身、全ての食用油)での味付けは控えましょう。油なしで焦げ付かないフライパンが必須です。

メモ:油を使わないフライ調理器具がありますが、たまに作る子供の弁当用ならいいでしょうが、50過ぎの大人がフライ物をわざわざ食べる必要はないでしょう。脂肪成分は少なくはなりますが、ゼロにはなりません。また、子供だからこそ揚げ物を好きにさせないこと・・が・子どもの将来のためです。
親やお爺さんが食べていると子どもはその食品を欲しがります(生き物の生きる術として)。

また、食習慣で揚げ物・油炒め食品・脂身類などの味や、その食感を快感に思っていた自分の脳細胞を教育する意味合いからも、頸動脈にプラークが肥厚・堆積している人も、していない人も、子供ならなおさら、そのような食品を"好む脳"にさせないことが肝要です。・・頚動脈エコーでは動脈硬化の3〜4割程度しか判定出来ず、健診の採血結果では動脈硬化の程度をほとんど判定出来ない・・のです。「君子危うきに近寄らず」 

**肉類**

1) 動物性蛋白は脂が少ない魚(後述)、鶏肉(皮なし)、豚肉(赤身:特にヒレ肉)、卵白、板カマボコ(白)などから摂取。牛肉を食べたいときは、輸入肉(オージービーフなど)のモモ肉の赤身部分を調理するか、“西洋水炊き“のポトフなどで頂くのがお勧め。豚のバラ肉などは脂身を取り除けば、普通に料理に使っても問題ありません。(脂の多い青魚や霜降り肉は特に避けたい食材です)
2)ステーキ食べたいなら、特に脂が少ない牛肉のモモ肉(輸入牛は脂肪量が少ないですが、和牛なら完全放牧野生牛など)や、豚のヒレステーキを。添え物の油炒め・ポテトチップスなどは残す。霜降りのロース・サーロインは避ける。
(半年過ぎると、他の人が脂身の多い肉を食べていても欲しくならないでしょう。それがヒトの本能です)
3)焼き肉(鳥)の場では、ホルモン、豚バラ、ハラミ・カルビ・ロース・鶏皮は控えて、砂ズリ(砂肝)・鶏肉や脂身の少ない赤身の肉を選択しましょう。
4)チャンポンなどのバラ肉でも脂身は箸で外して食べない。汁は残す。
5)すき焼き・しゃぶしゃぶなどでも脂身は残す。お湯で脂はとれません。
6)ハム類は脂身を残して食べる。(保存料などの添加物に注意)サラミは控える。

**果物・お菓子類**

1)果物はバナナ以外の果物を多めに摂取を推奨(詳細は後述:2020年12月追記)
2)飽和脂肪酸の少ないお菓子を(やはり和菓子がベター:でも油で揚げていないこと)
饅頭や焼き芋・甘栗・などは・・毎日でも可。バター・マーガリン・植物油脂・ショートニングなどを使っていない食品を選ぶ。基本的に手で触って・潰して、指に油がつく食べ物は避けましょう。餡入りまんじゅうを食べるときは、3個以上食べない。
洋菓子より和菓子がいいですよ・・とお話ししたら、餡入り饅頭を毎日5個も食べてプラークを悪化させた方がおられました。
3)砂糖入り飴はOK。シュガーレスの飴(人工甘味料添加品)はNG。

4)センベイは甘党の人が食べたがる代物ですが、プラークが改善しない人の中で4名にセンベイを毎日食べている人がいました。当初は餅と同じだから・・と、軽く考えていましたが・・食用油を練り込んだ製品が多いそうです。療養中の方は控えましょう・・餡を外した饅頭でも召し上がり下さい。(煎餅を食べる人は1袋全て食べる傾向にありますから脂質過剰になるのかも・・・)

備考)植物油添加でも、食品としての総脂質量が少なければOKです。詳細は後述(2018年3月改定、2022年3月改定)。
魚や肉、およびその加工品の脂質の量は問題です。同様に、アボガドやナッツなどの植物自体やその加工製品でも、余計な脂質はプラークになることが判明しました(2018年3月)。

注意)
a)テレビで"黒砂糖が健康にいい"と言っていたので、毎日昼のおやつに黒砂糖を多く食べて、プラークが激しく悪化した事例有り。
b)バナナを毎日食べている人は血管プラークがほとんどの人で多く堆積していました。(本当の理由が判明・・・免疫力の低下でした・・後述)
c)赤ワインはポリフェノールが多いので健康にいい・・焼酎は健康にいい・・と聞いたので、信じて?飲み過ぎてプラークを改善させない人、悪化させた人もいます。

メモ:NHK大河ドラマ「八重の桜」でも有名な新島襄:46歳で心臓病(おそらく心筋梗塞)が悪化して永眠。応接間に鍵付きのボックスがあり、新島襄が客人用の西洋お菓子を食べてしまわないようにしていた・・そのくらいの西洋菓子を好きな甘党だった・・・・ために・・・>心臓病になったのです。

**卵***

1)生卵またはゆで卵などは毎日1個いただきましょう。卵焼きは油を使わないで調理を。
(油を敷いて焼いた目玉焼きは、底の焦げた部分に、油が張り付いていますので、残すこと)

(2017年10月10日修正)

**乳製品**

1)市販の牛乳:20才以上での牛乳飲用に関して、50歳以上の男性1023人を調べた結果、男性では毎日コップ2杯以上(400cc以上)を5年間以上続けて飲用すると、血管プラークが明らかに多く溜まりますが、毎日コップ1杯以内であれば、牛乳を飲用していない人と比較して、血管プラークの程度は同じでした。(理由は、牛乳に含まれる脂質を多く摂取した事による相違によると思われます。牛乳の脂質が悪いのではありません。:2018年8月6日追記。) (その後の研究で・・牛乳摂取が多いと・・体内で乳酸発酵して乳酸菌が増え過ぎるのかもしれません。乳酸菌が増え過ぎると腸内細菌叢のバランスが破綻します。その結果、免疫の貪食能が低下して、プラークの掃除に支障が生じて・・プラークが肥厚する。・・・これが2022年8月時点の私の解釈です:既に後述)

女性の場合、50歳以上の1485名で調査したところ、プラークに関しては毎日牛乳を5年以上も飲んでいた群と、時々牛乳を飲んでいた群、ほとんど飲んでいなかった群で検討しました。
結果は、毎日牛乳を飲んでいた群の方はプラークが多く堆積していましたが、時々牛乳を飲用していた群のプラーク堆積が最も少なかった。つまり、女性の場合は牛乳を時々飲んでも動脈硬化は進行しないことが判明。(女性の場合も、牛乳により脂質摂取量が多くなればプラークが溜まりやすいと考えられます:2018年8月6日追記。)

女性の場合は、毎日の牛乳摂取は決して勧められませんが、時々(おおよそ週にコップ1〜3杯)程度の牛乳摂取は全く問題ないと考えられます。ただし、低〜無脂肪牛乳はお勧めできません(2022年8月1日記載)。
(牛乳と乳ガン・前立腺ガン・骨折・プラークに関する詳細は調査中→書籍に記載)

2)チーズ:牛乳とプラークに関する研究から、料理に少量使うことや、時々普通に食べても問題ありません。(チーズに関する詳細は2022年8月に後述)

3)ヨーグルト:RAP食の重要部分です。乳製品のヨーグルトまたは豆乳ヨーグルトでも、RAP食の摂取すべき規定量は・・『隔日に30g』(出来るだけ正確に)です。果物や味付けなしのプレーンヨーグルトです。“脂肪ゼロヨーグルト”は逆にNGです(後述)。今までの常識を覆すことで、動脈硬化(プラーク)の改善が現実になっています。(2022年8月1日記載)

4)アイスクリーム・ソフトクリーム:牛乳飲用とプラーク(T-max)との関係データから、たまに1個食べても大丈夫です。

注意):血管プラークを減らす努力が必要な方は・・
牛乳の場合は、上記の記述は事実です。
しかし、プラークがレベル3〜4までに堆積している方は、プラークを減らすという治療目的から、脂肪0ヨーグルトの過食でプラークが悪化するという事実を踏まえ、適量の特定のヨーグルト以外の乳製品はお勧めできません。カルシウム、マグネシウム補給は塩無添加煮干しで対応ください(2020年5月以降の追記に詳細を記述)。

(2018年8月6日修正)(2020年7月20日:再修正)

**アルコール**

1)1)「ビール換算で350cc/日まで」が目安ですが、プラーク改善・治療の経験から、ビール以外のアルコールでは、25%焼酎なら40cc/日まで、12.5%ワインなら60cc/日まで、15%日本酒なら60cc/日まで。

ただし、これらは現状維持のためであって、
頸動脈プラークなどのプラークをどうしても減らしたい方は、普通のビール換算で350/ccでもNG(1/Wでも)です(理由は後述:2022年7月19日に記載済み)。
ベストは酒類0です。

血管内を濃度が高いアルコールが流れると、血管内の内側の内膜が、いわゆる「皮膚の火傷」状態になり、ボコボコに傷んで、縮んだり・はげ落ちたりした内皮細胞が修復するのに1ヶ月位かかりますので、その間に、わずかの酸化・劣化脂質・酸化していない脂質でもどんどん血管の壁の中へ、マクロファージと関係なく、単に流体物理学的な作用で入り込んでいきます。

上記の量を守らなければ、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=1〜2の人は、プラークが進行してレベル3〜4になり、特にレベル3〜4の人は近いうちに脳梗塞・心筋梗塞になるでしょう。***多くの事例があります。月に1〜2回でも・・本当にアルコール多飲は怖いです***

なぜ? 血液内のアルコール濃度がある限度以上ならアウトなのでしょうか・・・?

理由説明:5%のアルコール濃度液0.5ccを皮内注射したらどうなると思います? 一瞬で皮膚が5mm程陥没して凹みます・・しかも激しい疼痛!と同時です。皮膚の細胞の細胞膜が溶けて細胞が一瞬に縮んだのです(自分自身の腕で実験:痛みを感じない皮膚にする目的)。

ただし、血管の中の内皮細胞に神経はなく、アルコールで内皮細胞が縮んで、内皮細胞の細胞間隙が広がり、良質の脂質も血管壁に潜り込みやすい状態になっても、痛みがないので本人は気付かないのです。

2)つまみにフライ物、バター製品を避けましょう。ナッツ類ですが、ナッツの重量の約50〜60%は脂質です。ナッツは週に2〜3個に止めましょう。血管の弾力性が良くなっても、プラークが悪化しては本末転倒です。脂質の少ないソラマメなどお勧めですが、豆に含まれている脂質もプラークの原料になりますので、枝豆・炒り豆などの大豆の過剰摂取はNGです。

メモ:あの石原裕次郎氏はアルコール多飲・ステーキ大好きで有名でしたが、結局、解離性大動脈瘤になり手術したものの、肝細胞癌の悪化で永眠:52歳。ちなみに、非ウイルス型の肝細胞癌も大動脈瘤も生活習慣病なのです。特に非ウイルス型の肝細胞癌の人は、心筋梗塞や大動脈瘤の人と同じ程度に血管プラークが肥厚しています(サイト掲載済み)。

**パン? ごはん?**2016年3月28追記

1)レベル3〜4なら、絶対に“ごはん”に。ごはんにはジャム・バター・牛乳など似合いません・・。
2)ごはんは白米100%で充分です。雑穀や玄米などを混ぜてもOKですが、無農薬栽培の雑穀・玄米に限ります:理由は2022年9月に後述。

療養中の方で、毎日ドイツパン(フランスパンと同じ製法の品)を昼に1年間食べていて、プラークがかなり順調に減った方がおられます。

脂質の少ない米やパンなど、電子レンジを使ってもオーブンで焼いて、蒸しても大差ありません。

療養中の方は・・フランスパンなどを食べる際は、バターやマーガリン、ヨーグルトなどを付けないで・・・1日1食だけ・・いただきましょう。

3)ごはんや甘くないイモ類(里芋・ジャガイモ)を沢山食べても血管に脂は溜まりません。皮下脂肪になるだけです。(2018年12月17日追記:サツマイモも、脂質は100g中0.2gですからOKです。肥満の方はご注意ください)
炭水化物を多く摂ると太るのですが、それは余った炭水化物を良質の脂肪で体内に蓄えるから。
軽い運動でも毎日行うことで良質の脂肪が減り、筋肉になります。なお、運動してもゴミ状態の脂(プラーク)は燃焼されませんが、プラークの原料(血中脂質)は減るでしょう。

4)“いなり”より“おにぎり”を。“いなり”の皮は油を多く含んでいます。
(工場で作るおにぎり“コンビニのおにぎり”など、には植物油添加の記載がなくても、油が添加されている場合がありますのでご注意下さい。詳細はネットに記載されてます 2017年7月19日追記)

**めん類**

1)1) 麺類のお勧めは“ソバ・うどん・そうめん・冷や麦”です。ソバはLPS(糖と脂質が結合した構造)の含量が多い。(ソバの脂質量は問題なし)天カス・天ぷら系の具は避ける。
(麺類・パスタなど・・植物油脂添加の有無よりも脂質の量を優先して選びましょう)
2)ラーメン:豚骨ラーメンの汁は飲まない。チャンポンの汁も飲むのは控えましょう。
3)カップ麺食品:なるべく摂らない。1カップの脂質が1.5gの製品もありますが、少なくとも脂質が6.0g以下の製品を探しましょう。糖質は問題ではありません。
4)イタリア料理ではピザより、脂質の少ない具材で作った和風スパゲッティなどを選択しましょう。

**カレー類**

1)市販のカレールーは食用油や肉の脂などを煮詰めて作られています。
脂質を非常に多く含みますのでご注意下さい。
自家製カレーなら食用油不使用のスープカレーのレシピを考案しましょう。

コメント)脳梗塞で入院しても、食用油(脂)で調理した食品・揚げ物が平気で病院食として出てきますのでご注意下さい。

**塩分制限は?**

1)塩分とプラークとの関係はありません。血圧が高くない方は普通に摂取して結構です。
2)西洋人のパン食&肉類は塩分が少ない・・なのに動脈硬化は超先進国なのです。
3)日本人は“おにぎり”と“漬け物”“魚”と塩分多いですが、日本人の動脈硬化は欧米人より良。
4)塩分多めの昔育ちの日本人が一番長生き・この事実を覆す疫学調査が存在するのでしょうか?
5)塩分消費が多い県は、確かに心筋梗塞・脳梗塞の多い県ですが、その裏事情をご存じですか?。
塩分消費量の多い県は、食用油・砂糖・豚肉・アルコール・餃子などの消費も多い県なのです。
本当の理由はそこにあるのです。過去の疫学調査に油・砂糖・アルコールなどの摂取量は考慮されていないと考えざるをえません。
(当サイト:脳梗塞・・・大腸ガンになりやすい県別ランキング。参照を)
5)現在(2014年4月14日)440名の方のプラークが改善し、多くの方が血圧も低下して喜ばれていますが、誰1人として塩分制限を行っていません。また、高血圧が進行した人は記憶にありません。老人の方は安心して卵かけご飯に漬け物(薄味)・海苔などをお召し上がり下さい。
ノンカロリーでNa Clの元素しかない物質(塩)が、脂:プラークに変わる訳はないのです。
・ 今までの医学は漬け物業者の方々に気の毒なことをしてきました・・。申し訳ありません。・・

**魚介類・海藻類**

1)青魚・白身・赤身に関係なく、後述の脂肪分の少ない魚を選択すべきです。脂の乗った魚は・・・度々食べると・・青魚でも・・刺身で食べても・・プラークが溜まります・・脳梗塞・心筋梗塞・認知症などの方は危険です(常識の誤り)。
海にいる魚介類(貝類、エビ類、イカ、タコなど)はすべてOKです。(調理に油を使わない)
2)海藻は何でもOKです。イカ・タコ・魚卵などのコレステロールは・・過度に多食しなければ・・特に問題にしないでいいでしょう。(イクラの過食は控えましょう)
食品成分表のコレステロールの量ではなく、食品の脂質の量が問題なのです。
3)ウニも寿司程度ならOKですが、食べ過ぎはいけません。
4)鯨のベーコンは控えましょう。
脂の少ない赤身部分を缶詰や刺身で食べるのはOKです。
5)魚の煮付け料理も、魚のダシ粉・みりん・醤油・日本酒などを使い、うま味で甘さを演出する。
オリゴ糖は低カロリーの甘味料ですが、甘党の方は“甘み中毒“状態ですから、脳細胞を”甘やかす状況“になるので、あまりお勧めできません。”甘み欲求“に打ち勝つことが治療には必要です。
その意味で、“希少糖”入りのお菓子も控えておくのが無難です。
注)魚介類、蒲鉾でもフライ物は避ける。注)プラークレベルが2〜4の人達は、白身魚であっても、青魚であっても脂の多い魚肉は控える(今までの常識が間違っていました)。

**野菜のドレッシングについて**

サラダのドレッシングは必ず、ノンオイルにしましょう。オリーブ油でも同様です。ただし、ノンオイルでも、通常は食酢の含有量が多いですから、使用は必要最小限に(人工甘味料入りはNG です)。「味ぽん」(pH3.8)程度なら普通に摂取して問題ありません。醤油・味噌なども選択肢です。pH3.0以下(食酢2.6、レモン2.1、他)の食品はご注意ください(2021/12/23)。

マヨネーズは普通にオイルを使った製品です。ゴマだれでもオイル使用なら控えましょう。
最近、食事はバッチリなのにプラークが肥厚した人がいました。「野菜も毎日たくさん食べている」と自慢されていましたが、その沢山の野菜を食べるのに「オイル使用のドレッシング」を普通に使っていたようです。毎日の食品だからこそ注意しましょう。

**お勧め食品**

1)トコロテン:毎日最低でも130g、プラーク(動脈硬化)を治すべき人は毎日260gを勧めます。
海藻(もずく、メカブ、ガゴメ、トロロこんぶ)には、マクロファージを活性化させる働きがあるフコイダンが含まれていますので週に3〜5回程度いただきましょう(タレとしての三杯酢の頻用はNGです。めんつゆなどがお勧め)。
トコロテン+その他の海藻とお考え下さい。当院では甲状腺機能亢進症でも、低下症でも必要な方には食べていただいていますが、甲状腺機能がトコロテンで変化することはありません。
心配な方は担当医にその旨を申し上げて、定期的に甲状腺機能検査をしながらでもトコロテンを食べましょう。動脈硬化を治すという大きな目的のために、トコロテンは冬でも必要です。

2)魚介類(生がベストですが、焼く、煮る・・いずれもOKです。脂の多い魚に注意)
*注意)肝硬変の人、重度の糖尿病の人など、中等度の糖尿病を合併した慢性肝炎(やや進行した)やアルコール性肝障害のある人、免疫抑制剤や制がん剤で免疫機能が低下している人、貧血で鉄剤を服用中の人などが、生の魚介類、魚介類の塩辛、魚介類の干物(一夜干しや目刺し(加工工程で菌が付着する可能性あり)、海水が付着した海藻などを食べると、腸炎ビブリオの親戚であるビブリオ・バルニフィカス感染症になりやすく、腕や足の筋肉が化膿して激しく腐り、一命を落とすこともまれではありませんので一刻も早く専門医に相談しましょう。(特に肝硬変の人(肝硬変に近い慢性肝炎の人も)は重症化しやすく、特に注意が必要)
生牡蠣の生食は、健康な人もノロウイルス感染症やA型肝炎を発症した事例がありますので、控えた方が無難です。なお、生牡蠣を鍋で加熱する際は牡蠣(むき身)の中心温度が問題なので3分以上ボイルしましょう。2枚貝の場合は、貝が開いて5分以上ボイルしましょう。)


3)野菜(葉物、根菜、芋類・何でもOK。バランス良く摂りましょう)天ぷら・油炒めは極力避けましょう。油炒めはオリーブ油でも控えましょう。注意:タマネギ、長ネギの生食はNG(理由は後述).
オリーブ油は生でも摂取は控えましょう(ドレッシングとしての使用でも)。
オリーブ油を生で摂取することで、血管のプラークが増加しても減少する訳がありません。

4)トマト・納豆(適量は半パック:約20gを週に1〜2回までです)・豆腐・味噌・青汁・特に、プラークレベル3〜4の人は野菜のごった煮を毎日いただきましょう。ビール酵母であるエビオス錠剤は硬化油で固めていますが、ごく微量であるために問題ありません。錠剤なら1日10錠が目安です。
(2023年9月現在、ビール酵母は特にプラーク退縮のための推奨品ではありませんので、ビタミン剤としての服用としてご利用ください。)

5)無脂肪ヨーグルトはNG! 普通のプレーンヨーグルト30gを1日置き・・です
(ヨーグルトに関する新しい見解は2018年10月31日以降の記事に掲載)

6)主食なら自家炊飯の“白ごはん100%”を推奨。当然ですが、食用油を使って調理する飯類・麺類などは控えましょう。大麦・麦の混入はOKです。

特に外食時の寿司の“シャリ”や外食チェーン店やコンビニのごはん類や“おにぎり”、弁当の“白ごはん”は機械で大量に炊飯・成型・外見改良などの必要性から“炊飯油”を混入して炊飯されている場合がありますので、くれぐれも“白いごはん類”には御注意下さい。
詳細な情報は「炊飯油・OOO」で検索下さい。コップにごはんと水を入れて自己チェックも可能です。どうしてもコンビニ食が必要なら、おにぎりなら月に3〜4個まで、弁当なら月に2〜3回まで。なるべく努力して自家製の弁当にしましょう。

***プラークが努力しても減少しなかった・悪化した実例***

15通りのパターンがありました。

1)好きな餃子は別枠で食べ続けていた。(餃子好きの県では大動脈瘤破裂・解離、大腸ガンが多い)
2)オリーブ油はいいと聞いていたので、ほとんど毎日オリーブ油で油炒めにして食べていた。
3)昔からパン食なので、朝は普通に食パンにバターを付けて加熱して食べていた。
4)牛乳を毎日500cc飲んでいた人で、プラークが激しく堆積していた例あり。
(牛乳を毎日180cc飲んでいた10数人は、牛乳飲用中、プラーク改善・改善傾向例は1例もなく、プラーク悪化傾向または不変でした。)(後日談:牛乳という乳製品が悪いのではなく、牛乳に含有する脂質を毎日摂取していたことが根本原因であり、無脂肪の牛乳または無脂肪のヨーグルトならプラーク堆積に関与しなかったでしょう:この考えは2018年10月時点で・・着実に実証されつつあります)
カルシウムは小魚・野菜・海藻などから摂取を。
5)食後にお菓子をよく食べていた。(和菓子もしばしば食べるとプラークは減りません)
6)付き合いで油炒めは度々食べていた。
毎日の些細なことですが、電気の節電と同じで無視できません。毎日100円玉を落としても悔しくないかもしれませんが、1年で36,000円の損、6ヶ月ごとに1万円落とすと泣きたくなりますが、1年で20,000円の損で済みます。毎日の小さな食習慣にこそご注意ください。
7)毎日チーズ:他の食事は完璧でも、チーズをワイン(600cc/日)のつまみにして毎日食べていた人のプラークは明らかに悪化しました。**その原因の5%はチーズ・95%はワインの量**)
8)手羽先を2週間に1度程度、2-3個、上等の油で炒めて食べていた。
9)ヨーグルトは健康にいいときいて、毎日ヨーグルト(牛乳で作った)を食べていた。
10)野菜がいいと聞いたので、大盛りの野菜をオイル入りドレッシングで毎日食べていた。
11)指導された食生活を完璧に守っていたが、アルコール飲量を守れなかった10人以上の人はプラークが悪化した。
12)黒砂糖は健康にいいと聞いて、昼のおやつにしばしば食べていた人はプラークが激しく悪化。
13)青魚はいいと聞いていたので、毎日おいしい(脂ののった)青魚を多めに食べていた。
14)「ココナッツオイルは健康にいい」と聞いたので、毎日炒め物にして摂取していた。
15)「甘酒は健康にいい」と聞いたので、酒粕に砂糖を入れて作る・・「偽物甘酒」を1日180cc・・1ヶ月半も飲み続けた人は・・・・プラークが明らかに肥厚(悪化)しました。

**食を考える上で非常に参考になる実験の紹介***

記事最上部の写真は1998年にカリフォルニア大学から出された論文ですが、26羽のウサギを非加熱のピュアな脂質を餌として与えた群(ピュアな脂質群)、ピュアな脂質を100度8時間だけ加熱した後に餌として与えた群(劣化・酸化脂質群)に分けて12週間後に、大動脈の動脈硬化病変を調べたもので、劣化・酸化脂質が動脈硬化にどの程度関与しているかを調べたものです。
ウサギの体重に関しては記載がないようですが、カロリーは同じなので劣化・酸化脂質群でもピュアな脂質群でも体重は同じと思います。
結果は、
1)劣化・酸化脂質群はピュアな脂質群に対して面積比で2倍も動脈硬化(大動脈のプラーク)に関与することを示した。(ただし、非公表資料の実際の写真を見れば、両群共に4例ずつの大動脈カラー写真が呈示されているが、両群2例共に全く同じ量のプラーク面積であった。研究者の良心的な配慮が垣間見える)
2)ピュアな脂質でも大動脈におけるプラーク面積比で20〜50%も血管に脂が沈着する。
3)LDL値は劣化・酸化脂質群でも、ピュアな脂質群でもほぼ同値でした。
このことは、劣化・酸化脂質を多量摂取してプラークが沢山溜まってもLDL値はあまり高くならないだろうという推測になり、人による今まで述べてきた私の集積データと同じ結果ではないかと思います。また、体重が動脈硬化の程度を反映しないとする私のプラークのデータをこの実験は説明してくれているように思います。

このことは、劣化コレステロールを多量摂取してプラークが沢山溜まってもLDL値はあまり高くならないだろうという推測になり、人による今まで述べてきた私の集積データと同じ結果ではないかと思います。また、体重が動脈硬化の程度を反映しないとする私のプラークのデータをこの実験は説明してくれているように思います。

(論文の要約の抜粋:酸化していない脂質の餌でも大動脈にプラークは堆積するが、酸化した脂肪酸を含む食事(劣化・酸化した脂質食)が、ウサギのアテローム性動脈硬化症を速めることを示した)(2018年8月1日:実験結果の解説を修正)

コメント:
2) 酸化していない脂肪酸を含むエサでも、酸化しているエサでも同等にプラークが堆積することもある(非公式に配布された生データでは50%の確率で)。つまり・・・脂質を多く含む食品を食べることに関して、酸化していない刺身であっても・・決して安心してはいけない。

追記
「2012年8月25日付け朝日新聞」によると、
認知症急増305万人(65歳以上の1割に相当)、更に増加中。・・・その他に、脳梗塞・心筋梗塞の急増・・

映画「千と千尋の神隠し」の冒頭のシーン・・・“千尋が止めるのも聞かず、両親が美味しそうに肉類・揚げ物にむしゃぶりついて食べ続け・・ついにはブタに変身・・そこは幽霊・お化け達の世界”・・そんな映画のシーンが「血管の汚れが見える今の私」には強烈に脳裏に焼き付きました。
映画化した宮崎 駿 監督のメッセージを受け止めてはいかがでしょう。・・・認知症になって、現実離れした映画の世界に迷い込まないように・・・引き返すのは今です。

追記
血管プラークが低下(減少)しない人の原因の第1位は、牛乳でした。牛乳を(低脂肪でも)毎日飲んでいる人は、どんなに努力してもプラークが悪化、または不変なのです。  以前の食事マニュアルには「牛乳は生だから・・」と書いていましたが、現在まで、毎日の牛乳を止めてやっとプラークが改善しだした症例が12例程度になりました。(後日の検討結果から、プラークを減らす必要がある人にとっては、牛乳の毎日摂取は好ましくない。せめて時々、それも週にコップ1〜3杯に止めた方が無難です)
「2018年8月における後日談:牛乳が悪いのではなく、毎日の余分な脂質をたまたま牛乳から摂取していただけです。これは豆乳、納豆、チョコレート、ピーナッツ、ナッツ由来の植物性脂質でも同じ事が言えます。牛乳も低脂肪ではなく無脂肪牛乳だったら、もっと悪化していたかもしれません(事実は時に、常識を覆す2022年8月1日)。事実関係の積み重ねによって、6年後に真実が見えてきました」→本当の真実は「2020年1月の記述」に記載

また、自家製のヨーグルトを毎日多く食べていた人は、プラークの改善が2年も認められませんでしたが、止めた途端にプラークが改善しだしました。
牛乳で作ったヨーグルトも毎日摂取は控えた方が無難です。 そのヨーグルトは確かに身体によいのでしょうが、現代人での健康面での優先順位第一位は血管にプラークを溜めないことなのです。その点の配慮が現代医学では欠けています。
「2018年10月31日における後日談:豆乳ヨーグルトを多く摂取してプラークの改善が悪くなり、減らした途端にプラークが改善する多くの症例を経験しています。プラークが治りにくいのは牛乳で作ったヨーグルトだからではなく、牛乳製のヨーグルトに含まれる脂質が余計だったのです。(脂質だけの問題ではありませんでした。→2020年5月追記文を参照)→本当の真実は「2020年1月以降の記述」に記載・・ショッキングな内容です。→2022年8月1日追記「牛乳製ヨーグルトも豆乳ヨーグルトも、摂取量が多ければプラークが悪化し、減らすとプラーク悪化が停止したり、改善したり・・・この科学的な説明として・・脂質摂取量とは別の・・異なる因子が関与・・それは・・「乳酸菌」・・・この菌は善玉菌として知られているけど・・そしてお腹の中の・・常在菌なのですが・・摂取し過ぎると腸内細菌叢のバランスが破綻し・・免疫力(貪食能なども)が低下し・・・プラークが悪化する」・・・

追記)
最近はコレステロールゼロ!表示の食用油が消費者を惑わせています。脂肪100%と記載されていますのでご注意下さい。食べ物のコレステロールではなく脂肪分・脂質が危険なのです。
「2018年8月の後日談:コレステロールゼロの表示はダメですが、脂肪ゼロ(脂質ゼロ)ならOKです。」→本当の真実は「2020年1月の記述」に記載:乳製品に関して脂肪0製品はNGです。

追記)
ある食用油のメーカーの宣伝に、「コレステロールを下げる食用油・・」をうたい文句にしている製品があります。油ですから脂肪分100%に違いありませんが、なるほど!、「揚げ物」「甘い物」「アルコール」大好きな人で、血管プラークが沢山溜まっていて、コレステロール値が低い方が非常に多くいらっしゃいます。でもコレステロールが下がってもプラークが溜まれば心筋梗塞・脳梗塞になるのです。
危険なのはコレステロールではなく、脂質(主に植物油、植物油料理、肉の脂、肉の脂汁、青魚や白身魚の脂、魚の脂汁、納豆、豆乳、豆乳ヨーグルト、チョコレート、ピーナッツ、ミックスナッツ(クルミ、アーモンド他)などに含まれている脂質の過剰摂取)なのです。植物性の油脂も、動物性の油脂もプラークの原因としては全く同じ影響を及ぼす。プラーク堆積(動脈硬化の進行)に関して、油脂の氏素性には全く関係がありません。全ての食品の脂質&プラーク堆積に関して、血管内の流体力学的な作用は、特定の食品の脂質に対して、決して忖度してはいません。

食用油を多く消費している県が、心筋梗塞・脳梗塞・大動脈瘤の破裂・大腸ガン・前立腺ガンで死亡する事が多い県であることをご存じですか?(掲載済み)。コレステロール:ゼロという食品が如何に怖い代物であるかをその統計は物語っていますのでぜひご覧下さい。

アルコールの多飲・食品で血管が汚れることを全く念頭にない日本の現代医学の常識には、多くの誤りがありますので、食品のチョイスではごまかされないようにしましょう。

「何を食べるか・・・」だけをメディアでは流しますが、「何を食べないか・・」が長期を見据えた健康のためには優先順位第一位なのです。

追記)
「糖質制限食」は本当に危険です。血管プラークがより堆積(悪化)し、4〜5年後には脳梗塞・心筋梗塞、10年後には認知症・大腸ガン・前立腺ガンのリスクが極めて高くなるでしょう(根拠はこのサイトに掲載)。

つい最近、知人で、1年前に糖質制限食を勧める本を読んでご飯やパンを控えて、揚げ物・甘い物を好む糖質制限食をしていたDrが心筋梗塞で一命を落としそうになりました。そして初めて診察させていただくと、頸動脈以外の血管にプラークがかなり溜まっていたのです。頸動脈エコーは以前に検査を受けており、プラークも極軽度で安心していたらしいです。1年間の糖質制限食でも心筋梗塞を後押ししたのは間違いありません。
プラークは2年で0.4mmも溜まることがあるからです(サイト掲載済み)。

身体8カ所の「血管プラーク」を検査することなく、糖質制限食の「酸化ストレス、糖化ストレス、A1c、体重、体脂肪率・疫学調査結果・・・」がどうだ、こうだからとか、肯定派のDrも、慎重派のDrも、ましてDrではない方々も議論などをしている場合ではないのです。

追記)
血管プラークの掃除はマクロファージという細胞(白血球の一部)がしてくれますが、この細胞の貪食能を高める食品をできれば頻繁に摂取しましょう。豆乳ヨーグルトの乳酸菌や酵母菌による発酵成分であるスフィンゴシンなど,ビール酵母(製品としてエビオス:粉末・錠剤の製品)の食物繊維として含まれる多糖類のβ-グルカンなどがマクロファージの活性を高めてくれます。他にモズクなどに含まれている多糖類のフコイダンにもそのような作用があるらしく、ある大学で研究中。その他、ビール酵母に含まれているナイアシン(補酵素)は脂肪代謝を促進し、頸動脈プラークの形成抑制効果も報告されています(米国:ARBITER 6-HALTS試験)。また、ビール酵母にはグルタチオンという成分も含まれており、これは抗酸化作用があり、脂質などの酸化をある程度は予防してくれるでしょう。古典的なサプリが一番安くて、貴重な希少成分やアミノ酸(蛋白質であるアルブミンの原材料)も多く含まれており、一番最先端のサプリだと思います。
さらに気をつけたい方には、脂質の酸化(劣化)を軽減する目的で、還元水の飲用が有益かもしれません。水道水を酸化水と還元水に分ける装置のレンタル使用などが便利でしょう。

追記)
当院ではエビオス(粉末・錠剤の製品)を、血管プラークがある方、風邪をひきやすい方・・・にお勧めしています。(2020/7月〜錠剤も解禁。効果に差を感じないので)
理由:人は「真核生物(酵母菌やミドリムシなど)から・・>魚・・>人」へと進化しています。
また、「真核生物(酵母菌やミドリムシなど)から・・・>藻・・・>野菜・バラなどの植物」へも進化しています。

つまり、酵母菌やミドリムシなどは、人間やバラに必要な酵素やアミノ酸やその他の必須成分など・・いわゆる栄養成分を全て兼ね備えていることになります。でも、ミドリムシのクッキーは脂質が多いので要注意です。

つまり、進化のプロセスを考えると、人類に必要な基本的成分は酵母菌やミドリムシを食べれば、野菜・魚の肉・動物の肉を食べないでも、必須な成分を補給できることになります。

さらにマウスの実験ですが、豆乳(無調整)を“酵母菌と乳酸菌”で発酵させたときにできる物質が、マクロファージの貪食能(プラークなどを食べる能力)やガン細胞を捕食する能力を高めてくれます(蔭浦禎士、他:日本栄養・食糧学会講演)。ただし、乳酸菌(ヨーグルト)の過摂取は厳禁です(2022年8月1日時点の見解ですが、乳酸菌の適切な摂取量は後述)。

******2013/10/28追記******

追記)
最近、個々の食品に対する質問が目立つようになりましたので、プラークを肥厚させないための食品・料理(調理)済みの食べ物に対する仕分け作業の基本原則を記載します。
砂糖や果糖などの糖分(糖質ではない)や脂質を減らすように指導していますが、闇雲に減らすわけではありません。

血管プラークを減らすための食品・食べ物・食べ方・調理法・料理法に関する基本的姿勢。
「砂糖・脂質・調味料に関して」

1. 今まで記載した食品に関してですが、日本人の食生活に必要不可欠な食材・調味料は容認。
例えば、寿司のご飯に入れる砂糖や味付きポン酢の砂糖成分、ノンオイルドレッシングの砂糖成分など。醤油・味噌は全く問題なし・・塩分は普通に摂取可です。
(基本的に代替え品が無い場合は容認ですが、煮付けなどでは"うま味成分"を極力利用しましょう。「みりん」「砂糖」の使用は可ですが、煮物に植物油を入れるのは不可です。)

2.「全ての植物油」は加熱しないでも・・・摂取は控える方が無難です。

魚の缶詰は大丈夫か?******2016年3月28日 修正
私の書籍「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」(幻冬舎)2009年 に記載した血管プラーク病にならない食事(第五章)の中で、独り住まいの男性のための簡単でお手軽メニューとして、「メインは青魚缶詰」・・と記載しています。 ただし、現在までに3例の青魚缶詰の多食によると思われるプラークの悪化事例を経験しました。2例は週に4〜5缶以上の味噌煮や蒲焼き6ヶ月以上も継続して食べていた方。1例は最初の3ヶ月はWebの食習慣を守られてプラーク改善傾向にあったのですが、その直後からは、書籍が青魚缶詰を勧めているので、味噌煮や蒲焼きの魚の缶詰を週に3回食べる事を、3ヶ月間続けられた後に来院されました。驚きですが、初診時のプラークよりもやや悪化していたのです。原因としては魚の缶詰に使用する魚自体の脂質が多いからです(後に判明)。

備考:3例中の1例は、焼酎の飲み方にも問題がありそうで・・魚の缶詰に関しては更に時間をかけての検証が必要です。→2018 年1月現在:魚の過食はプラークが悪化する事が判明(後述)。

(2016年3月28日時点での考察:プラークが悪化した原因として、缶詰の魚の酸化やタレの影響は少なく、「魚そのものの脂質の量」が問題であり、一人で週に3個のサバ缶詰の魚肉は、この方では摂取過多だったと思われます。「サバ缶ダイエット」をされている方はご注意下さい。青魚(脂の多い、おいしい魚)の過食は危険です)サバの水煮缶を習慣化するとプラークが増加するでしょう。

(油入りの魚の缶詰は避けるべきです)
魚は面倒でもやっぱり「魚屋さん」で買って簡単に工夫して調理しましょう。

食後のスイーツ(甘いデザート)は何がよいか?
デザートにヨーグルトは禁止です。果物の生食がベストです。果物の量は特に制限ありませんが、糖尿病の方はご注意ください。なお、バナナとレモン・完熟ではないキウイだけは控えましょう。
ヨーグルトをデザート感覚で勧めたのは間違いでした。たとえ脂肪0のヨーグルトであっても、1回の摂取すべき量は30g です。しかも、毎日ではなく1日置き(週に3〜4回の摂取)にしましょう。(2021年4月29日修正)

甘い物欲求に負けそうになった時は、干し芋・かるかん饅頭・いきなり饅頭・白米のポン菓子や果物(バナナ以外)がお薦め。玄米のポン菓子やトウモロコシの炒り菓子(ポップコーン)もOKです。ポップコーンに関して・・ポップコーンの市販品は、油や添加物で味や色付けしている品が多いので、無油で自家製がお勧めです。無油ポップコーンの作り方はネットで参照ください。

<肥満の人達へ>

この世の中で最も痩せている人達の食習慣は?
様々な食習慣で、肥満度:BMIが低い人達を調べたら・・・(2014/7/22:最新のデータを掲載)
それは、揚げ物や肉を好きではない人達です。しかもプラークの堆積も少なく、糖尿病や高血圧の発病も少ないのです。

つまり、健康に(プラークを溜めない)痩せるには、肉の脂と揚げ物、油炒め、チョコレート、ピーナッツ、ミックスナッツなどを制限するのが合理的であることが判明しました。白ごはんをあまり制限しないでも痩せられます。

血管プラークが悪化する危険性について論じられていない危険なダイエット法にご注意下さい。その理由の詳細はこのサイトの最新項目をご覧下さい。

<2型の糖尿病(食習慣が原因)の人達へ>

揚げ物・肉を好きでない人の糖尿病発生率が低い(このサイトに最近掲載)ことから、2型糖尿病の原因の背景には、「揚げ物類・肉類・油炒め類の多食」があると思われます・・それによって膵臓全体が疲れて疲弊するのでしょう。つまり、糖尿病の治療としては、最大限に脂質・油を断ち、膵臓を休めるこが必要です(内分泌・外分泌の細胞は表裏一体の関係で一つの臓器に収められています)。

脂質が非常に少ない「ごはん」を食べても血糖はそれなりに上がりますが、膵臓さんはあまり疲れないのです。あまりに食べ過ぎて血糖が上がり過ぎた時だけ働けばいいからです。
不幸にも、もう既に糖尿病である方は、「ごはん」はやや少なめで食べた方がよろしいでしょう。カロリーは極力、油・脂抜きにして落としましょう。ごはんはプラーク(動脈硬化)の原因物質ではありませんから。

これは血管プラークの悪化・改善というプロセスの観察と、食習慣アンケートから得られた考察です。
あくまでも主治医の経過観察の元に行って下さい。

ただし、A1cの値に一喜一憂する前に、必ず・・少なくとも「頸動脈エコー」を受けて下さい・・「糖尿病の方で・・頸動脈エコーを受けておられない・・脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 ・・つまり・・「脳梗塞・心筋梗塞の直前状態」の方がかなり多く見受けられます。何度も述べますが・・「脳のMRI」では脳梗塞直前状態は決して判りません・・脳のMRIで異常が無く、6ヶ月以内に脳梗塞で倒れる人はめずらしくありません。テレビでは、脳MRIの有用性のコメントしか述べられていませんので・・くれぐれもご注意を。脳MRIの弱点を正直に述べられるDrは現在ほとんどおられません。その弱点に気付けるのは・・脳梗塞になった本人と・・8カ所の血管エコー(通常は左右椎骨動脈も観察し、追加で左右の膝窩動脈を加えた12ヶ所)を行えるようになった未来のDrだけなのでしょう。

<当院の食事療法で、体重が減少し過ぎるという悩みはありませんか?>

当院の治療の目的は血管プラークを改善させることで、体重を落とさせることではありませんが、不思議と皆さんがとても痩せられます。脂質制限の結果でしょう。

どんなダイエットも効果がなかったのに5ヶ月で13Kgも痩せられた方もいます。

動脈硬化の改善目的では、塩分やごはんは一切制限していませんので、そのような方は、お茶漬けや、美味しい漬け物などでごはんを多くいただいて下さい。小腹が空けば、お茶漬けや、自家製のおにぎりを海苔や「とろろこんぶ」などで巻いて食べても結構です。"あられ"は通常は油で揚げるのでいけません。

ピーナッツは脂質が多いので、プラークが平均以上も溜まっている人は控えましょう。バターピーナッツは論外です。

クルミやチョコレートの成分が健康にいいそうですが、果たしてその健康という言葉はどういう健康を指すのでしょうか? 脂質の質がいいとはいえ、血管プラークを改善させる力はありません。
「2018年8月の後日談:クルミ、アーモンドなどのミックスナッツやピーナッツ、チョコレートなどの頻回摂取を止めてプラークが改善する例が続出 最近のメディアの情報に踊らされないようにしましょう。これらの食品は、たまに楽しむために食べる程度にしましょう。」
甘党の方・・メディアの情報に我が意を得たり・・と食べ過ぎないようにしましょう。

追記:2014/9/13―2016/3/28―2018/1/29―2018/8/1修正

魚の缶詰に関して

私の食習慣マニュアルを120%守り(禁酒+食事療法)、20年間毎日1000cc(脂質39g)飲んでいた牛乳を止めて豆乳150cc(脂質約3.5g)だけにして、サバの水煮缶詰(脂質含有gは不明、およそ1缶で脂質12g)を毎日1人で1缶・・・1年間・・食べられた方が、1年ぶりに受診されました。 結果:頸動脈プラークのmax-IMT( C-max) 2.6mm→2.26mmと改善していましたが、水煮缶を毎日食べていなかったら、もっと良くなっていたことでしょう。
サバの水煮缶詰は、ほんの1例ですが、この方の場合は、プラークを悪化させる食材ではありませんでした。
ただし、この方は動物性脂質と植物性脂質のほとんどを水煮缶から摂取されているような特殊な方です。
しかも、比較的若年者(48歳)であるのでプラークが悪化しなかったものと思われます。「2018年8月の後日談:この方の受診前と受診後の脂質摂取が、変更した食品だけで計算すると、受診前39gから15g(12g+3.5g)へ23.5gも脂質摂取が減ったのでプラークが改善したのです。牛乳が悪いとか、サバ缶がいいとか・・食材の種類の問題ではありません。長年解けなかった謎がやっと解明できました。正確な測定と食品摂取の聞き取りの事実記載から、真実が明るみになります。」

前述のごとく、普通の食習慣の方でサバの水煮缶(脂質過剰)が原因で、プラークが悪化したと考えられる症例も経験しました。
缶詰以外の近海サバ、塩サバ(大西洋サバ)の多食でプラークが悪化する事は明白です。

なお、サバに含有されているEPAやDHAだけを、箸で摘んで食べることは不可能です。
ブタに39%含有されていて健康に悪いといわれている動物性の飽和脂肪酸が、魚にも何と30%も含まれている事実をご理解下さい。同じ赤い血が流れている動物ですから、ひと皮むけば構成成分は殆ど同じなのです。 血管プラークを見ていない基礎系の学者に誤魔化されないようにいたしましょう。

サバの脂質は多め(後述)ですから、通常は魚(タラなど脂質が少ない品:昔の知識で白身魚が健康に良いと思ったら間違い)・鶏肉・豚肉(赤身だけ)・卵白・蒲鉾・竹輪・豆類などから蛋白質を摂取しましょう。どうしてもサバ水煮缶を食べたいなら、脂質含有が最も少ない製品を選んで(100g当たりの脂質含有量が製品により6.3〜15.3g)、2〜3週に1缶程度食べる位が適当です。
2015年9月頃から「青魚(刺身でも)」を疑うようになりましたが・・・・(「青魚が健康にいい」「魚油は良い油」・・は迷信です:後述)
蒲焼き缶詰、味噌煮缶詰などは、脂質が多いので控えた方がいいでしょう。オイル入り缶詰はお勧めできません。

追記:2014/10/14
タバコ・喫煙について

今までは禁煙指導をほとんど行ってきませんでした。「喫煙とプラーク」に関する確かなデータが存在しないから・・・つまり、喫煙する人はアルコールや揚げ物類を好む傾向にあり、「喫煙とプラークの関係」を明らかにするには症例の集積が必要でした。でも今回やっとその関係が明らかになりました(当サイト:動脈硬化の未来塾 No 43)。

喫煙すると・・・やっぱり・・・ですが・・血管プラークが溜まりやすいのです。 タバコは止めましょう。 おまけに、喫煙する人は、喫煙しない人に比べて、約3倍も糖尿病になりやすいことも判明(今までの疫学調査と同様の結果)。

乳酸菌(ビフィズス菌、他)・ビール酵母(エビオス粉末・錠剤)・無脂肪ヨーグルトなどを摂取して・・マクロファージの貪食能を高める努力しても・・・タバコを吸えば・・・タバコ抽出物がマクロファージの貪食能を低下させるのです。

マクロファージの貪食能(血管プラークやガン細胞や肺炎菌などを食べてくれる能力)は、タバコ抽出物の濃度や時間依存性に低下する(峰松 直人:日呼吸誌 3(2)2014)そうですから・・・タバコをまず・・・1日・・・1本までに減らし、3ヶ月後には0本にしましょう。

マクロファージの能力が低下すると、癌になりやすく、エボラ出血熱・インフルエンザ・デング熱の感染で発病しやすくなります。喫煙は免疫能力を低下させることになるのですから・・損ですね。

また、安静時狭心症に関して、通常はエパデールS(900)2,2xと当院の食習慣で・・早々に・・狭心症発症時の症状が・・軽く・・発生回数も激減します(当サイト:動脈硬化の未来塾 No41)が・・すぐに改善しなかった1例があります・・それは・・夜中に頻回に起こる方で・・・女性ですが喫煙していました・・・ニトロ舌下錠でも改善せず・・救急病院で禁煙指導受けてからは・・狭心症が起こりません。

・・・昔から教科書に載っている・・・「タバコと心筋梗塞の関係」は・・プラークが溜まっている時点では・・まさしく正しいのです・・喫煙で冠動脈が痙攣し収縮(攣縮)します。

追記:2014/10/14

8ヶ所の血管エコーで、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=0--1 の方は今まで通りの飲酒量で構いません。

注意):2022年7月の最新知見として・・プラークを本当に減らそうと思うなら・・酒類は全くのoff がベストです。週末だけ、ビール換算350ccの酒類を、週に1〜2回の飲酒でも・・腸内細菌叢のバランスに破綻を生じ・・回復に1週間以上かかるため・・プラーク改善に支障を生じることが判ってきました。真面目にプラーク改善に取り組むなら・・酒類offをお勧めいたします。
(詳細は後述)

追記:2014/11/17

<最近のグルメ番組について>
テレビを観ていて老婆心ながら一言・・テレビで話題になりやすい「揚げ物食」を好む文化を創ってはいけません。「揚げ物食」を工夫して創作し・・今のお客や友人に喜ばれたとしても・・現代人のほぼ全ての人達はプラークの本当の怖さを知らないのですから・・・未来の日本人の健康寿命がとても心配です。

<「健康弁当」について>
最近の実例ですが、カロリー計算・栄養バランスだけを考慮された「健康弁当」を昼に3ヶ月間・・完食でいただいていた方が・・残念ながら"プラーク悪化(肥厚)"していました。朝・夕は当院の指導通りでも・・毎日の・・毎日の昼食の弁当の影響は大きいのです。

血管プラークの事は・・な〜んにも・・考えられていない市販の「健康弁当」にご注意下さい。・・聞けば・・その弁当には・・普通に「揚げ物」・「油炒め」が入っているそうです。

カロリーと減塩・栄養バランスしか考えていない・・・そんな「栄養学」の古い知識では動脈硬化は防げません・・つまり・・食物・脂質の酸化の研究は・・特に米国で進んでいますが・・調理の現場に生かされていないのが原因です。・・医学でも同様のことがいえます。

弁当に刺身は不向きですので、揚げていない「蒲鉾」「竹輪」を多用してはいかがでしょう。育ちが判りますが、蒲鉾&カツオ節・辛子メンタイ・塩鯖・卵焼き・漬け物・梅干し・海藻の佃煮・白ごはんに「ふりかけ」や「とろろコンブ」で私の世代は育ってきました(現代の塩鯖は脂が乗り過ぎなので注意)。コレステロールが多い・・イカ・タコの煮付けもお勧め。(海藻・小魚の佃煮は砂糖添加でも弁当のおかず程度なら問題ありません)「たまご焼き」・「目玉焼き」・「辛子メンタイ」などはコレステロールが多いですが、脂質が少なく(後述)・・普通にOKです・・・ただし・・全ての油を使用しないで調理すること・・これでは野菜・蛋白質不足になりがちですので・・・以下に述べます。

イカ・タコ・エビ・カニ・貝類や、キビナゴなどの小魚は夕食で度々、食して下さい。脂質ではなくコレステロール・蛋白質・コラーゲン・骨や軟骨成分などの摂取が不足しないように心がけましょう。野菜は必ず必要ですが、定番はトマトです・・ナス・キュウリ・ニンジン・カボチャ、他の緑黄野菜や根菜の煮物風味噌汁(1日2回以上摂取を推奨)など。

肉も時々・・最も脂が少ないモモ肉やヒレ肉(オージービーフなど:和牛・米国牛なら霜降りでない一番安いヒレ肉)を一口サイズにお切った後、茹でて・・・工夫したタレで味付け後・・弁当に詰めてはいかがでしょう。肉自体の蛋白質は全く問題ないのです。レストランでヒレ肉の横に付いてくる油まみれのポテトや添え物は残しましょう。

<・・血管プラークと向き合えば・・食べ物の価値観が・・180度変わります・・>
旅行では・・・駅弁など・・・・イカめし、カニ寿司、椎茸めし、揚げ物が入っていない精進料理みたいな安い「幕の内弁当」・・など探せばいいものがあるのですが・・

たまたま親切に買っていただいた・・・高価な「幕の内弁当」ほど・・油炒め・揚げ物・霜降り肉などが多く・・「猫に小判?」といいましょうか・・・私には・・食べる物がないのです・・。

<・・「皮膚の脂ぎれ」を心配される方・・・へ>
魚皮に含まれるコラーゲン・ケラチン・ヒアルロン酸・などを・・アラカブ:カサゴなどの味噌汁や・・魚の煮付け・・ナマコなどで摂取し、血管や皮膚の細胞に欠かせないコレステロールは・・イカ・タコ・などの海の軟体動物での摂取を心がけ・・・エビオス粉末(1日小さじ1〜2杯まで。錠剤なら1日10錠まで)やトマトを多く摂取下さい・・・皮膚がつるつるしてきます・・つまり・・揚げ物や肉の脂身・バター類で"べとついていた"過去の自分の皮膚が異常だったのではないでしょうか。たとえLDLが上昇しても問題ありません。

私のLDLは現在 180と高いですが頸動脈プラークは改善のままのimt=0.96mm ですし、皮膚もつるつるしています。LDLは悪玉ではないのです。

<プリン体について>
プリン体がどうだとか・・・尿酸がどうだとか・・LDLがどうだとか・・そんな数値にあまりこだわる必要はありません・・・尿酸やプリン体が血管に溜まりますか?・・そんな事はないからです・・血管プラークを心配致しましょう。腎臓の血管が脂汚れで・・腎機能悪化し・・Cr:クレアチニンが上昇すれば・・・食べ物の如何に関わらず・・尿から尿酸が排泄されにくくなり・・尿酸も上昇します・・尿酸は初期の腎障害のマーカーとしての役目もあるのです・・

ビールでプリン体が上昇し・・痛風を心配する観点から・・焼酎を勧める専門家もいらっしゃいますが・・アルコールとプラークとの関係(前述)の観点からは・プラークが溜まって認知症や・半身不随になるのが怖いのか・・・プリン体が上昇して足の親指が痛くなるのが怖いのか・・どちらが損か・・よ〜く考えてアルコールを選択すべきです。脳を守るためなら・・足の親指1本くらい切断する覚悟も必要でしょう。焼酎も日本酒もプラークが溜まらないような飲み方にすべきです(前述)

<・・超一流の・・プロサッカー選手の場合・・>
現在、プロサッカー選手で身体能力・技がトップなのは・・・クリスティアーノ・ロナウドでしょう。

彼の食生活ですが・・・(テレビ放送などから)・・「揚げ物」は食べない・・肉は脂の少ない「ヒレ肉」「鶏肉」・・蛋白質は多く摂取・・ 炭水化物=糖質(穀類)・野菜はキチンと摂取・・レストランでは水は飲まずオレンジジュースたっぷり・・・だそうです。
(2022年8月1日追記:テレビ放映を見た2014年時点では、オレンジジュースで血糖値が上がり過ぎないかな・・とか考えていましたが・・オレンジジュースなどのミカン類には、腸内細菌の餌である水溶性の食物繊維がたっぷり含まれています・・アスリートは・・一過性の血糖値上昇は無視してもいいのでしょう・・・現在のRAP食の理想的なパターンの一つと言える・・食習慣です。アスリートの方・・本当に真似して損はありません。 一般の方は、ジュースではなく生のオレンジを食された方がいいでしょう。)

彼の血管プラークは皆無に等しいでしょう・・・それで・・血流がものすごくいいために・・疲れ知らずで・・あのキック力!・・あのジャンプ力!・・"一流"ではなく・・"超一流"のトップ・アスリートになるためには・・・努力もさることながら・・プラークを溜めない食事が必要でしょうね。

<正しく・・努力すれば報われる・・・>
脳梗塞・心筋梗塞・認知症に絶対ならない・・・脳梗塞・心筋梗塞に2度とならない・・ 具体的には・・血管(動脈)内のプラーク(脂汚れ)を減らすこと・・が根本的な治療なのですが・・・認知症もそうなのです・・認知症の根本的な真の原因のほとんどは・・脳血管のプラークですよ〜・・・

驚くことに・・・このことを・・ほとんどの方はご存じではありません。

<・・認知症は・・心を入れ替えれば・・簡単に予防できる・・・>
脳循環が低下(脳血流低下)と認知症・うつ病・自律神経失調との関連があることは既知の事実です。

・・・そこで・・脳血流が簡単に落ちる原因は?・・そうです・・・脳血管の内側にプラークが・・堆積すれば・・・簡単に・・脳血流は低下します・・・・つまり・・食べ物しだいで・・脳血管内にプラークが堆積し・・容易に・・認知症になりやすい脳内環境になるのです・・・認知症の人は8カ所の血管にもプラークが沢山溜まっていました(参照1)

では・・血管プラークを減らす事が出来れば・・当然・・脳動脈のプラークも減り・・・脳血流が改善し・・・認知症になりにくいのです・・・でも・・・血管のプラークを減らすなんて・・出来る訳がない!・・病院の先生にそんな事を言われた方がおられますが・・未来では治せます。

追記:2015年2月22日

甘党の方に。

甘酒・・たまに30ccの飲用追加はOKです。少量の30ccでも、毎日の飲用はNGです。治りが悪い方で、数名が甘酒の関与が疑われます(2022年10月5日現在)。(なお、ブドウ糖ですから多飲はガン細胞の餌になります。ガンを見つけるPET検査でガン部が光るのは、ガン細胞が放射性物質とくっついたブドウ糖を沢山食べるからです)

なお、2022年8月現在は、甘酒は特に推奨していません。治りが改善する実感がありませんので。

また、腸内細菌叢を整える目的で・・薬局にてビフィズス菌乳製剤(ビオフェルミン、ラックビーなど)を店頭で購入する際は、可能なら錠剤ではなく粉末・細粒を選択しましょう。

追記:2015年3月25日・・具体的内容を2016年5月18日__修正。
<・・プラークが心配な方・・脂がのっている青魚を食べるのは控えましょう・・良好な結果は望めません>

テレビで青魚がいい・・と、聞いたので毎日青魚の煮物または焼き物を食べていた人のプラークが悪化していました。
(その後の研究:2016年5月時点)で、脂の乗った魚を週に2〜3回食べると、プラークは悪化することはあっても、改善しないことが判明)

魚の脂肪成分にも気をつけ、脂の乗っていない部分や、色んな魚介類を食べましょう。

根菜の煮付けなどの炭水化物と野菜だけ食べても、蛋白質、アミノ酸は充分に摂取できます。例えば、トマトにも蛋白質の原料である・・アミノ酸はたっぷり含まれています・・ので・・野菜を食べても筋肉になるのです。野菜類・果物・木の葉・木の実・草・草の実(米粒)を食べて大きくなるのはゴリラだけではありません・・・遺伝子が似ている・・人類も同様です。

EPA、プラビックス(クロピドグレル)、バイアスピリン、プレタール(シロスタゾール)などの血液サラサラを飲まれている方は・・EPA摂取目的で・・脂がのった青魚を特別に食べる必要はありません・・むしろ脂質の少ない魚をチョイスしましょう。

<最近のテレビで話題の植物性油について>

プラークと食品について研究している者として、ほっとけない放送もあります。
"ココナッツ油が健康にいい"とかエゴマ油・亜麻仁油・オリーブ油・米油・・などなど。
油の成分には健康にいいものが含まれているのは・・当たり前です。ただし、それは生で現物を丸かじりしたときの栄養なのです。野生の動物に動脈硬化がないのはそのためです。人間が、木の実や種から油成分を加熱したりして絞り出した油には・・・身体が欲しくない悪い成分も多く含まれていると考えるのが自然です。

ω@@だから健康にいいとか・・全ての油や脂が少なくともプラークを改善させる証拠はありません。

また、HDLには・・血管壁に溜まった腐った脂を吸い取る力があるなどという仮説がありますが・・それ自体にエネルギーを持たないHDLに、血管壁内に溜まったプラークを吸い取る・・そんな物理学的な力があるわけがないのです。LDLの悪玉説同様に・・HDLの善玉説を信じてはいけません。

健康を保つ上での「最優先現象」は"血管の弾力性"ではなく・・"血管壁にプラークを溜めないこと"や"溜まったプラークを減らすこと"・・ですから、@@油が健康にいい・・などとは決して言えません。・・つまり・・信じてはいけません。むしろ、血管プラークが悪化する可能性の方が高いのです。

とにかく・・プラークが溜まっている人は・・あらゆる植物油を敬遠しましょう。

オリーブ油を毎日ドレッシングで・・生で摂取(バージンオイルでも)したり、時々でもそれらの油で炒め物をするとプラーク改善にブレーキになったり、急速にプラークが肥厚することはしばしば経験されます。

追記:2015年4月30日
<MEC食・・危険でしょう!>

MEC食(主に肉・卵・チーズを多く摂取&よく咀嚼して食べる)の書籍が売れているそうですね・・目先の・・見かけのみの健康?さえ良ければいいのでしょうか?

若い人は純粋すぎます・・とても危険です。・・でも、糖質制限食やMEC食などを本当に信じる人がいるということは・・そもそも・・動脈硬化とは何か・・その発生・進行に関する医学常識が正しくないのが根本的な原因です。・・脳梗塞・心筋梗塞で入院しても・・揚げ物や油炒めが・・平気で出てくるそうです・・おまけに・・牛乳まで。

ヒトの動脈硬化は食べ物とアルコールが原因です・・何回咀嚼しても・・酸化した脂や油が還元されるわけではありません。

頸動脈にプラークがないと安心しても・・古代人のミイラでも・・腕頭動脈、大動脈、大腿動脈に石灰化(プラークが変化したもの)がありました・・安心できます?

MEC食・糖質制限食などは語呂がいいので広まるのでしょうか?・・

私の食事療法も完成の域に近づいていますので・・ 動脈のプラークを退縮させる目的の医学的な食事療法として・・・「Medical diet for Regression of Arterial Plaque」(動脈プラーク退縮のための食事療法)・・略して「RAP食」と名付けようと思います。「RAP食」のおおよそ8割は摂取を控えるべき食品、2割は摂取すべき食品です。

「血管プラークダイエット食」で検索すると、私の食事指導を元に、レシピをクックパッドに公開しておられる方があります・・参考にされて下さい・・

「RAP食」をザックリと説明するなら・・「腸内細菌叢のバランスを壊す様な食品・薬品を摂取しないことを前提に、油炒め・天ぷら抜きの古典的な日本食で、脂質が多い魚や肉などを控え、脂質が少ない魚や肉を多く摂取。そしてマクロファージの貪食能を高めるために、野菜たっぷりの野菜ごった煮味噌汁を毎日1〜2回食べ、高品質トコロテンの130gを毎日2回食べ、塩無添加煮干しを毎日10〜15g食べる」です。(2022年8月:根本的に修正が必要でした。詳細は後述)

動脈硬化を治せるRAP食と、治せないまたは進行を食い止められない食事療法との違いは・・直接プラークを観察できる科学技術を羅針盤にしているか、旧来手法である疫学調査を羅針盤にしているか、の違いです。

追記:2015年5月18日

<魚をフライパンで焼いた時の残り汁の魚油は危険です>

4月に・・脂の多い魚にはご注意を!・・との記事を掲載しましたが、青魚の脂はいい脂とテレビで聞いたので・・アジやサンマなど魚を・・焦げないフライパンで焼いたときに出る・・汁がもったいないのでと・・1年間も・・その出汁を週に3日程度は野菜炒めとして・・また・・週に3日は「肉じゃが」の味付けとして・・つまり・・魚の焼き汁をほぼ毎日口にしていた人のプラークは明らかに(1.47→1.47→1.50→1.60mmへと)悪化しました。

魚は網で焼きましょう。焼くときにしたたり落ちる・・あの油・・下の受け皿に落ちて・・へばりつきますね・・酸化したその油は食べてはいけません。

魚や肉を頻繁に焼くと・・換気扇が油汚れしませんか?揚げ物料理をする台所の換気扇も油汚れがすごいです。加熱・酸化した微粒子の油は・・見えないけれど・・超微粒子となって・・煙や蒸気と共に空中に舞い上がり・・換気扇が汚れる・・ということは・・料理をする際は・・自分も超微粒子の油を肺の中へ吸い込んでいることになります。焦げた微粒子の油・・肺がんの原因物質にならないのか?・・心配です。

そこで調べました・・私の予感は大当たりです。JACC studyという日本の大規模コホート研究で「肺がんとの食習慣の研究」の項目を 小笹晃太郎先生が報告されています。

結果:女性でハム・ソーセージ・レバー・揚げ物をよく食べる人が肺がんで死亡しやすい。男性ではこの関係は認められない。

同じ脂肪豊富な食べ物を食べて男女差があるのが判らない・・との考察ですが・・

私の推論は・・「女性がハム・ソーセージ・レバーの油炒めを調理し、その脂が液体になり高熱で気化し・・その噴煙・蒸気を吸い込むためと考えます。揚げ物・天ぷら類も男性・子供達は食べるだけ・・調理する際に発生する微粒子の気化した酸化油が女性の肺がんを発生させていると考えるのが妥当です。・・

女性の方・・油炒め、ハム、ソーセージ炒め、てんぷら・揚げ物調理時は・・・必ずマスクを付けましょう。・でも・調理しなければ・・・食べなければ肺がんにもなりにくいのです。

たばこを吸わないでも・・気化・酸化した油を吸えば・・肺がんになりやすい(私の仮説)。

<エゴマ油・ココナッツオイルなど・・生でも摂取は控えましょう>

テレビの影響で認知症予防の為にと・・5ヶ月間の間・・エゴマ油とココナッツオイルを1週間毎に交互に毎日ドレッシングにかけて食べたり、スープに垂らして食した人のプラークが明らかに悪化しました。

エゴマ油とココナッツオイルを使用しない時期はプラークが改善中だったので残念です。

健康にいい成分の研究はお金になるのでよく研究されて・・知られていますが・・健康に悪い成分を研究してもお金にならないので・・学者もご存じではありません。全ての食用油にはいい成分も悪い成分も含まれていると考えるのが自然です。くれぐれもご注意下さい。

追記:2015年7月6日

<魚の無意識・意識的過食にはご注意を>

3月末より・・患者さん方に・・脂の乗った魚の過食をしないようにと注意していましたが・・3ヶ月経過して・・4人もその効果が現れました。1例は3年間もプラークの改善がなかった頸動脈プラーク:2.33mmが・・いきなり・・3ヶ月で・2.05mmへ・・0.25mmもプラーク肥厚が低下しました。ブリやハマチのカマの塩焼きをしばしば好んで食べていましたが、いわゆる白身魚(脂少なめ)に変えたとのこと。

集団での魚の過食の影響を、動脈硬化の未来塾45)として掲載致しました。ご覧下さい。
また、食生活が動脈硬化の・・真の原因である・・という真実に・・初めて気付いたDrと思われる近藤正二先生の書籍・・「長寿村と短命村」・・ぜひ御一読下さい。

<魚や肉の過食後には必ず野菜のごった煮です>

近藤正二先生のお言葉に「肉・魚を大食することが心臓疾患を引き起こす大きな原因となっているが、島の海女のように、たとえ魚を食べていても野菜多食の習慣があれば長生きは可能なのです」

この言葉に従い、食習慣アンケートとプラークのデータを解析すると・・・恐ろしいほどに・・
その言葉を裏付ける結果が出ました・・・結果は本日、動脈硬化の未来塾45)に掲載しましたが・・

野菜を多食していれば・・魚を多食していても・・プラーク堆積は起こりません・・魚を普通に食べ・・野菜を普通に食べている人と・・ほとんど同じ位の・・血管の汚れ方(プラークの程度)なのです。

なお、野菜ジュースは2023年9月19日現在では、継続しての飲用としては推奨していませんのでご注意ください(後述)。

<動脈硬化に効く薬は?と良く聞かれます・・・>

もしそんな都合の良い薬があったら・・アメリカの元大統領:クリントン氏が冠動脈ステント治療など・・受ける状態になるはずがありません。

でも・・私が創るなら・・
・・それは・・「酒・揚げ物・油炒め・霜降り肉・菓子パンを嫌いにさせる薬です」・・嫌酒薬は存在しますから・・「嫌油脂薬」「嫌菓子パン薬」etc・・を創薬してはどうでしょう。

スタチン剤・降圧剤・血糖降下剤はそれらのいずれにも該当しませんので・・抗動脈硬化(脳梗塞・心筋梗塞の予防)の効果は・・どう考えても・・期待できません。

<たまたま観たテレビで・・責任を感じます・・・>

昨日のテレビで・・「終電に乗り遅れた女性の家に行ったら・」・・・・優しい父は脳梗塞で半身不随・・本人:娘は29歳になり・常勤や結婚の夢も消えようとして・・夢は?の質問に・・「父の最後に・・父に感謝してもらえること」・・涙・・された人も多いのでは。せめて2回目の脳梗塞が無いように。

男性の離婚者・単身赴任者の食生活は・・プラーク堆積しやすいです・・特にご注意下さい。

世の中のお父さん!「アルコール多飲・肉・揚げ物・油炒め・菓子パンを控え・魚の過食に注意しましょう」  そうしないと・・自分と・・子供の・・孝行娘の・・「幸せ」「夢」まで・・あなたは奪うことになるのです・・・病院の薬のみ・・では・・決して脳梗塞を予防できません。

2015年9月7日−追記

<甘酒の多飲・頻回食は止めましょう・・・>
2015年2月22日追記の「甘酒」に関する記事を削除しました。毎日100cc以上を飲用していた5人中1人のプラークがやや悪化しました。

2022年10月5日現在:甘酒はRAP食の推奨食品ではありません。少量(30cc)でも毎日摂取は推奨できません。

<トマトを頻繁に食べましょう>
アミノ酸サプリより・・トマトを食べてはいかがでしょう。・・・"ニンヒドリン反応"・・知っていますか?
中学生の理科の実験で使われます・・指紋検出にも使われるアミノ酸検出反応です。

左は濾紙にミニトマトの汁を垂らして、乾燥させた後に、ニンヒドリン液を滴下して反応を見たものです。濾紙の中央の黒い斑点はトマトの種。・・この結果から・・トマトには非常に多量のアミノ酸が含まれていることが確認されました。おまけに抗酸化物質も含有。

・・つまり・・アミノ酸は蛋白質の直接的な原料ですから・・

トマトを食べても筋肉になるのです。野菜の葉で実験をしていませんが、おそらく・・アミノ酸が含まれているでしょう。 ・・草食動物が草を食べて筋肉質の身体になる秘密はアミノ酸なのです。患者さんからよく・・サプリのプロテイン摂取はいいか?質問されますが・・基本的には、竹輪(蒲鉾など)+卵白+塩無添加いりこ(塩無添加の食べる小魚)などからプロテインを摂取すべきです(2020年7月に修正)。どうしても摂取したいなら、植物由来にしましょう。牛乳由来のホエイプロテインは控えましょう。

当院HPの「動脈硬化の未来塾」にまだ掲載していませんが・・"野菜大好きな人"は・・"野菜が嫌いまたは普通の人"よりも・・血管プラーク年齢が10歳以上も若く、肉や揚げ物大好きでも・・野菜大好きなら・・プラークの肥厚が・・約10年分も抑制されていました。(書籍で詳しく解説)

<当院ではトコロテンをお勧めしています・・・>
海藻に含まれているフコイダンのマクロファージ活性化・抗炎症作用などを期待して、慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンの患者さん方にお勧めしていました。

ガン細胞を食べるのも・血管プラークを食べてくれるのもマクロファージです。

私自身が6年間も・・週に5個(土日以外)・・2017年以降は1日に300gを食べている製品は「崎永商店」のアゴ酢醤油だしのトコロテンです。

これは、味・量(小サイズ)・食感などを考慮して選択致しましたが・・プラークがたっぷり溜まっている方は・・冬でも毎日2個(150gx2=300g)をお勧めします。(毎日1個をお勧めしていた時期もありますが・・。

(2022年8月現在:鹿児島で製造の高品質な「やみつきトコロテン」130gを毎日2個いただいています。詳細は後述)
(ガン治療中・再発予防なら毎日の摂取がお勧め)

なお、海藻類の多食(ヨードを多く含むコンブなどの摂取過多)により、まれに甲状腺機能亢進症(動悸など)や機能低下症("むくみ"など)になったと思われる事例の報告がありますので、注意が必要です。なお、トコロテンのヨウ素含有量はコンブに比して極めて少なく、普通の魚並みです。
また、カリウム含有量も極めて少なく慢性腎不全や、透析中の方も摂取可能です。

当院において・・慢性肝炎や肝硬変、肝癌の方など・・このトコロテンを多数の方が毎日食べられていましたが・・甲状腺機能異常を来した方の経験は・・今のところ・・ありません。
#:甲状腺機能異常がある場合は主治医にご相談を なお、最近の甲状腺専門医の先生は海藻類の摂取制限はあまりされていないようです。

<オリーブオイル・ココナッツオイル・エゴマ油・亜麻仁油・などに注意・・>
最近、動脈硬化の未来塾48)として掲載しましたが、これらの油摂取で・・プラークが肥厚する場合が数多くの事例でありますのでご注意下さい。
テレビで勧める健康食品は・・血管プラークに対する影響に関しては・・ほとんど考慮されていません。
甲状腺機能亢進症や機能低下症と違って、プラークがたっぷり溜まっても・・脳梗塞や心筋梗塞になられて・・倒れるまでは・・決して自覚症状には表れませんので・・ご注意下さい。

2015年11月30日-追記

<チキン:鶏肉をお勧めします>
先日、欧州在住の日本人(53歳:男性)の方が1年ぶりに受診されました。2014年12月の初診時に総頸動脈に3.91mmもプラーク堆積があり、極めて危険な状態でしたが、1年後の2015年11月では2.15mmへ、何と1年間で1.76mmもプラークが退縮(改善)していました。新鮮な魚がないので、魚を食べることはほとんどなく、おいしいハムやソーセージ・ベーコンを止め、肉は全てチキン料理とし、オリーブ油使用を止め(ドレッシングなどでも)、油炒め、揚げ物を止め、ワイン・ビールの多飲を止めて当院指導の範囲内を守りました。

更に付け加えれば、初診時まで1年9ヶ月も服用していたアトルバスタチン10mg(スタチン剤)を主治医にお願いして中止いただき、エパデールS(900)2,2xへ変更いただきました。
(詳細は動脈硬化の未来塾(1)に追加掲載)

そういえば・・サッカーのクリスティアーノ・ロナウド氏が好んで食べるのも「鶏肉」でした。

<毎日魚を食べることは止めましょう>
以前は、毎日の魚料理を勧めていましたが・・本日指導を変更致しました。
毎日魚を食べておられる方は・・週に2〜3回は鶏肉・ブタの赤身料理にしましょう。

刺身を毎日&さらに焼き魚を好んで食べて、プラークが悪化傾向の方もおられます。重ねて述べますが、魚の・・特に脂の乗った魚の多食、頻回食、は危険です。

脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3〜4の方は、時々は肉や魚肉を控えて、卵、卵白、海苔、カツオ節、甘さ控えめの佃煮、根菜を入れた野菜の煮付け、漬け物など、メンタイ少々、シラス&ダイコンおろし、ご飯、味噌汁、ソバ、うどんなどの組み合わせで質素に食事されてはいかがでしょう。白ごはんの有り難みが判ります。

注意)体長6cm以下の目刺しはOKですが、それより大きな目刺しは脂が乗っていますので控えましょう。イワシでも、煮干し(いりこ)サイズはOKです。ししゃもは脂が多いです。(和食に付きものの納豆に関しては、腸内細菌叢のバランスを壊す可能性があり2022年8月の時点では、推奨品から除外しています・・後述を参照下さい)

<最近の怖い話です・・・・・・>
1)50歳の男性が心配そうに血管エコーを受けられました。聞けば、同世代で・・5人のバーベキュー&飲み会仲間の内、最近一人が脳梗塞で急逝。もう一人も脳梗塞で半身麻痺に・・・。本人も血管エコーでは、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2(0〜4)でした。後の二人も心配です。

2)ある会社の経営者によると、最近の6ヶ月で・・・従業員の男性230人中、5人が脳梗塞になり、55歳の一人が心筋梗塞で急逝した・・とのことです。

最近も31歳の有名人が心筋梗塞で急逝されましたが・・有名ではない30代も数多く倒れられているに違いありません。不幸は食事と共に・・口から入ってきます。

<「介護離職者」にならないためには・・・>
1) 65歳以上の親に揚げ物・油炒め・アルコール多飲・乳製品・菓子類の多食を厳しく控えていただきましょう・代わりに・・トコロテンを毎日・・お勧めします。 ・この点は「優しく接してはダメです」。 また、親が病院へ通院しているからと・・決して・!・・決して安心してはいけません!・・・これこそが根本対策です。
病院に通って、血圧薬・コレステロール低下薬をもらって通院しながら脳梗塞で半身不随・寝たきり!・・これが現実です。

「好きな物を食べて・・死にたい・・」・・は、判りますが・・8割は死ねません!・・家族を巻き添えにしての不幸が長く続く事になります・・・。

2016年2月1日)追記)
<魚・エビ・カニ・貝類の選び方・・・・・>
私は魚が好きで、煮付けや塩焼き,刺身も好きです。塩・コショウが効いた鶏肉も好きです。
でも、脂が乗った魚や鶏皮は敬遠しています。自分で魚を調理すればすぐ判るのですが、脂の乗った魚の場合は包丁に脂がべっとり付くのです。

・・「RAP食」に向く魚や肉の見分け方は、さばいた包丁にどれだけ油が付くか?・・で判断出来ます。エビ・カニ・貝類などの場合は包丁に脂が乗りません。蒲鉾(かまぼこ)や竹輪を包丁で切手も・・手で触っても脂が付きません・・これらはOKです。でも、蒲鉾を揚げた食品は茹でても油は落ちません。茹でて表面の茶色い部分をキッチンペーパーで削ぎ落としていただきましょう。

最近は魚を調理する家庭が少ないでしょうから、「新食品成分表」という書籍のデータを元に・・脂成分の少ない・・お勧めの魚をご紹介します。魚肉の生100g中の脂質量(--g)が5g以下を抜粋していますが、週に1回以上食べる場合は、100g当たりの脂質量が4.0g以下を、週に1回位なら6.0g以下の魚まで推奨します:

アイナメ(3.4)、アコウダイ(2.3)、マアジ(3.5)、アマダイ(3.6)、天然アユ(2.4)、アンコウ(0.2)、イトヨリダイ(1.7)、ウルメイワシ(4.8)、シラス:微乾燥(1.6)、イワナ:養殖(3.6)、ウグイ(1.5)、ウマヅラハギ(0.3)、エイ(0.3)、オコゼ(0.2)、カサゴ(0.3)、マガレイ(1.3)、カワハギ(0.1)、カンパチ(4.2)、キス(0.4)、キビナゴ(1.4)、グチ(0.8)、コチ(0.5)、シロサケ(4.1)、ベニザケ(4.5)、ヨシキリザメ(0.6)、サヨリ(1.3)、シイラ(1.9)、シタビラメ(1.6)、シラウオ(2.0)、スズキ(4.2)、キダイ(3.1)、チダイ(2.4)、スケトウダラ(0.2)、辛子明太子(3.3)、マダラ(0.2)、ドジョウ(1.2)、トビウオ(0.7)、ハゼ(0.2)、バラクータ(3.0)、ヒラマサ(4.9)、天然ヒラメ(2.0)、養殖ヒラメ(3.7)、養殖トラフグ(0.3)、マフグ(0.4)、フナ(2.5)、ホウボウ(4.2)、ホッケ(4.4)、キハダマグロ(0.4)、クロマグロ:赤身(1.4)、ビンナガ(0.7)、ミナミマグロ:赤身(0.1)、メジマグロ(4.8)、メバチ(1.2)、メバル(3.5)、養殖ヤマメ(4.3)、ワカサギ(1.7)、貝類:全て1.4g以下、エビ類・カニ類:全て0.6g以下、ケンサキイカ(1.0)、コウイカ(0.3)、スルメイカ(1.2)、ホタルイカ(3.5)、ヤリイカ(1.0)、イイダコ(0.8)、マダコ(0.7)、生ウニ(4.8)、オキアミ(3.2)、クラゲ(0.2)、ゆでシャコ(0.2)、ナマコ(0.3)、ホヤ(0.8)、<水産練り製品>・・・カニ風味蒲鉾(0.5)、蒸し蒲鉾(0.3〜0.9)、焼き抜き蒲鉾(0.3〜2.0)、焼き竹輪(0.3〜2.0)、はんぺん(1.0)、

その他で興味あるデータですが、魚肉ソーセージ(7.2)、カラスミ(28.9)、ウナギ(19.3)、サンマ(24.6)、マサバ(12.1)、大西洋サバ(26.8)、イクラ(15.6)、ブリ(17.6)、

青魚でも脂質が多い魚は敬遠して、上記を参考にキビナゴやマグロ赤身などを選択しましょう。特に女性なら圧迫骨折予防・お肌の老化予防にシラスやチリメンジャコがサプリとしてもベストです。

脂質が少ないカワハギやカレイ、オコゼ、カサゴ類も煮付けや吸い物・刺身としても美味しいです。

ヒラメのアラなど、脂少なめの魚のアラは安価です。吸い物・水炊きにするとコラーゲンをタップリいただけて、骨粗鬆症の予防にもなりますが、時間をかけて煮つめて、くれぐれもアク(浮いた油)は捨てましょう。

魚の吸い物・味噌汁をいただく際に、魚の小骨にご注意下さい。お皿の上なら小骨の認識が可能ですが、水中で魚肉と小骨を仕分けするのは困難です。くれぐれも魚肉とご飯を一緒に口の中へ入れない様にしましょう。魚の骨を口内で感じにくくなり、ノドや食道に骨が突き刺さり・・大変なことになります。

特に子供や老人には注意してあげましょう。 認知症傾向のある人へは、スープだけお出ししましょう。

ブリ(17.6)やハマチ(18.2)のカマの塩焼きでプラークが堆積したと思われる事例もありますので、安価ですが脂の多いマグロのカマ(トロ並み)もご注意下さい。ブリもハマチもコレステロールは低いのです。くれぐれも「コレステロール神話」に乗せられないようにしましょう。

・・(プラークに関する)事実は小説よりも奇なり・・なのです・。

<肉類の選び方・・・・・>
上記と同じ基準ですが、肉の生100g中の脂質量(--g)で、5g以下を抜粋していますが、週に1回以上食べる場合は、(4.0g以下)を推奨。週に1回程度なら(6.0g以下)でもOK。
和牛:脂の少ないモモ肉を推奨。 輸入牛肉(国別記載なし):肩赤身(4.6)、サーロイン赤身(4.4)、もも赤身(4.6)、外もも赤身(3.0)、ヒレ赤身(4.8)。
子牛肉:リブロース皮下脂肪なし(0.9)、バラ皮下脂肪なし(3.6)、モモ皮下脂肪なし(2.7)。その他部位:牛レバー(3.7)、牛ミノ(8.4)、牛スジ(4.9)、

・・・参考データ:テール(47.1)、牛タン(21.7)、牛ホルモン(26.1)など。

赤身(2.5)、クジラ赤身(0.4)、シカ赤身(1.5)、大型ブタ:肩赤身(3.8)、もも赤身(3.6)、ヒレ赤身(1.9)、ハム類:ボンレス(4.0)、プレス(4.5)、混合プレス(4.1)、チョップド(4.2)、ヤギ肉赤身(1.5)。
カモ皮なし(3.0)、キジ皮なし(1.1)、七面鳥皮なし(0.7)、肉:ムネ皮なし(1.5)、モモ皮なし(3.9)、ササミ(0.8)、砂肝(1.8)、・・参考までに全卵(10.3)。

2015年9月のBS1 NHKテレビ(特集:フロントライン)で・・2014年に1万人(20〜60代)を対象にした民間調査では・・この5年間に牛肉の好みが「赤身に変わった」28.2% 「脂身に好みが変わった」3.0%・・・と放映。---2020年頃には75%の人々が「赤身が好き」になることでしょう。

テレビ放映から抜粋

結婚式などで霜降り肉をテーブルへ提供する場合・・たとえ高価な霜降り肉であっても・・出席者の肉の好みを聞くべき時代に突入!?。

今年の年末には、神楽坂のフランス料理専門店で、「脂が苦手」のリクエストに応じていただき、エゾシカのヒレ肉をメイン料理にして美味しくいただきました。日本料理は「RAP食」に最適ですが、フランス料理でも可能ですね。料理は素材と知恵での創作物・・と感じました。2階にお店があり、シェフも支配人も福岡県出身でした。

2016年2月15日---追記

2016年3月28日---追記・・・5月18日:サプリに関する記述を修正

<「青魚の魚油は健康にいい」は迷信です。療養中の方へ・・脂の乗った「青魚」は危険>

魚大好きの57歳女性ですが・・右鎖骨下動脈のプラークが2.6mmから、約2年半もプラークがほとんど改善しなかったのです。・・・しかし・・大好きな魚を「青魚」から白身魚主体に変更した途端・・・4ヶ月で・・2.53→ 2.30mm へ突然改善しました。例えば、アンコウ鍋を週に3回、その他の魚も脂が少ない白身魚にしたそうです。この方の夫も、それまで改善しなかった大動脈のプラークが:2.91→ 2.75mmへ突然改善しました。 他にも、脂の乗った青魚を食べてプラークが悪化した人、そして白身魚に変更してプラークが改善した方を多数経験しました。
(備考;アンコウの肉の脂は100g中0.2gと少なく、鳥のササミ(0.8g)よりも脂が少ない)

脳梗塞後・心筋梗塞後・認知症傾向などの療養中の方は、くれぐれも100g中の脂質の量が4.0g以下の魚介類・鶏肉・ブタ赤身など、脂質がより少ない食材にしましょう。
週に1回位しか食べない食材(魚や肉)なら、100g当たりの脂質量が6.0g以下をチョイスしましょう。魚や肉は1日250g以上摂取してもOKです。くれぐれもタンパク質不足にならない様に。昔も現在も・・1日の日本人のタンパク質摂取量は・・平均で70g程度です(例えば100gの鳥のモモ肉にタンパク質は19g程度です・・・意識しないとタンパク質不足の食生活になります・・血液検査のアルブミ値が低下し・・筋力が痩せてきます。

なぜなら、鮭は4.1(シロサケ)4.5(ベニザケ)〜13g(ギンザケ)とピンキリですが、鮭を頻繁に食べていた人のプラークは悪化しました。特に鮭では皮の直下に脂が多いので、その部を残すことも考えましょう。

鮭とサバを好んで食べた人もプラークが悪化しました。青魚ならカタクチイワシ(12g), サバ(12g)ではなく、キビナゴ(1.4g)以下の小魚やトビウオ(0.7g)などがお勧めです(前述)。

以前の私は・・・「酸化していない魚の脂は問題なく、刺身ならプラークにならない」と1年近く前まで誤った考えを抱いていましたが・・完全な誤りでした。」・・(・・魚を獲って食べない約束を在来の村人にした平家の落人の村人は、その約束を守り続けて長命村となり・・一方で・大きな青魚を頻繁に食べる村は短命村)・・・この不思議に思える近藤正二博士の疫学調査は正しかったのです。・・

2月1日にも記載しましたが、魚はできるだけ脂が乗っていない魚を選ぶべきです。健康のために、しいて魚を・・特に青魚を食べる必要はありません。

EPA製剤を病院からいただいている方は、サプリでEPA・DHAを追加して服用する必要はありません。

先にも述べましたが、「魚油」が健康にいいわけではありません。ただし、病院からのエパデールSなど:EPA製剤は、「魚油」からEPA・DHAなどを特別に98%以上の純度で、コストをかけて抽出して薬品に仕上げています。ですから、病院薬のEPAでプラークが悪化することはありません。
頸動脈などにプラークが堆積していて、血液サラサラ薬が必要な場合は、サプリのEPAではなく、病院薬のEPAを服用すべきです。かかりつけ医などにご相談ください。その際は、くれぐれもスタチン剤は不要ですので・・担当医にスタチン剤なしでの治療の希望を伝えましょう。

いままでの動脈硬化と食に関する常識は・・エコーという「科学の目」でプラーク見えない・・そういった過去の時代に築かれてきた常識ですので・・検証されるべきです。

余談ですが、トビウオは飛んでエネルギーを使うから脂が少ないのでしょうか・・カワハギの脂が少ないのは口が小さいからでしょうか・・でも、アンコウの口は大きいのに脂が少ない・・イカはなぜ脂質は少ないのに、コレステロールは多いのでしょうか? それは、イカ・タコの祖先が貝類だからです。

では、ブタや牛や鳥や人間の祖先は何でしょう???・・・それは脊椎動物である魚です。・・つまり、魚の油も牛やブタ・鳥の脂や油も・・進化学という科学的な発想で考えると・・大きな差は基本的に存在しない・・とも言えます。その証拠に余った脂は、人でも、魚でも、豚でも、牛でも・・ハラミとしてお腹に脂が溜まります。背中に脂肪がたまる人間はほとんどいません。・・・鳥は飛べなくなるので必要以上にエサを食べません。魚の脂・油だけ特別に健康にいい訳がないのです。

2016年3月28日---追記

<「ドブ川」「ドブ溝」 清掃作業したことありますか!?>

現代の日本人・・・その血管エコー像を毎日見ていると・・誠に失礼な話ですが・・内心・・・、頸動脈やその他の動脈が「どぶ川」に見える・・・ことがしばしばです。

その「どぶ川」清掃作業ですが・・・ドブ(プラーク)が見えない場合は・・やり方が様々です。

1) 「毎日餃子を食べればやせられる」を信じる人は、この「どぶ川」が全く見えないために,土手の草むしりをしながら、「どぶ川」に草を毎日投げ捨てている感じ・・。
2) 糖質制限ダイエットでの「好きなだけ、肉やアルコールを摂取してもやせられる」を信じる人は、「どぶ川」の土手に積もった余分な土砂を「どぶ川」に捨てている感じ・・・土手はスッキリでも・・目に見えない川底には汚泥がたまり続けます。
3) 「亜麻仁油やオリーブ油・エゴマ油・ココナッツオイル・米油などを健康のために摂取しましょう」・・・を信じる人は・・「どぶ川」の・・ドブ水を少しサラサラにするだけで満足し・・ドブ浚えをしないまま帰る人・・・でも・・使った油は・・ドブに変身し、ドブは益々増えるのです。
4) 「血管が強くなる・・健康法」を信じる人は・・「どぶ川」の護岸作業専門です。なんで・・そっちだけやるの〜、こっちを先に手伝ってョ〜・・・と、言いたくなります。

「どぶ川」清掃作業なら、「どぶ川」のドブ浚(さら)え・・こそが、最優先の基本的作業ではないでしょうか。どぶ川の土砂や汚泥は・・血管のプラークと同じなのです

川岸や川底に溜まった汚泥や砂を取り除けば、水質はそのままでも流れは奇跡的に良くなり、下流の作物は青々と育つことでしょう。動脈硬化の全ての症状が根本的に改善されます。

でも、この「どぶ川」の・・・清掃作業マニュアルは・・一言では言い表せません。そのマニュアルは、今日膨大な量になり、現在もバージョンアップ中です。

くれぐれも、これが「RAP食」の最終バージョンアップとは考えないで下さい。
「食とプラークとの事実関係の経験」を踏まえて、修正・追加しますのでフォローして下さい。

2016年5月18日---追記

<肉や魚の酸化がプラーク堆積に及ぼす影響は少ない>

前にも述べましたが、魚を食べず、鶏肉だけを調理して食べた方が・・魚を時々食べる人々よりも、はるかにプラークが減っていました。つまり、魚や肉の脂質含有量が少なければ、調理法は何でも構わない(生でも焼いても煮ても)ということが判明しました。青魚を刺身で多く摂取する方々が、プラークが改善せず、むしろプラークは悪化する事実とも一致します。

<肉が健康に悪い・・・・これは迷信です>

私の書籍で、アンケート結果から「肉が悪い!」とザックリと表現しておきながら、誠に申し訳ありませんが、真実は「肉の脂成分のみ」が問題であることが判明しました。植物油やその添加食品、乳製品やその加工品などからの脂質の摂取を控え・・・必要な“脂質”は、・「穀物・野菜・脂質の少ない肉や魚介類」(生でなくとも加熱調理もOK)から摂取しましょう・・
つまり・・単純な脂質制限ではないのです。 例えば、豆乳ヨーグルトの脂質量は見ないようにしましょう。穀物や野菜の発酵食品や植物油を添加していない加工食品(豆腐など)の脂質量も見る必要はありません。脂質が特に多いアボガドは控えて、ナッツ類など週に2〜3個程度に止めましょう。

<刺身なら魚を多食してもいい・・・これは迷信です>

多くの経験から、脂の乗った魚の刺身を週に2回食べると・・プラークは改善しません。週に3回食べると・・プラークが悪化するようです。この魚食の影響は、魚を焼いても、煮ても同様でした。魚介類の刺身を沢山食べたいなら、100g当たりの脂質量が1.5g以下の魚介類にしましょう。以前の私の書籍「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」では、単純に青魚を勧めていましたが、・・これは誤りです。魚なら岸壁で釣れるような脂の少ない小魚を勧めるべきでした。訂正致します

<動脈プラークを減らしたい方・・・の、魚・肉の食べ方・・大まかな目安>

100g当たりの脂質量が2.0g以下の肉や、魚を調理しましょう。ただし、3.5gのアジ類を週に1回程度なら問題ありません。マダイは白身ですが・・天然で6g、養殖なら11g程度ありますので、1ヶ月に1度以下が適当です。輸入牛のヒレ肉は4.8g、鳥のモモ肉(皮なし)は3.9gですから、いずれかを2週間〜1ヶ月に1度程度ならOKでしょう。
「プラークが現状維持でもいい人」は、上記の頻度、または量を2倍でもいいでしょう。
豚のヒレ肉(1.9g)や鶏のムネ肉(1.5g)は、魚のアジ(3.5g)より脂が少ないのです。
オーストラリア産牛のヒレ肉(4.8g)は・・・近海物のサバ(12.1g)、大西洋産の塩鯖(26.8g)、サンマ(24.6g)、ブリ(17.6g)、ハマチ(18g)よりも遙かにプラークに優しいのです。
大いに脂の少ない肉を活用しましょう。
脂質量はGoogle 検索や書籍で確認できます。

<肉の脂も、魚の油・脂も全く同列に考えるべきです>

肉でも魚でも、脂質の絶対量が少なければ・・焼いても、煮ても、生でも・・プラークの溜まり方に大差ないことが判りました。・・・料理の幅が広がると思いますが・・・。

例えばマグロのトロの1切れは、霜降り肉の1切れと同程度のプラーク堆積への影響力があるとお考えください。ブリやハマチやシメサバやサンマも同様とお考えください。・・「魚の油が健康にいい」「Ox△油が健康にいい」といったテレビなどでよく出てくる・・ザックリとした話は・・・過去の迷信です。決して鵜呑みにしてはいけません。

魚油の評価に時間がかかったのは、プラークを悪化させる要因を一つ一つピックアップしていって、最後に残ったのが“健康にいい”・・と、私も信じていた魚油でした。その多食による悪化・・さらに、控えることでのプラーク改善・・ここまでの確認作業になんと8年の歳月が必要でした。時間がかかり過ぎて申し訳ありません。(2018年12月17日追記:事実は小説よりも奇なり・・この時点でも「納豆」「豆乳ヨーグルト」などの植物性の発酵食品は“健康にいい”と信じていました。
しかし、その脂質でさえも、その過食・多食・頻回食がプラークを肥厚させる(動脈硬化を進行させる)犯人だとは・・2016年5月の時点で・・夢にも思っていませんでした。・・・医学の知識は持っていましたが・・愚かですねー・・・実例での検証が不十分なまま・・信じきっていました。大豆の脂(油)も、アボガドの脂(油)も、オリーブの油も、牛の脂も、魚の脂も・・血管内の脂肪滴を含んだ高水圧血流による・・物理現象の前には・・全て・・分子レベルで同列に考えるべきです。)

2016年6月6日-追記

<オリーブ油の日常的使用は・・健康に・・・やっぱり危険です>

最近、5年ぶりに受診した74歳の男性は、食生活に変わりはないのですが・・・3年前〜オリーブ油を毎日「小さじ」でそのまま頂き、その上に毎日調理に使用していたそうですが・・頸動脈プラークが1mm以下から2.95mm へと急速に肥厚していました。オリーブ油に限らず、亜麻仁油・エゴマ油・ココナッツオイルなどの全ての植物油を日常的に、生でも・・調理して摂取しても・・・極めて危険です。

人工衛星でリアルタイムに雨雲をみていれば、雨に濡れることはありません。
同様に、リアルタイムに全身の血管プラークを見ていれば・・血管病で急に倒れることも・・家族に大きな苦労を負わせる事もないのです。

血管が平均的な汚れでも・・特にテレビなどの影響で・・知らないうちに“現代の誤った健康知識“を信じて実行し・・・血管プラークが悪化する食品を摂取している可能性があります。2年に一度は血管エコーを受けましょう。

<脂たっぷりのラーメンの多食&汁まで完食は危険>

週に3回も、昼にチャーシュー入り豚骨ラーメン(汁を半分飲む)を食べていた61歳の男性ですが、2011年5月には頸動脈プラークが1.4mmでしたが・・・2012年8月に2.2mm・・・2012年11月には2.5mm・・・と進行していましたが・・・・(昼のラーメン食をノーマークでしたので)・・・その後は週に6回にラーメンの回数を増やし(汁も全部飲むように)したところ・・2013年6月の・・・・7ヶ月後には・・・2.5→3.0mm へ急速にプラークが肥厚しました。 しかし、ラーメンを止めて揚げ物なども食べなくなったら・・・2014年3月の・・・9ヶ月後には・・ 3.0→2.29mmまでプラークが驚くほど減少しました。・・その後2014年12月には・・・1.53mmまでプラークが減少しました。

若者の“脂たっぷりラーメン”の過食が心配です。食べる回数や食べ方には・・くれぐれも注意致しましょう。健康のバロメーターとして「体重」をお考えなら・・それは絶対に危険です。この方は肥満ではありません。

ラーメンの汁を冷やして脂成分を除去してスープにするお店をテレビで見ましたが・・広まることを願っています

即席ラーメンでも、ノンフライ麺で鶏ガラスープなどの製品が発売されましたが、脂質含有が少なく、悪くないかもです。

<現代医学の常識を基に健康に注意しても、プラークがとても肥厚している人が多い>

最近、健康にとても気を使っているのに、頸動脈プラークが徐々に進行し、ついには2.69mmまで年々肥厚して心配になり、遠方から受診された50歳前後の方がおられます。プラークと食品の関係について、あまり念頭にない・・現代の医学常識に基づいた健康情報では動脈硬化を予防できないのは明白です。

幸いなことに毎年受けていた頸動脈エコーを受けていたから、思わぬ動脈硬化の進行に気付けたのですが・・・頸動脈にプラークが堆積しない例も多いので・・「健康に注意していたのに・・倒れる」事例は相当数に上ると思われます。

何度も繰り返し述べていますが・・・「運動や体操」、「魚やオリーブ油などを努めて摂取」、「野菜を毎日摂取」、「食事の時は野菜を先に食べる」、「血管にいいサプリを服用」、「糖質やカロリー制限(での体重減)」、「塩分制限」、「薬で血圧降下」、「薬でLDL低下」、「アルコールの休肝日」・・などでは残念ながらこれらの努力ではプラークの進行(動脈硬化の進行)を食い止めることはできないのです。

<頸動脈エコー、CAVI検査、ABI検査で安心するのは危険>

頸動脈エコーでは、そのプラークは危険レベルとの判断はできなくても、身体の他の血管にプラークが激しく肥厚していれば、脳梗塞・心筋梗塞は時間の問題なのです。

最近も、3年前に歩行中にふらつき、記憶が一時的になくなった57歳の女性の方が遠方より受診されましたが(歩行ではなく運転していたら重大な事故を起こしていたでしょう)、当時の頸動脈エコーでは頸動脈のプラーク肥厚は最大1.6mmしかなく、動脈硬化の検査であるCAVI(キャビイ)検査やABI(エービーアイ)検査も異常ありませんでした。・・・でも・・当院の8ヶ所の血管エコーでは・・頸動脈のプラークは1.53mmと・・同じく、特に危険レベルではなく、・・・でも・・左大腿動脈に3.64mmもプラークの肥厚がありました。
脳梗塞・心筋梗塞のリスクレベル=4であり、“RAP食”を指導して血液サラサラ薬を開始致しました。

2016年8月8日-追記

注意:)“肝硬変”の方、糖尿病合併の慢性肝炎やアルコール性肝障害の方など乾燥海藻、生の海藻(モズクなど)、魚の生食はビブリオ・バルニフィカス菌感染症になり、手足の“虫さされ様の発赤・腫脹・痛み”→化膿→壊疽で手足の切断事例・死亡例などがありますので危険です。加熱後の海藻・魚はOKです

<血管のために・・魚介類・軟体動物のコレステロールを努めて摂取を>
魚介類・肉類の脂質を出来るだけ低く抑えて・・・と、指導していますが・・中には血管が弱くなる・・血管力の低下・・を心配される方がおられます。

しかし血管に必要なコレステロールは制限していません。むしろ、貝類、イカ・タコ・エビ・カニのコレステロールは多めに摂取を。私は新鮮なイカを毎週 1パイ以上、刺身で頂いています。冬のナマコのシーズンは、大〜中のナマコを毎日1匹頂きます。お陰で私のLDLは180前後をキープしています。
なお、・・イカ・タコの見た目・触った感触は人間の動脈の感触とほぼ同じです。
全ての細胞の膜は脂質で出来ています。細胞の表面がツルツルなら・・皮膚もツルツルになります。細胞の表面や細胞間隙のためにも、血管壁の“血管力”強化のためにも・・コラーゲン・ヒアルロン酸たっぷりの軟体動物であるイカ・タコ・ナマコ・ホヤ・貝類などを多く頂きましょう。

それで・・LDLが多少上がっても・・全く問題ありません。ちなみに・・LDLが低い人は・・逆に・・くも膜下出血になる場合があります。・・・LDL上昇・・全くご心配なく。

<くも膜下出血の人は・・・LDLが低い・・LDLが低い人こそ危険>
当院に受診された方で・・過去にあるいは経過中に「くも膜下出血」になられた17症例中・・測定できた発症直近のLDLで検討すると・・LDLが80以下と低かった症例が・・なんと・・6例(35.3%)もおられます。・・・・・LDLが低いと・・血管力が低下して・・くも膜下出血になりやすいと思われす。・・・くれぐれもご注意下さい。

薬でLDLを下げ過ぎの人・・担当のDrに任せっきりでなく・・本当に心配しましょう。
血管プラークを溜めずに血管力を高める食材は・・・イカ・タコ・エビ・カニ・貝類・キビナゴ・白子などです。
多く食べれば・・コレステロールは上がるでしょう・・でも・・プラークは減り、血管力は上がります。 食べ過ぎはいけませんが・・。
コレステロールを食べ物で下げればいい・・そんな単純な考えではいけません。理論は2の次にしましょう。理論を作り上げた過去に・・プラークを見て研究した学者は存在していません。

米国では既に健康のためのコレステロール摂取制限を撤廃しています。

<血管力が良好でも脳梗塞になります・・血管力より血管プラークの堆積が重要です>
巷に“血管力”という言葉があり、動脈硬化と関係があるような定説がありますが・・・それは誤りです。優秀な血管力があると評価されても・・・脳梗塞直前の方の・・・CAVI検査を見直すと・・血管年齢が年相応・・といわれていた人が・・なんと64.3%も存在しました。(当院研究:近日掲載予定)  同様に・・ABI検査で正常といわれていた人が・・84.6%でした。・・・・・血管力の検査結果を・・信じて・・現状の食習慣を見直さないのは・・極めて危険です・・本当の意味での血管力を下げないためには・・RAP食が必要です。

動脈硬化に関する医学はまだまだ・・進歩中ですから・・間違った方向へ先に行かないようにしましょう。

2016年9月20日追記

<白身魚が健康にいい・・も、迷信です。魚は100g中の脂肪分(脂質量)で選ぶべし>
血管プラークがタップリ溜まっていた人に・・「脂の乗った青魚を食べていないでしょうね?」・・と、訪ねると・・「はい・・出来るだけ白身にしていました」との返事・・でも・・白身魚の脂質量は全くご存じではない・・・。過去のプラークが突然減りだした体験談では「アンコウ鍋を週に3回と、脂の少ない白身魚」・・と記載していましたが・・「白身魚」という言葉の響きは・・長く残るのでしょうね・・。

白身魚でも・・100g当たりの脂肪分ですが・・天然鯛(5.8g)、養殖鯛(10.8g)、カマス(7.2g)、アナゴ(9.3g)、太刀魚(20.9g)、カラスガレイ(13.8g)・・など・・白身でも脂の量が多い魚がありますので・・ご注意を。

今では、青魚も白身魚も、赤身魚も・・そんなくくり方ではダメです・・と、指導しています。
50歳以上の方は・・魚は、科学的測定での・・なるべく脂の少ない魚をチョイスしましょう。

特に、カラスガレイは日本近海のマガレイではなく・・北洋からの輸入の魚で・・スーパーで出回っていますが・・・マガレイ(1.3g)とは異なりますので・・食養生中の方は・・ご注意下さい。

このような魚介類や肉の脂肪分の量(脂質量)の情報は・・「食品成分表」の書籍を購入するか、ネット検索でご確認下さい。

<脳梗塞の再発、心筋梗塞の再発が怖い方・・などの・・魚介類・肉の食べ方は・・・>
脳梗塞・心筋梗塞の既往者・・・などの極めて危険な方々は・・「揚げ物」・「油炒め」はいかなる高級植物油を使って調理した物であっても・・テレビで高名なDrのお勧めでも・・摂取しないようにしましょう・・

テレビなどで話題の高級植物油(全て)・・生でも摂取してはいけません。

その上で・・魚や肉の食べ方ですが。100g当たりの脂肪量(脂質量)0.1〜3.0g以下の魚介類や肉をバランス良くチョイスしましょう。

特に・・脳梗塞の再発は・・悲惨な結果をもたらします。「油で炒めた物」「揚げ物」や肉の脂身やサンマなど・・たとえ病院食として出されても・・控えた方が無難です。

「揚げ物」は嫌いだから・・と、安心していませんか?
「揚げ物が嫌いで・・野菜の油炒めが大好きな人」の・腹部大動脈は驚くほどに激しくプラークで汚れていました。

注意:)100g当たりの脂肪量が2.0g以下の食材なら・・調理法に関係なく・・頻回に摂取してもOKですが・・・3.0〜4.0g程度の食材を週に2〜3回以上摂取すると・・プラークが堆積する場合があります。

脳梗塞を既に再発した人・・冠動脈のステント挿入を2回以上繰り返した人は・・「揚げ物・油炒め」は少しでも・・たまにでもNGで・・・半年間は・・100g当たりの脂質量が2.0g以下の食材をチョイスして摂取しましょう。その後は脂質量0.1〜3.0gに緩和してもいいでしょう。

しかし・・食品の酸化を心配して・・生で摂取する必要はありません。塩分は・・「心不全」「腎不全直前」状態でなければ・・特に塩分制限は重要ではありません・・・でも・・やや少なめ程度にしましょう。

また・・アルコールは毎日ビール350ccまでで・・プラスαのアルコールは絶対にNG。
ノンアルコールはOK(人工甘味料添加の商品はNG)です。

<今流行の植物油についての余談ですが・・>
RAP食にて食養生していても・・健康のために・・と・・テレビの影響で・・高価な植物油をせっせと摂取している人が・・まだ目立ちます。

水とオリーブ油やココナッツオイル・・どちらがサラサラでしょうか?・・当然水ですね・・・医学者が言う・・血液サラサラとは・・血小板同士がくっつかない(凝集しない)状態を“血液サラサラ”と表現します。

エゴマ油・亜麻仁油・オリーブ油・魚油などは・・血小板同士の凝集を抑制(粘着テープも油で粘着力が低下)する作用がありますが・・・血液内に吸収されると・・その油成分で血液の粘度(粘り度)は上昇する・・と、考えるべきです。・・・つまり・・台所の流しの配管が汚れる事はあっても・・決して・・・それらの油で配管が綺麗になることはありません。

ヒトの血管も同じことです。サイトの「動脈硬化の未来塾 (48) (54)  」に実例呈示済み。

医学者で物理学者なら・・「エゴマ油・オリーブ油などを摂取すると・・血小板凝集抑制作用で血液はサラサラになるが・・油由来成分で・・・血液の粘度は上昇し、血液はドロドロになる」・・と、話さなくてはいけません。また・・医薬品のEPA製剤でない限り・・食品の油には・・魚油に限らず・・植物の種子でさえ・・雑多なオイルを含んでいること・・も、お忘れなく。

<糖質制限ダイエットで脳梗塞になりかけた人がいます・・本人は医療関係者です>

この記事は動脈硬化の未来塾 60)に記載

2016/10/17 追記

<ココナッツオイルの常用は本当に危険・・・緊急安全情報です・・・>

この記事は動脈硬化の未来塾 63)へ記載

**関連事例は動脈硬化の未来塾 48)  未来塾54)

<魚からEPAを摂りたいなら>

魚から・・・魚に含まれるEPA以外の雑多な魚油・・をなるべく控えて・・EPA・DHAサプリにも頼らず・・ある程度のEPAを摂りたいなら(病院からEPA製剤をいただいている方は心配無用)・・日本近海のマガレイなら・・脂質量が少なく(脂質量は100g当たり1.3g)・・・・手軽・手頃で・・EPA含有量は16.1%と高いです・・・・EPA含有量は近海サバ(10.0%)よりも高いのです。

<お肌がカサカサで・・心配なら・・RAP食の裏メニュー伝授>

最近大発見をしました。
魚を買い求める時に・・200gの魚1匹と100gの魚2匹・・どちらがお得・・でしょう??! 
普通は・・魚は量り売りですから(グラムで・・円)・・どちらも同じ値段です。  でも、お肌を良くしたいあなたは・・小さな100gの魚2匹を買うべきです・・・・

私の手などの肌は・・つるつるです・・元々・・天ぷらや揚げ物は好みではないのですが・・元から・・アラカブ(カサゴ)の味噌汁が大好きで・・ナマコが大好物・・イカも週に1回は刺身で3人分ぐらいはいただいています。

先日・・たまたま自炊する機会があって・・魚屋に行くと・・小さいカサゴしかなく・・2匹を買い求め・・味噌汁を作りましたが・・余ったので冷蔵庫に保管したところ・・次の日・・味噌汁がゼリー状に固まっていて・・サジで食べると・・美味なこと・・フランス料理の・・一品みたいでした。
(カサゴの味噌汁を美味しくするには・・九州では・・柚コショウを少々入れるのが定番)

魚の煮付けで煮こごりが固まるのは昔から知っていましたが・・味噌汁が・・固まる経験は初めてです。 昔から・・魚の煮付けは翌日も食べていましたが・・味噌汁は・・残して保存する習慣がなかったかもしれません。(魚の煮付けの煮こごりは醤油味が濃縮され・・あまり美味ではありません)
その時は・・たまたまカサゴを1匹残したので・・冷蔵庫保存したのでした・・・。

ここで科学的に考えました・・・小さいカサゴ(オコゼでも可)だったから・・魚の皮の分量がいつもより多かったために・・味噌汁がゼリー状(魚の皮のコラーゲン由来)に固まったのでは・・?と・・そこで計算しました。  魚をサイコロの形にみたてて・・サイコロの表面積と・・サイコロの重さを比較すると・・

1辺の長さが2倍のサイコロ(6面体)の重さ・体積は8倍ですが、表面積は4倍です。 つまり・・重さが同じ(値段が同じ)なら、重さが半分のカサゴを2匹買った方が・・魚の皮(表面積)を2倍も多く買える・・ことになります。 腰痛や膝痛になやんでいる人も改善するかもしれません。

魚のコラーゲンを美味しく摂取したいなら・・カサゴ・オコゼの小ぶりを数個入れて味噌汁を頻回にいただきましょう。(冷やしてゼリー状にして食べても美味しいです・・魚の小骨にはくれぐれもご注意下さい))

昔から、長寿村では小魚を毎日食べる習慣がありましたが・・小魚は丸ごと(内臓、腸、鱗、皮、骨、軟骨、他)すべて食べることになり、コラーゲン・ヒアルロン酸・セラミド(人の肌の最外層の成分)もタップリということになります。

人の肌に関する研究:

ヒトは・・魚から進化していますので・・魚の皮は基本的に・・ヒトと同じ構造なのです。

また・・豆乳などに多く含まれているセラミドを・・乳酸菌が食べてスフィンゴシン(豆乳ヨーグルトの成分として存在)に変えてくれますが・・このスフィンゴシンが・・ヒトの角質層に作用して・・セラミドの産生を促すことで・・皮膚の保湿性が維持される・・と・・考えられています。・・おまけにこのスフィンゴシンはマクロファージも活性化してくれます。

活性酸素はセラミドの合成を阻害しますが・・還元水や抗酸化物質が贅沢に含まれている野菜のごった煮は・・・・活性酸素の力を弱めてくれます。

したがって・・還元水や野菜のごった煮の常用で・・セラミド合成がスムーズになると思われます。

しかし・・“セラミドを減らす食べ物”を食べていては・・全てが台無しです。

セラミド含有食品(米、ソバ、大豆、こんにゃく・など)を摂取し・・豆乳ヨーグルトでセラミドの産生を促しても・・・皮膚のツルツル効果は期待できません。

一般に・・
リノール酸を摂りすぎると・・体内で・・“アラキドン酸”に変化し・・て・・セラミドを減らす・・と・いわれています。リノール酸は・・オリーブ油や亜麻仁油・エゴマ油など・・ほとんどの植物油や鳥皮・豚・牛の動物性脂肪にも多く含まれています。

つまり・・揚げ物・油炒め・オイルのドレッシング・マーガリンやショートニング(魚油や植物油から人工的に作り上げた・・固形の脂肪:トランス脂肪酸を多く含む)・菓子パン類・脂の効いたラーメン汁など)・鶏皮・ホルモン・ベーコン・霜降り肉・・などの摂取を極力控えることです・・・これらはアトピー性皮膚炎や動脈硬化やガンの原因の一つともいわれています。

流行の糖質制限ダイエットでもダイエットは可能です・・でも・・・御自身でお気付きでしょうが・・そのダイエットでは・・老婆心ながら・・医学的な観点からも・・肌がカサカサになり、色艶が劣化するはずです。しかも・・血管プラークの進行が一番危惧されますが・・。

日本人の肌のきめ細かさ・長寿は・・昔の日本食(魚油を多く含まない小魚・海藻・ノン植物油・ノン動物脂・人参、カボチャを含む多くの野菜・味噌汁・納豆(適量はミニパックを週に1〜2個です)・豆腐・など)のおかげでしょう・・これはRAP食とほぼ同じです。

皮膚のカサカサは・・皮膚の脂・油が足りないからではなく・・セラミドの欠乏による変化ですので・・誤解のないように・・くれぐれも油や脂の摂取にはご注意下さい・・逆効果です。女性のばあいは・・本当にツルツルになるまでは・・セラミド配合の化粧品などがいいかも。

22年も前の話です・・日本食の大御所:故:湯木貞一さん(日本料理“吉兆”創業者)の手に直接触れる機会がありましたが、94歳の男の手にしては・・白くて繊細で・・上品で艶があり・・美しいこと・・非常に驚いた記憶があります ・・・今頃やっとその謎が解けました。

RAP食なら・・お肌もツルツルになる・・理由がお判りだと思います。信じて続行下さい。

2017年2月18日追記

<プラークを治したい方・・トコロテンは・・常用摂取を心がけましょう>

2月の診察室で、プラークの改善が鈍化する症例が多いのですが、そのような場合には「トコロテンを夏の間は食べていましたが・・冬は冷たいので・・」という会話が非常にしばしばであるのに気付きました。
逆に、年末・年始のセレモニーを過ごしても、プラーク改善が継続している場合は「トコロテンは毎日食べています・・」という会話になっているのに・・気付きました。

現在、8カ所の血管エコーが5000例を軽く突破し、データを解析中ですが、野菜パワーに驚いています。プラーク改善に関係する因子として、人間の「心理・心構え」以外に、「マクロファージ活性」「血管内皮の状態」「食品内成分」の“4本の矢”がありますが、野菜の多食には「血管内皮の状態」「食品内成分」の状態を改善させる働きがある・・と考えるのが妥当な結果が得られました。

考えてみれば、海藻は海の野菜です。野菜の値が高騰した昨年の夏〜秋・冬もトコロテン(オーガニック栽培)を食べていれば「お得」で良かったのです。

日本人の昼食は野菜不足になりがちです。私は昼にトコロテンを食べています・・冬もです。

「冬でも職場で冷たくないトコロテンを美味しく食べる方法」を伝授します。
1) トコロテンのパックから密封シール外し、ざるで水洗してパックに戻し、さらに水切り。
2) タレを入れ、ポットの熱湯をパックへ注ぎます(溢れる寸前まで)
3) よくかき混ぜていただきます・・冷たくないはずです

夏は熱湯の代わりに冷水を入れます。先入観は捨てるべきですね・・何でも実験結果が優先します。 (先入観があると科学は進歩しません。「動脈硬化を食い止めるために・・スタチン剤が必要」などがいい例です)

トコロテンを食べるとお腹いっぱいで・・・と言われる方がいますが、「ところてん」=「無農薬の煮野菜」なのですが・・。

2017年5月1日追記
<トコロテンがなぜ?プラーク改善に必須アイテムか>
この9年間のプラークと食品との関係の研究で、プラークを溜めやすい食品の研究は終わりに近づいています。・・3〜4カ月単位の非常に時間のかかる確認作業でした・・。
これからは、プラークが改善しやすい食品に研究をシフトします。
2017年2月〜4月にかけて・・100分の1mmの精度でプラークの肥厚を測定するたびに、しばしば「トコロテンの有り難さ」を確認出来ました。

動脈硬化改善のための必須推奨食品として、第1位はトコロテンです。
量と頻度の問題もあるでしょうが・・時々、モズクやメカブ、おきゅうと、ワカメなどの海藻を食する程度ではプラーク改善の実感がありません。

プラークを治す必要がある人は、毎日(週に6回以上は)トコロテン(最低150g)をいただきましょう。リスクレベル3〜4の人で肥満の人は特に、毎日300g食べる努力をしましょう。その上で上記の海藻などを摂取するように心がけましょう。「継続は力なり」ですが、間違ったことを継続すると大変なことになります。

トコロテンや寒天などを「週に1〜2回食べている・・」では・・効果を実感していません。

私は40年も前から肝がん治療を専門としていますが、肝がんの患者さんには10年前からトコロテンを1日に2個(300g)食べていただく様に指導しています(癌結節が縮小する症例を多く経験)。現在はLMF研究会(低分子フコイダン研究会)の世話人でもありますが、フコイダンの飲用が必要である患者さんには必ずRAP食を勧めています。さらにトコロテンは必須アイテムとして追加でお勧めしています。モズク(多糖類であるフコイダンの原料)とテングサ(多糖類であるトコロテンの原料)は異なる種類の海藻ですから、成分も異なるのでしょう(モズク成分は水溶性、トコロテンのプルプル成分は非水溶性)。

なぜトコロテンがいいのでしょう?  あのプルプルした中に未知なる成分が含有されているのでしょうが、水溶性ではないので実験しにくいのでしょうね。私の経験ではプラークを改善させますので、ところてんにも同じ多糖類であるフコイダンと同様のガンのアポトーシスを引き起こす有益成分が含まれているかもしれません。

とにかく、健康に良い食品とは・・「神様=マクロファージ」へのお供え物なのです。プラークが溜まっている人は、冷たいから・・とか、寒いから・とか、好きではないから・・とか、言えないはずです。  命を狙う敵は「冬でも・寒くても・・攻めてきます」

<脳出血やくも膜下出血の根本原因は・・96.7%がプラークです・・その実態に迫る>
血管をしなやかにする研究をしてほしい・・などのご希望がありますが、血管内のゴミ(プラーク)が減らなければ、血管が広がる方法を考えても間に合いません。そのうえ、血管のゴミがあるままで脳血管が広がると頭痛や片頭痛の原因にもなりますし、脳細胞が圧迫されて認知症の原因にもなります。

私が経験した症例の頭蓋内出血例30例(脳内出血12例、くも膜下出血18例)中29例(96.7%)は脳梗塞リスクレベル=2以上の、いわゆるプラークが根本原因と考えられる事例でした。プラークを脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル1以内に収めておけば、かなり安心していいのです。

脳出血予防・くも膜下出血予防も・・脳梗塞・心筋梗塞・認知症予防と同じで、脳動脈・頭蓋内動脈にプラークを溜めないことなのです。(詳細は今後掲載予定)

「血管をしなやかにする方策」は「プラークを減らす方策」が存在しなかった時代には重要な方策ですが、奇跡とも思える「プラークを減らす方策」を伝授していますので、その方策を理解できた方は・・「血管をしなやかにする方策」は優先順位が低い旧式の作戦とお考えください。

血管の壁にプラークが少ない血管は・・血管劣化が少なく・・普通の食習慣では簡単に切れません!。
(2017年10月追記 :最近40代の方で、プラークは順調に退縮していましたが、血圧はまだやや高めのままで、ビールを毎日1000cc飲まれていた方が、朝の起床時に頭痛もなく脳出血となり(手で掴んだ物を落とす症状のみ)、緊急に血腫除去を受け、後遺症なく経過している方がおられます。LDLが低い人が脳出血になりやすいのですが、この方のLDLは低くはありません。血圧が高めの方は、くれぐれもアルコールには気をつけましょう。高血圧の方で、アルコールを多めに飲まざるを得ない方は、降圧剤での管理を少し厳しくしておいた方が無難です。ストレッチや指圧などで血圧が一時的に低下しても、担当医の同意なく降圧剤の服用を中止してはいけません。アルコールを多く飲んだ翌日に脳出血になりやすいですから。)

<植物油と健康に関しての再確認です>
テレビで説明を受けて、血管にいいとか・・血液をサラサラにするから・・などと・・毎日・・エゴマ油・他の植物油を生でも摂取するのはプラークが増える可能性があるので危険です。

ω3脂肪酸なら、魚から食事として摂取できるので、わざわざエゴマ油を買い求める必要はありません。

プラークを増やさないで、血液を安全にサラサラにしたいなら、高純度のEPA製剤、EPA+DHA製剤などがありますので「かかりつけ医」にご相談ください。その際は、くれぐれもコレステロールを下げる薬であるスタチン剤はご遠慮ください。

2017年7月18日追記
<RAP食を自分で行う場合に、ストイックに砂糖制限+脂質制限をしないように>
RAP食は糖質制限食ではありませんし、肉禁止でもありません。RAP食は日進月歩で進化しています。

脂質制限も、魚介類や肉類、およびそれらの加工品に関してのみ、保存料・人工甘味料などの添加がなく、脂質量が少ない食材を適量摂取するように指導しています。

肥満の人はRAP食で普通に痩せますが、元々肥満ではない女性の方が痩せすぎで心配される場合があります。

その様な場合は、
糖分を増やすためにバナナ以外の果物を通常の感覚よりも多めに毎日摂取してください。そして、主食(白米)を多く食べていただきます。同時にデンプン質のカボチャ、ジャガイモ、里芋などを味噌汁などに多用し、サツマイモなども時々いただく様にしましょう。

その上で、全卵で毎日1個と、卵白のみ2個分を追加で摂取(脂肪ゼロの蛋白質=脂肪ゼロの鶏肉として、卵白は重宝)をお勧めします。
さらに、骨や軟骨や全身の組織のためにも、塩無添加煮干し(真水でボイルした商品)を毎日40匹(長さ4〜5cmの品なら)程度、数分水に浸して柔らかくしていただきましょう。煮干しに含まれるナイアシン(ビタミンB3)はプラークの蓄積抑制効果があるとの研究があります。

さらに、筋肉を付けるために、皮なしの鶏のモモ肉(3.5g)、鶏のムネ肉(1.5g)、鶏のササミ(0.8g)、ブタのヒレ肉(1.9g)、魚のタラ(0.2g)などを多めに(過去の自分より)いただき、運動しましょう。(**g)は100g当たりの脂質の量です。

これらのことで、体重減少がストップし、筋力もアップし、健康的に体力が向上するでしょう。

<“コンビニおにぎり” “コンビニ弁当のごはん”には注意が必要です>
ネット情報によれば、“コンビニのおにぎり”には植物油が混ぜられているようです。「コンビニおにぎり、油」で検索下さい。実際に実験してみました。“植物油添加の記載がない”コンビニおにぎりの角のひとつまみをコップに入れて、水を注いで良くかき混ぜます。すぐに表面に油滴が浮いてきました。また、一晩おいてコップを指で洗ってみると、コップに油がついているのを確認できました。

RAP食を守り、「白米はOKだから・・」と、“コンビニおにぎり”を普段よりも頻繁に食している方がいれば、そのおにぎりをコップで実験してから食べていただく様にお願い致します。

老人の一人暮らしで、健康に良い品を揃えた“ごはん付き弁当”を配達してもらっている方も、その“ごはん”や“おにぎり”は専門の工場で炊飯油を添加されて製品化されている品かもしれません。

弁当の“ごはん”でも実験しました。「コンビニの野菜炒め弁当」には調味油添加の記載がありますが、ご飯には(国産米)とだけ記載があります。この弁当の“白ごはん”で実験すると、“おにぎり”と全く同様に油滴が浮いてきました。

“コンビニおにぎりの多食”が、RAP食を守りながらのプラーク増加に関与かも?・・、と思われる40代の男性の症例もあります。
仕事の配置換えなどで、外食やコンビニ弁当を食べる機会が増えた方などはプラークの増加や高血圧、頭痛などの健康変化にご注意下さい。

現代社会では外で“ごはん”や“おにぎり”を食べる際も、一応は心に留めておきましょう。

2017年7月20日
<記事の削除について>
今回の想定外の“ごはん”“おにぎり”の記事内容を受けて、サプリの症例に関する事実関係の確認が必要になりました。プラークを悪化させる要因は複合的であり、確認作業は慎重であるべきとの観点から、サプリに関するコメントの記事、掲載症例を順次削除または修正します。

2018年1月29日 追記-------緊急安全情報
<納豆・豆乳ヨーグルトの過食はNGです>

「納豆・豆乳ヨーグルトとプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」
Case1:「毎日:豆乳ヨーグルト600g+毎日:納豆3パック+毎日:枝豆をどんぶり1パイ」食べた人が、こんな習慣にしてからプラークが激しく悪化しました。

Case2:「豆乳800g+豆乳ヨーグルト200g(合計で1000g)+納豆2パック+豆腐0.7丁+枝豆70g」これらを毎日食べていた人のプラークが激しく悪化しました。(以前、糖質制限食の経験ある方)

Case3:「豆乳300g+豆乳ヨーグルト500g(合計で800g)+豆腐0.5丁+納豆1個+きなこ:大さじ2-3杯」・・・これらを毎日食べていた人のプラークが明らかに悪化しました。

Case4:「豆乳400g+豆乳ヨーグルト400gを(合計で800g)+豆腐1日置きに0.7丁」を毎日食べていた人のプラークが明らかに悪化しました。

(2017年10月からの臨床経験順)

**2017年の10月から、たて続けに4名の大豆・大豆加工製品の過食が原因と思われる症例に気付きました。

改めて「超音波装置による精密な観察」が無かったら・・・と、想像するだけでゾッとします。

 また、一つの健康常識を覆せました。まだ隠された誤った健康常識があるかもしれません。

今までの、「魚の油(魚油)の頻回な過食は動脈硬化を進行させる」(動脈硬化の未来塾53)「植物油の頻回摂取は健康に悪影響(動脈硬化を進行させる)」(動脈硬化の未来塾54)というプラークの科学的な観察から得られた新事実に加えて、

「植物が含有している油脂成分(油に精製していない脂質でも、例えば大豆やナッツ、ピーナッツ、アボガドなど)の過剰摂取は危険(動脈硬化が進行する)」であることが判明しました。

まさしく、豆腐・納豆・炒り豆・煮豆・豆乳・豆乳ヨーグルトは“畑の肉”でした。

“健康にいい大豆だから”といって過食はいけません。ちなみに、100g当たりの脂質量は「乾燥大豆(19.0g)、木綿豆腐(4.2g)、絹ごし豆腐(3.0g)、豆乳(2.0g)、豆乳ヨーグルト(2.8g)、納豆(10.0g)、きなこ(23.4g)、ゆで大豆(9.0g)、ゆで枝豆(6.1g)、おから(3.6g)となっています。味噌類では「金山寺みそ(3.2g)、豆味噌(10.5g)」など。
なお、フライビーンズ:20.8g、油揚げ:33.1g、がんもどき:17.8gはいずれも揚げ物なのでNGです。
(2008年度食品成分表を基に記載:年度、産地、品種で農産物の成分は微妙に異なるも大差なし)

ちなみにブタのヒレ肉(1.9g)、鶏のムネ肉(1.5g)、ササミ(0.8g)、タラ(0.2g)、卵白(0.0g)、ツナ缶(1.5g以下の製品、主に原材料はカツオ)。 (**g)は100g当たりの脂質の量ですが、これらは豆腐よりも脂質量が少ない。

(2018年4月出版の書籍には豆乳ヨーグルトは200gまでと記載していますが、豆乳ヨーグルトは脂肪0の豆乳ヨーグルトが販売されるまで、当分禁止です。増刷分では修正予定)。コレステロール0商品は、脂肪0ではありませんので、くれぐれもご注意ください。

豆乳は余計な脂質になりますのでお控え下さい。

納豆は推奨品から除外です。過食はプラーク進行につながりますので、どうしても食べたい方は、ミニパック(20g)を週に1回(1パック)まで、普通サイズの納豆(40g)なら週に1回(半パック)までが推奨です。くれぐれも適量をお守り下さい。ただし、プラークの治療を優先すべき人は、納豆は当分控えて下さい。

ちなみに、味噌100g当たりの脂質量は「麦味噌(1.2〜4.3g程度)、米味噌(3.0〜6.0g程度)、豆味噌:八丁味噌、名古屋味噌など(10.5g前後)、合わせ味噌(2.5〜4.5g程度)」です。
1人1日1回とした場合の摂取量は大さじ1パイ:18gですから、味覚上の適量があるので、過食はされないでしょうが、毎日のことですので、なるべく100g当たりの脂質量が3.2g以下の製品にしましょう。

「大豆と小豆(アズキ)は全く別の食べ物です」大豆の脂質はアズキやグリーンピースの9倍、ゆでソラマメの45倍です。

ゆで大豆は100g当たりの脂質は9.0g でも、ゆで小豆(アズキ)は1.0gです。栗0.5g、サツマイモ0.2g。和菓子の粒あん0.6g、(普通はアズキ使用)、ゆでソラマメは0.2g、えんどう:ゆでグリーンピース1.0g、いんげん豆:ゆで豆(1.0g)、ゆでトウモロコシ(1.7g)です。(主に2008年新食品成分表より)・・・金時豆・大福豆と同じく“いんげん豆”なので“ゆでいんげんまめ“(1.0g)です。  同じ煮豆でも、アズキ・いんげん豆類・金時豆の煮豆と、大豆の煮豆は全く異なる食べ物とお考え下さい。

大豆・大豆製品は・・・医学(プラーク学)的に・・・「野菜ではない!肉!」・・事実です

おはぎ(1個67g)中の脂質は0.61g

洋菓子よりも和菓子・・これは正解でした。

「食品に関して、過ぎたるは及ばざるごとし」ですので、多くの食品の素材の脂質量(100g当たり)を知っておくことは重要ですが、細かく脂質量を合計して計算しないで下さい。
糖尿病食や人工透析食みたいに、数字に怯えた食事になりかねません。

脂質の総量を計算してストイックに脂質制限される方の出現は全く希望していません。糖質制限の弊害の二の舞にはなって欲しくないのです。

<ナッツ類の過食はNGです>
糖質を制限する場合は、脂質または蛋白質でカロリーを摂取する必要があります。
糖質制限を引きずっている人は、RAP食を指導しても、糖質(主食)を制限して、大豆やその加工品、ナッツ類の過食に走る傾向にあります。

過去の“糖質を制限して体重が減った“という成功体験は、RAP食による速やかなプラーク減少(改善)のブレーキになります。

大豆の脂質でも、過剰摂取はNGであることが明白になりましたので、ナッツ類の脂質も同様であろうと推察されます。そういう観点で診察すると、

RAP食でプラークが次第に悪化する人があり、訪ねると、ミックスナッツの過食(本人は、以前、糖質制限で体重が減ったという成功体験(快感経験)でナッツを過食)を続行していました。週にアーモンドやミックスナッツを200g食べていました。ナッツの1個を平均1.3gとすると、週にナッツ類を154個(1日22個)食べている計算になります。

「男性でナッツ類の過食はないだろう」という私の先入観と、本人の「ナッツ摂取は体重減少の味方」という思いがあり、2年半の診察でナッツの過食に気付けませんでした。他の食習慣はそのままで、ナッツを止めて結果を観察する予定ですが、RAP食にナッツは必要ではありませんので、ナッツ類、ピーナッツ、アボガド、オリーブを過食されている方はくれぐれも御注意下さい。「素焼きのナッツだから・・油で炒ってないので良い脂質」と考えていたのは間違いでした。

<植物性の脂質(素材含有)も摂取過多はNGです>
考えてみれば、石油も石炭も植物(動物)プランクトン、植物の死骸です・・また、雑食性のブタはトウモロコシや大豆油粕・菜種油粕だけを飼料として食べても脂を作れます。
原子、分子で考えれば・・トウモロコシや油粕の脂質でも分子に分解され、その後にブタの体内で脂として再合成されるわけですから・・・

植物性の脂質はプラークに関係ない・・・と考えること自体が・・非科学的発想だったと反省です。

多くの糖質制限から抜けきらない方々は、くれぐれも御注意下さい。

「たとえサバの水煮缶やナッツで血管が強くなったって、管の中が汚れちゃおしめーよ!」と、寅さんなら啖呵きってくれるでしょう。

2018年2月20日:追記
<納豆の摂取制限をします。納豆は週に1パック(約40g)までに制限>

このサイトや別のサイトで、牛乳で作ったヨーグルトの多食や牛乳の多飲は動脈硬化(プラーク)を進行させる・・と述べていますが、現在までの観察結果からは、それは原料が牛乳だからではなく、含まれている脂質の単なる過剰摂取による影響と思われます。
なぜなら、豆乳や豆乳ヨーグルト、納豆、炒り豆でも・・動脈硬化(プラーク)が明らかに進行します。
昨日豆腐:1/4丁を食べなかったら、今日は豆腐を1/2丁摂取でもOKです。

(今まで疑わなかった大豆を疑ってプラーク観察すると、前述の大豆食品の過食でプラークが明らかに悪化した5例は・・ほんの一部であることが判明しました。)

全ての食品(動物性の脂質、植物性の脂質にかかわらず)の脂質を習慣的に過剰摂取すると、明らかに・間違いなく・・プラークが進行します。
その意味で、EPA製剤は1日900mgx2回で服用する場合が多いですが、EPAも油の一種ですから中性脂肪が高いからといって・・1日900mgx3回で服用するのはおすすめできません。

納豆菌は加熱でも死なないくらいに丈夫な菌ですから・・納豆は毎日1パックではなく半パック(約20g)で充分ですし、半パックを1日置きでもかまいません。

納豆嫌いなら、無理して食べなくてもOKです。その代わり、味噌汁や豆乳ヨーグルトをお忘れなく。

<治療のためのRAP食では、週に2回以上口にする魚または肉は、100g当たりの脂質量が2.0g以下の食品をチョイスすべきです>

プラークの原材料となる原因食品の全容が判ってきました。

健康には・・「肉がいい」・「魚がいい」・「青魚がいい」・「白身魚がいい」・「大豆がいい」・「ナッツがいい」・「上等のオリーブオイルならいい」・「豆乳がいい」・「大豆がいい」・「酸化していない植物油はいい」・「動物性の脂質は健康に悪くて、植物性の脂質は健康にいい」・・これらの単純な解説・・ある意味・・動脈硬化(プラーク)に関しては・・・全てウソです。

地球上の生き物(植物・動物)の脂質は、その種類によって多少炭素原子の数が違っても、結局はプラークの原材料になり得ます。

プラーク(動脈硬化)の治療目的でRAP食を行うなら、週に2回以上口にする魚または肉は、100g当たりの脂質量が2.0g以下、できれば魚ならタラ・イカ・タコ・アンコウ・近海のカレイ・カワハギなど・・、肉なら鶏のムネ肉、ササミ・ムネ肉や卵白(脂質ゼロの鶏肉:全卵1個が60gとして、卵白1個分の重さは約40g。蛋白質は約10%の4.0g、その他はほぼ水分)などを蛋白質供給源にすべきです。ちなみに、納豆1パック40g中の蛋白質は6.6gですから、卵白だけ1.7個分食べると、納豆1パック分の蛋白質を補えます。

<現代人にとって「食べ過ぎたら危険な納豆」・・に比較してナッツ類の摂取を考える>

ナッツ類の約50%は脂質(後述)ですから、ナッツを毎日4個(1個1.3gとして5.2g)食べるということは、2.6gの脂質を毎日摂取することになります。この脂質の量は、やや大きめの50g入り納豆(脂質は5.0g)の半パックや豆乳ヨーグルトの100ccに相当します。 納豆や豆乳・豆乳ヨーグルトの過食で明らかにプラークが進行しますのでナッツ類の毎日の摂取は危険です。

ナッツを毎日20個食べると、脂質量は13.0g・・・
これは普通の納豆1パック(40g:脂質は4.0g)の3.3個分、豆乳ヨーグルト(脂質は2.8%)の460cc,豆乳(脂質2.0%)の650ccに相当します。(備考:国産ゆで大豆の脂質量は100g当たり9.0g、でも納豆は100gあたりの脂質は10.0g・・計算しやすいです・・
また、ナッツの20個は、輸入牛のヒレ肉(4.8%が脂質)270gに相当する脂質となります。感覚的に普通の食事+輸入牛のヒレ肉270gを追加して食べて・・・悪くならない方が不自然です。

RAP食+毎日ナッツ20個でもプラーク悪化しますから、普通食+毎日ナッツ20個なら・・プラークは大変なことになります。

血管プラークを考慮しない医学研究結果は、海外の疫学調査結果でも100%信用してはいけません。

大豆でも過食ならプラークが進行します。・・したがって・・「脂質が多い食品@@を・・多く摂取した群ほど動脈硬化疾患(血管プラーク病)が少ない」・・などの疫学調査があれば・・絶対に怪しいと疑ってかかりましょう。

参考までに、いわゆるナッツ類・木の実の脂質量ですが・・・(  )=100g当たりの脂質量
アーモンド(53.6g)、エゴマ(43.4g) 、カシューナッツ(47.6g) 、カボチャ(51.8g) 、ギンナン(1.3g)、クリ(0.6g)、甘栗(0.9g)、クルミ(68.8g)、ココナッツパウダー(65.8g)、炒りゴマ(54.2g)、ピスタチオ(56.1g)、炒り“松の実”(72.5g)、炒り“らっかせい”(49.4g)、バターピーナッツ(51.3g)、アボガド(18.7g)、ピクルスのオリーブ(15.0g)。

 

2018年3月8日 追記・・・・・・緊急安全性情報!!

<現代人にとって「食べ過ぎたら危険な大豆・納豆」・・を考える>

「納豆とプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」
Case6:
70代の男性で、2016年7月に心筋梗塞。
2016年11月当院初診。・・豆乳ヨーグルトを1日150g(脂質4.2g:納豆1パック相当)摂取開始。
7ヶ月経過しても頸動脈プラークの改善が悪いために、
2017年6月〜嫌いな納豆を毎日1パック(40g)食べていただきましたが・・プラークが悪化しました・・・その原因・理由とは? (IMT=*.**mmです)
右頸動脈IMT=2.16(16年11月)→2.19(17年3月)→2.19(17年6月)→2.17(2018年2月)
右大腿動脈IMT=2.12(16年11月)→1.90(17年3月)→1.98(17年6月)→2.45(2018年2月)
左大腿動脈IMT=1.70(16年11月)→1.69(17年3月)→1.73(17年6月)→1.99(2018年2月)

(要約)2016年11月からの当時のRAP食(豆乳ヨーグルトを1日150g摂取開始)指導で右大腿動脈だけ改善傾向でしたが、2017年6月:右頸動脈と左大腿動脈の改善不良でしたので、(この方は納豆嫌いでしたが)納豆を毎日1パック(40g)食べていただく様に指導したところ・・・2018年2月にはプラークが激しく肥厚しました。

しかし詳しく問診すると、
1)2017年6月から、確かに納豆1パック(40g)を毎日食べ始めました
2)以前から、毎日「ゆで大豆」40g程度を料理として摂取。・・
3)以前から、胚芽米100%を1日3膳は食べている
4)2016年11月〜豆乳ヨーグルトを1日150g摂取
5)初診時以降、RAP食にし、その他の食習慣に変更はない。
(初診時当時はRAP食に大豆・大豆製品の摂取制限はなかった)

<玄米100%食は本当に健康にいいのか?>

玄米100%は、脂質が多いのでおすすめしません。経験上、プラークの治りが悪いです。

その理由とは・・・
玄米100%を一膳(150g)いただくと1.0gx1.5=1.5gの脂質になります。
1日3膳なら1.5 x 3=4.5g

  

白米100%を一膳(150gをいただくと0.3gx1.5=0.45gの脂質になります
1日3膳なら0.45x3=1.35g

白米を全て玄米100%にすると、1日の脂質を4.5-1.35=3.15g余計に摂取することとなります。

この3.15gの脂質、は納豆1パック(40g:脂質は4g)の3/4個分に相当します。

備考:(2008年度新食品成分表を基に計算:作物は年度、産地、品種で若干異なります)

普通の食習慣のまま・・主食だけ1日3膳を100%の玄米にすると、毎日納豆3/4パック食べ続けることになりますので、くれぐれも御注意下さい。

RAP食のベースは白米であり、白米を80%以上にして、雑穀や玄米・胚芽米・大麦などは混ぜるだけにしましょう。

『2022年9月時点の見解:玄米100%の場合、プラークの治りが悪いという経験は、食べられている玄米が必ずしも、完全無農薬栽培のお米ではなく、市販の玄米の場合が多かったのではないか?  そうすると、極微量の残留農薬が付着し、それを日常的に摂取することで、腸内細菌叢のバランスが破綻し、マクロファージの貪食能が低下した結果、プラークの退縮にブレーキがかかったと考えられます。玄米や雑穀は必ず無農薬栽培の品をチョイスすべきです。』

<運動していたら納豆は多めに食べていいか?>

「大豆とプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」
Case 7:
78歳の男性で、プラークの治りが遅いが着実にプラークが改善中の1例です。
大豆製品:豆乳ヨーグルト300g+納豆は毎日2パック中ですので、普通ならプラークが悪化しますが、プラークは改善中です。

その理由とは・・・運動を良くしている・・
「毎日筋トレ1時間+トレッドミル歩行器で時速6Kmを30分(約3Km走)+自転車こぎ20分(60の重い負荷で)・・・運動すると脂質が多く燃焼するのでしょう。

『2022年9月時点の見解:プラークの治りが遅い原因は納豆の毎日2パックの摂取と思われます。納豆を食べていなければ、治るがもっと早かったでしょう。
運動していなければ、激しくプラークが肥厚していたかもしれません。』

成長期の子供〜20歳頃までは、納豆は毎日1パック、豆乳ヨーグルト100g程度は問題ないと思います。子供〜成長期までは美味しい揚げ物、美味しい肉の脂身を好きな子にさせない程度の食育でよろしいでしょう。誤った健康食品情報を信じ・・乗せられて、毎日植物油やナッツ、チョコレートなどを食べている人などは、33〜35歳までに必ず8ヶ所の血管エコーを一度受けて下さい。通常は、RAP食は35〜38歳頃から始めましょう。

<運動できない人:車椅子生活者の納豆・大豆製品の摂取に関して>

プラークが沢山溜まっていて、車椅子生活の人など、納豆、ナッツ、チョコレートの食べ方は慎重に。 「大豆とプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」
Case 8:
76歳の男性。車椅子生活中。20016年6月からプラーク改善目的で通院中ですが、プラークが悪化傾向で不思議でした。しかし2017年10月から2018年2月の間で、プラークが激しく進行しました。

初診時からの治りが悪い原因は、運動が全く出来ないのに
1)以前から納豆は時々食べていたが、2017年10月〜納豆を毎日1.5パック努めて食べていた。

2)以前から、ピーナッツ5粒、クルミ4-5個、アーモンド3-4粒、チョコレート2粒を日替わりでほぼ毎日食べていた。
(毎日ナッツ類の脂質を約3g摂取)・・・納豆換算 納豆30g

3)以前から、炒り豆30g(脂質6.3g)を週に3回・・毎日脂質を約3.0g食べていた。
                ・・・納豆換算 納豆30g

4)2016年6月の初診から豆乳ヨーグルト100g(脂質2.8g)を毎日食べていた。
                ・・・納豆換算 納豆28g

*この方のプラーク悪化傾向の原因は、納豆換算で納豆30+30+28=88g(約2パックの納豆)に相当する脂質8.8gを毎日食べていたことになり、激しくプラークが進行した時期には、納豆3.5パック相当の脂質を余分に(納豆を食べない普通食よりも)摂取していた計算になります。

車椅子生活者のM-line(2019年3月19日追記:後述)は低いと思われ、この方のRAP食は「豆乳ヨーグルトは脂質0ヨーグルトに変更すべきで、納豆は週に半パック(20g)1回まで」で、チョコレートやナッツ類はNGです。

2022年9月の見解『2017年10月から2018年2月の間で、プラークが激しく進行した理由は、単なる脂質摂取が1日脂質8.8gを追加で摂取しても、激しくプラークが肥厚するとは考えにくく、原因は納豆に付着している納豆菌が大量に、毎日腸内へ送られ、腸内細菌叢のバランスの破綻を生じたためでしょう。参考症例(動脈硬化の未来塾 87)

<チョコレートはいいですか?・砂糖抑えたチョコでも・・過食は危険>
大豆の脂質が「動脈硬化の犯人の1人」と判明した以上・・チョコレートの脂質にも目を向けなければいけません。一般的なチョコレート1個の重さは約5gです。平均の脂質は1.8g程度です。
チョコレート3個を毎日食べるということは、3x1.8g=5.4gの脂質を毎日食べることになります。
これは、外国産のヒレ肉(100gで4.8gの脂質含有)113gを食べることと同じです。

チョコレートは、プラーク(動脈硬化)の観点から・・糖分ではなく脂質を注意しましょう。

脂質1g=9キロカロリー(kcal)、糖質=4キロカロリー、蛋白質=4キロカロリー です。
糖尿病の方も、RAP食で健康に(プラークに影響なく・膵臓に負担少なく)痩せられます。
(備考:膵臓の細胞は脂質を分解する酵素を分泌し、インスリンを分泌します。糖尿病の人の膵臓は疲れ切っているのです)

「大豆・チョコレートとプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」
Case 9:
納豆を毎日食べながら、アーモンドチョコレート1箱(70g)を4年前から急に食べるようになった58歳の女性がいます。4年前に右頸動脈プラーク=1.23mm(LDL=105) でしたが、4年後の2018年3月には右頸動脈プラーク=2.32mm(LDL=120)までプラークが進行しました。

女性で脳梗塞になった方の頸動脈プラークの平均が1.9mm程度ですから・・脳梗塞になるのは時間の問題です。 健診のLDLで安心していたら大変なことになりますね。

<ナッツ類を最近食べている人が多いです・・ナッツ類の過食でプラークがどうなるか?・・血管の中を見ていない学者の見解を信じてはいけません・・命を縮めますよ>

動脈硬化に関する疫学研究結果を皆さんはかなり信用していますが・・プラークを直接測定しない疫学研究は、例えれば・・人間の身長(動脈硬化:プラークの総量)を実測して疫学研究をしたいけれど、身長を直接測定できないので、人の影を測定してデータを集めていることと同じです。人の影(コレステロール、LDL,HDLなど)は季節や時間帯でころころ変わりますが、人の身長(プラークの総量≒T-max)は殆ど変化しません。ですから、Tmaxあるいは、ある観察ポイントのプラークの増減は、疫学調査よりも遙かに信頼できるデータになりうるのです。」

「たとえ1例といえども、科学的検証がなされた症例の事実関係は疫学調査の結果に勝る」

<アイスはいいですか? ソフトクリームはいいですか?>
大豆の過食がプラーク悪化に関わっていることが明らかですので、プラークに関する限り、乳製品だからと敬遠する理由がなくなりました。全ての食品の脂質量を理解して食べましょう。

アイスクリームよりラクトアイス(ロッテ雪見だいふく:脂質2.8g、江崎グリコ:カロリーコントロールモナカ:抹茶味:脂質1.9g)が低脂肪です。 いずれも納豆半パック前後の脂質です。

ラクトアイスよりシャーベット(120gで脂質1.2g、半分の60gなら0.6g)が低脂肪で低カロリーです。

ソフトクリーム100gで脂質は13gです。 ・・・私なら、雪見だいふく2個(脂質5.6g)を選びます。・・雪見だいふく2個食べた週は、豆乳ヨーグルト130g(脂質3.6g)を2日間だけ脂肪ゼロのヨーグルトへ変更すればいいのです。・・脂質が少ないおはぎなら・・自分へのご褒美として・・週に2〜3個程度なら問題ないでしょう。

<カレー粉は脂質が多いけど・・いいですか?>
カレー粉は100g当たり12gの脂質。でも1人1回のカレー粉の必要量は16g(脂質0.73g)程度。
ノンオイルのカレーを6回食べると、納豆1パックの脂質量になります。
月に4〜6回食べても問題ありません。

ネットで買えますが、脂質0gのレトルトカレーも推奨です。(添加物にご注意ください)

<チーズはいいですか?>
チーズの脂質は100g当たり約25gです。雪印の有名な6Pチーズの1個は18gですが、この1個の脂質は4.7gです。・・・これは47gの納豆1パックの脂質量に相当します

脂質の少ないチーズなら、カッテージチーズ(100g当たり脂質は4.5g)があります。
このチーズは100gで納豆1パック相当の脂質4.5g。週に1パックの納豆の代わりに、週に1回同じ発酵食品のカッテージチーズ100gを食べてもいいでしょう。
(納豆を週に1パック食べる事は、RAP食の必須条件ではありません)

『チーズに関しての最近の知見を踏まえての進化した見解は・・・・2022年8月1日追記記事をお読みください』

2018年8月6日:追記

<RAP食は決して脂質禁止食ではありません>
日本食になじみの深い“合わせ味噌”や“麦味噌”などの大さじ1杯分の脂質、豆腐(1日に1/4丁以内)の脂質、週に1パックまでの納豆は禁止していません。むしろ今までの平均的な和食に比べれば脂質増量かもしれません。昔は肉と言えば鶏肉または豚肉ですから、現代の和牛に比べれば遙かに低脂質。魚は近海物の魚が主体(素人が岸壁や小舟で釣れる魚は殆どが低脂質)で、ブリやマグロなどの高脂質の魚は年に数回しか食べていないはずです。昔は北洋産の塩サバもありませんでしたし、高脂質のサンマは秋にだけ食べられる魚でした。ウナギも年に数回でした。

つまり、RAP食は昔の和食よりも実質上では高脂質食です。

<ベジタリアンがなぜ動脈硬化になるか?>
最近、66歳の菜食主義者の男性を診察しました。
18年間以上も魚や肉を食べていない(でも毎日800ccの牛乳と、食パンに時々付けるバターはOK)のに、8カ所の血管エコーでは年相応よりもやや動脈硬化が進行していました。なぜでしょう?

食の履歴

  • 1995年・・玄米食開始
  • 2000年・・〜菜食主義(ベジタリアン開始:牛乳、バターはOK、植物油OK、納豆・豆腐OK)
  • 2010年・・体重が67Kgなので1日1食(ダイエット)へ
  • 2016年・・体重は53Kgに(1日1食中)
  • 2018年6月・・8カ所の血管エコーで、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2(0〜4)

    受診時の食習慣(1日2食中)

1)豆腐0.5丁〜1丁/日 を週に4日。おおよそ0.5丁を毎日食した計算。余分な脂質量は(0.5-0.25)x16.8=4.2g(納豆1個分/日)

2)10年間・・昼に毎日・・菓子パン・調理パン4〜5個または食パン(バターorジャムを付けて)。菓子パン・調理パンの脂質を1個あたり平均で8gの脂質含有とすると、5個だと40gの脂質摂取になります。
ちなみに、輸入牛のヒレ肉が100g当たり4.8gですから、調理パン・菓子パン5個を食べるということは、40÷4.8=8.3・・つまり・・時々830gのヒレ肉を食べていたのと同じ脂質摂取なのです。また、食パンを食べる際にも大さじ2杯分のバター(脂質20g程度?)摂取であっただろうと想定できます。
この方は時々豆腐1丁を食べられていますが、豆腐(木綿)は100g当たりの脂質は4.2gですから、豆腐1丁(400g)を食べた日は、4.2x4=16.8gの脂質を食べたことになります。これは輸入牛のヒレ肉に換算すると16.8g÷4.8g=3.5・・つまり350gの輸入牛のヒレ肉を食べたことに相当します

3)玄米食1合/日・・その白米比較の余分な脂質量は(2.7-0.9)x1.5=2.7g(納豆0.7個分/日)

動脈硬化の主な犯人は「菓子パン・調理パン・バター」の過食ですね

ベジタリアンの方、くれぐれも脂質計算には御注意下さい。脂質計算では納豆*何パック?、輸入牛のヒレ肉換算**何g?で考えると、脂質過剰かどうかをイメージしやすいです。

1日1食でカロリーを減らして体重が10Kg以上も落とせても、血管の中のプラークは逆に増える場合があるというカラクリをご理解下さい。

<血管にいいはずのチョコやナッツがなぜプラークの原因になるのか?>
当院では2018年3月以降、問診として納豆、大豆食品を細かく聞くようにしました。ついでにミックスナッツやピーナッツ、チョコレートに関しても調査開始しました。
すると、大豆食品のみならず、ナッツ類やチョコを男性でも頻回に真面目に摂取されている方が多くいらっしゃいました。これらの人達は、プラークの治りが悪いか、プラークが悪化中の人達でしたが、4カ月間のナッツ類やチョコレート、および納豆・大豆食品の制限のおかげで、確認出来た多くの方のほとんどの方でプラーク改善しています。“大豆食品の脂質も過剰摂取はプラークの原因になる”という仮説は真実であることを確認出来ました(2018年8月6日)。

ナッツ類やチョコレート(いずれも高脂質なカカオ**%以上)で短期的には血管がしなやかになるかもしれませんが、血管プラークが1〜3ヶ月で増えてきて血圧上昇・不整脈出現・不整脈の悪化などへ歩むことになりかねません。くれぐれも御注意下さい。

いかなる油でも、物理現象(流体力学)の圧倒的な力の前には単なる油粒子の物体に過ぎません。

例え話をしましょう「家宅侵入した強盗犯を警察が取り押さえた直後の現場に、イノシシや鹿やカエルなども家に迷い込んできたとしましょう、近くの川岸が決壊してものすごい勢いで濁流が家屋内に流れ込んできたとしましょう。家の住人も警察官も強盗犯も、イノシシや鹿やカエルなども平等に家屋外へ押し流され、道路の壁面(人の血管壁を想定)などに打ち付けられます。強盗犯のみが押し流され、壁面に擦られるように流れるわけではないのです。いずれの人物も、動物も物理学的には同じ物体に過ぎません。

同様に油の品質が良くても悪くても、血液の流れに身を任せて血中を流れている油(脂質)は全て、圧倒的な流体力学的な力によって血管壁内へ塗り込められてプラークの原材料になりうるのです。 油以外の微粒子は水に溶けますから長く血管壁内に止まることはないでしょう。(2018年8月現在の真島の仮説です)

<果物の摂取制限を撤廃しました>
血管壁内に溜まるプラークの原材料は脂質です。砂糖や果糖や蛋白質は含まれていません。人体を養うための全ての食品といえど、過剰な脂質はプラークの原材料になるでしょう。今までの10年以上の歳月をかけて、食とプラークの関連を調査してきた経験から、「“この植物の脂質”、“この油だから”プラークにならない・・・」と言える食品は存在しませんでした。(上記Case 6の納豆事件はそれ程インパクトが大きい経験でした)

プラークは血液の中の物質が物理学的に血管壁に押し込められた代物です。プラークは脂質そのものです。つまり、プラークの原材料は全て脂質であり、糖類(果糖・ブドウ糖・砂糖など)でも蛋白質でもありません。

アルコール過飲は、プラークが堆積しやすいように血管内皮細胞を萎縮変性させますが、プラークの原材料ではありません。従って、アルコール多飲者が心筋梗塞になったら、アルコール多飲はプラークが溜まりやすい血管に変性させた原因ではあっても、プラークそのものになったのは“何らかの脂質含有食品”だと思って下さい。

反面教師になれます。アルコールの“つまみ”にはくれぐれもご用心を。

結論として、「脂質含有の全ての食品は、植物性・動物性を問わず、適量以上の過剰摂取でプラークの原因食品になり得る」

そういう意味で、果物に脂質はほとんど含まれていませんから、常識程度の果物摂取はOKです。
ですが、果物含有の野菜ジュースは飲用後に血糖が急上昇する場合がありますので、やはり敬遠する方が賢明です。

なお、糖度が高い果物を多く摂取し過ぎるとカロリー過剰になり、脂質がうまく燃焼されないで血管内を長く流れ続け、プラーク堆積にプラスに働くでしょう。

また、バナナを毎日1本食べている人のプラークは治りにくかったのですが、バナナはカロリーが高いので血中の脂質の燃焼が滞るためと思われます。バナナは毎日半分以下にしましょう。

“頻回に摂取する場合の果物”のお勧め基準は、酸っぱくない果物>食物繊維が多い果物>カロリー・糖度が高くない果物>好きな果物。

2018年10月31日追記
<RAP食は脂質制限食ではありません。脂質の過剰摂取制限食です>
注意していただきたいのですが、最新RAP食は脂質制限食ではありません。伝統的に摂取していた脂質量はキープしているはずです。卵を毎日食べる人は現代では多くはありませんが、RAP食では卵を毎日1個は食べるように指導。豆腐も毎日食べる人は少ないですが、毎日1/4丁の豆腐摂取を勧めています。味噌汁を毎日食べる人も多くはいませんが、毎日大さじ1杯分の味噌を使った味噌汁を勧めています。明太子やウニも勧めています(少量なら摂取可)。低脂質の魚介類、鶏肉、豚のヒレ肉なども摂取量(ボリューム)に制限は設けていません。なるべく植物油無添加の食品を求めますが、代替え品が無ければ特に食べても問題ありません。脂質制限を糖質制限の感覚で何が何でも脂質量を減らすことを指導してはいません。

痩せ型の人は・・・肉や魚の摂取量が少ない人で、いわゆる食が細い人が多いですので、RAP食を実行すると更に痩せることが多く、栄養面から週に2日程は卵を全卵で2個分摂取ください。卵白は毎日2〜3〜4個分をお勧めします。主食である白ご飯やでんぷん質の食品の摂取量の制限はありません。糖質だからと制限している人がいますが、全く問題ありません。果物の過食はいけませんが、普通にOKです。バナナの毎日食はNGです。栗やサツマイモの摂取も脂質成分が少ないので全く問題ありません。敵は血管の中を流れる過剰の脂質であり、糖分はプラークの原料ではありません。余分の糖分が多すぎると血管を流れる脂質が減少しにくく、プラーク堆積に若干プラスに働きますが、余分な糖分は抹消の組織で体脂肪に変換されるだけです。砂糖や果糖に神経質になってはいけません。

2018年11月19日追記

<善玉菌に関しての解説>

以前の記事に「善玉菌である納豆菌・酵母菌・乳酸菌は、なるべく毎日有り難くいただきましょう」と記載していますが・・・
善玉菌である納豆菌は枯草菌の仲間で、100度で煮沸しても死なない強い菌ですから、納豆は週に一度程度のミニ納豆摂取で十分ですし、納豆は食べなくてもOKです。(納豆嫌いの人が、納豆を好きな人よりもプラークが肥厚している印象は全くありません)
なぜなら、納豆菌はイネ科の植物などに住み着いています。つまり、精米したコメにもくっついていて、100度で沸騰した炊きたてのご飯にも生きたままくっついていることになります。麦味噌や合わせ味噌で作った味噌汁にも生きた納豆菌がいることになります。

現代人にとって、納豆菌を摂取する場合は米や麦を原材料とする味噌による味噌汁でいただくのがいいでしょう。

参考資料)厚生労働省多目的コホート研究 (JPHC Study)コホートIによれば、「味噌汁」と乳がんリスクの検討では、味噌汁摂取が多いほどリスクが低い!(統計的に有意な傾向あり)ですが、「大豆、豆腐、油揚、納豆」と乳がんリスクの検討では、やや傾向があるもののはっきりした傾向なし(統計的に有意な傾向なし)。

<スタチン剤を使わない低脂肪食・禁煙・中等度運動などで冠動脈狭窄は改善するが、標準的な医療では冠動脈狭窄が悪化した>

“過剰な脂質の影響”に関して、とても権威ある雑誌:Lancetにこんな論文があります・
1. Ornish D et al. Can lifestyle changes reverse coronary heart disease? Lancet. 1990; 336:129-33.
「結果:コレステロール低下薬(スタチン剤など)を使わず、運動を加味した低脂肪食群では冠動脈の平均狭窄率は1年で改善したが、スタチン剤などを使う標準治療では平均狭窄率が進行した。低脂肪食療法のわずか1年で進行した動脈硬化が退縮するであろう」・・と、記載されています。

(注意:Lancet論文は“低脂肪ベジタリアン食”で実験されていますが、RAP食は動物、植物の脂質に関して、全くこだわっていません)

上のLancetの論文のさらなる経過観察の結果を報告した論文です。
2) Ornish D et al. Intensive lifestyle changes for reversal of coronary heart disease. JAMA 1998 Dec 16;280(23):2001-7.
「食事療法群では1年後、5年後も冠動脈の平均狭窄率改善が継続したが、スタチン剤などを用いる標準治療群では、1年後、5年後も更に平均冠動脈狭窄率の進行が続いた。結論として、標準治療の群が、スタチン剤を使わない食事療法群よりも2倍以上も心臓事象(心不全、心筋梗塞など)が発生した」と、報告されています。

動脈硬化にコレステロールを下げるお薬(標準医療ではスタチン剤を使用)を使わない方がいいとする、画像診断を用いた実験的臨床研究が厳然として存在します。

これら論文の、もう少しだけ詳しい内容は(動脈硬化の未来塾 88))の<考察>に記載。

参考資料:標準的な医療での「脂質低下薬」(1990年頃)とは、ほとんどの場合、皆様が飲まされているコレステロールを下げるお薬=「スタチン剤」を意味します。
(スタチン剤の仲間達):ロスバスタチン(クレストール)ピタバスタチン(リバロ) アトルバスタチン(リピトール) フルバスタチン(ローコール) シンバスタチン(リポバス) プラバスタチン(メバロチン) など

一方で

<テレビの健康情報を信じて、脳梗塞になる人が一人増えるところでした>

テレビの健康情報を信じて2年7ヶ月経過:プラークが悪化した実例1:66歳 女性
納豆・カカオ高含有チョコレート・ミックスナッツ・サバ缶・亜麻仁油などを頻回摂取の複合効果でプラークが悪化したと思われる症例を経験しました。

詳しくは(動脈硬化の未来塾 88))をご覧ください。

<カカオ高含有チョコレートに一言・・・>

脂肪が多いカカオの高含有(おおよそ70%以上)だからこそ、健康に問題なのです。

国民生活センターの調査(H19年:高脂質を心配しての調査)ではカカオ高含有チョコの脂質は100g当たりで41〜54g(納豆の10個分!!オージービーフのヒレ肉1Kg分!!)の脂質を含み、普通のチョコレートは、同じく34〜36gの脂質でした。カカオ88%=カカオ豆成分88%であって、カカオ88%=カカオポリフェノール88%に聞こえるのでしょう。カカオ豆は非常に脂肪の多い豆ですから、プラークを治療する医師の立場からは、食べるならカカオが少ない低脂肪の普通のチョコです。くれぐれも成分表示の脂質@@gを確認してお召し上がりください。

カカオ成分が高脂肪のマイナス要素を消してくれるわけではありません。 当院へ通院中であっても・・テレビでの“カカオは健康にいい”を盲目的に信じる方が非常に多いです。

テレビ出演の先生方は、現在の医学常識を述べられていますが、未来の医学常識ではありません。

くれぐれも・・昔からの“健康にいい”は、血管エコーという科学技術が存在しなかった時代の、食べる物が乏しかった時代の“過去の常識”である場合が多いことをご理解ください。

<「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」の増刷分では以下の修正予定です>

(8月6日掲載分を削除し、以下へ修正しました。8月6日時点での修正カ所の正誤表を知人・家族へ連絡された方は、再度修正内容をご連絡ください)
(正誤表)

  1. P15---(カラーページ)「豆乳ヨーグルト 1日100〜200ccを・・」→「豆乳ヨーグルト 1日100ccを・・」
  2. P211---「豆乳ヨーグルト 1日100〜200ccを・・」→「豆乳ヨーグルト 1日100ccを・・」
  3. P212---魚や肉の「摂取量150〜200gまで」→「摂取量150〜250g程度」
  4. P212---「主食は白米だけでなく2〜8割の雑穀米・・」→「主食は白米だけでなく0.5〜1割の雑穀米・・」
  5. P212---「ときどき白米100%もOKです」→「白米100%でもOKです」
  6. P221---「豆乳ヨーグルトは・・1日200cc程度摂取・・」→「「豆乳ヨーグルトは・・1日100cc程度摂取・・」
  7. P221---「豆乳ヨーグルト100〜200cc、豆腐・・」→「豆乳ヨーグルト100cc、豆腐・・」
  8. P221---「・・・、味噌大さじ1杯」→ 「・・・、味噌大さじ1杯弱」
  9. P221----(最後の行)「・・適量です。」→「・・適量です。無脂肪ヨーグルトは乳製品でも推奨。」
  10. P235---「豆乳ヨーグルトも積極的にとりましょう(1日200ccまで)」→削除し「脂質が少ない肉や魚介類を多めにとりましょう」へ差しかえ。

*ご注意)この記事は、私が独自に行なっているプラーク肥厚・退縮と食品摂取との因果関係の研究結果に基づいて記載しています。新たな知見が得られた場合は予告なく修正しますので、あらかじめご了承ください。1〜2ヶ月に一度の閲覧をお勧めいたします。

2018年12月17日
<食事制限してもしなくてもBMI<18.5 以下になれば、GOT、GPTが高率に上昇する> RAP食の問題点は、痩せ型や普通体重の人が熱心にRAP食に取り組んだ結果、プラークはもちろん改善しますが、より低体重になり、採血データのALT(GPT)やAST(GOT)が35〜90程度に上昇することです。周知の事実として、肥満やアルコール過多で脂肪肝になりGPTやGOTが上昇するのは当然ですが、痩せても(脂肪肝がなくても)GPTやGOTが上昇することに初めて気付きました。
調べると、神経性食欲不振症の合併症として、外来においてALT(GPT)上昇38%、AST(GOT)上昇47%といわれています(東京女子医大2000〜2004年の内分泌疾患総合医療センターの外来初診例)。

当院では、2016年1月から2018年12月の3年間において、BMIが18.5未満の新患初診(221例)の内で、受診前や経過中にALTが35以上になったことがある例は48例(21.7%)であり、その内の37例(77.1%)が低体重によるALT(GPT)上昇であろうと強く疑われました。さらに、BMIが17.9以下に低下すると極めて高頻度にALTが上昇する現象が認められます。

痩せ型の人でALT(GPT)が35以上、またはAST(GOT)が32以上になった人は、まず低体重性肝障害を疑いましょう。この場合のGPTは、通常は100以上まで上昇しません。ただし、極度の神経性食欲不振症ではGPTが120以上まで上昇したケースの報告もあります。 対策は、体重を1〜2Kg増やすことですので、前述の「RAP食で痩せる方」へのアドバイスを食習慣に取り入れてください。低体重性肝障害の他でGPTが上昇した例は、アルコール、風邪薬、漢方薬、抗生剤、造影検査後、EPAサプリ、エパデールなどが考えられました。

低体重でなぜ? GOT、 GPTが上昇するのでしょう?・・・マラソン後の1〜2週間はGOT、GPT,γ-GTP、CPKが上昇することは知られています。これは、生命体が生きるために筋肉や肝臓を切り崩してエネルギー源にしているからでしょう。 例えばですが、収入が想定より少なければ、預金をおろして生活しなければいけませんが、それと同じことが身体で生じているものと考えられます。

ただし、低体重の肝障害のレベルはGPT35~90程度ですから、脂肪肝による肝障害と同じで、1〜2年高値が持続しても特に問題ではありません。できるだけ、半年か1年以内に体重を1〜2Kg増やすように(最低でもBMIが19.2以上に)心がけましょう。 肥満指数:BMIは以下で計算できます。

BMI=「体重(Kg)x10000」÷「身長(cm)x身長(cm)」

<動脈硬化の“物差し”がコレステロール値、血圧、体重、血管年齢などでいいのでしょうか?>

  • 地形の動きなどの測量はGPSによる測定です。「巻き尺」ではありません。
  • 親子の判定も、事件の“動かぬ証拠”も遺伝子解析です。
  • 動脈硬化の“物差し”を・・血管プラークの厚さが1/100mm単位で測定可能な超音波計測に変える必要があります。少なくとも頸動脈エコーをしない(最も重要な血管を見ない)人間ドックなど・・ドックと呼んでもいいのでしょうか?
 

動脈硬化に関しては、お願いですから病院の旧来の物差しに満足してはいけません。非常に危険です。

<最近の・・・本当にあった怖い話・・・怪談話より怖いかも・・・>
最近、52歳の医療関係者の男性が深刻なご様子で受診されました。・・・・ 同級生が立て続けに・・4人急死・・・全員、職場健診を受けているはずです・・・4人の死因ですが・・・脳出血、大動脈瘤(解離)、心筋梗塞、突然死(おそらく心筋梗塞)でした・・・全て・・血管病(ほとんどはプラークが関与)です・・・。

トラックやバスの運転手も全員職場健診を受けているはずですし、ヘリコプターのパイロットも全員職場健診を受けているはずです。

(2015年10月・・米国の153名の乗客乗員を乗せたジェット旅客機で、57歳の操縦士が機内で突然死(心筋梗塞?)し、副操縦士のおかげで助かった事例があることをご存知でしょうか・)

この52歳の男性ですが・・4年前の脳ドックではMRI:異常なし、頸動脈エコー:異常なし。
3ヶ月前の健診では、CAVI検査(血管年齢)で40歳相当と褒められていました。
医学知識が豊富な方ですので、LDLは170前後と高いのですが、コレステロールを下げる薬であるスタチン剤の服用はされていません。

初診時の8カ所の血管エコーでは、確かに頸動脈は最大IMT=0.79mm で全く問題ありません(32歳レベル)。
でも、大腿動脈にプラーク2.39mmを認めました・・・これは80歳レベルの血管汚れです。
つまり・・脳梗塞や心筋梗塞になっても全く不思議ではないレベルまでプラークが進行していました。
プラークの原因はLDLではなく、食習慣でした(食習慣点数=1478点:私の書籍参照)。

<食品に関する今までの疫学調査の結果は・・半分は科学で、半分は占いと同じです。>
なぜなら「@@群はXX群の人たちに比べて20%も脳梗塞・心筋梗塞が少なかった。これは統計学的に有意」という結論があるとしましょう。この結果は科学です。

でも@@群の95%以上が脳梗塞・心筋梗塞にならなかったわけではありません。

@@群の人たちの内で、脳梗塞・心筋梗塞になった人たちは・・「運が悪かった」で片付けられます。

この点は科学ではありません・・占い同然です。魚を週に何回食べるか?の調査でも、どんな名前の魚を食べるか?を質問しないと(白身?とか青魚?とかの質問は、非科学的)・・科学的な調査・捜査とは言えません。

私の研究は、血管病で倒れた・・運が悪かった人達を、最も運がいい人達のグループに引き上げる研究です。そのためには、個別の食品摂取とプラーク肥厚との関係を明らかにする以外に・・道はありません。

動脈硬化の成因を解明しなければ・・現在がそうであるように・・普通に動脈硬化を治すことなど全く不可能です。

<家族や親友が脳梗塞・心筋梗塞や血管病になったら・・本人にぜひお尋ねください>
脳梗塞・心筋梗塞・急性心房細動・急性の不整脈・狭心症・急に体調不良に・・こんな病気が家族に襲い掛かったら・・・・・植物油(全ての植物)、サバ水煮缶、カカオ高含有チョコ、ミックスナッツやピーナッツ、納豆や炒り大豆、豆腐、無脂肪ではない豆乳ヨーグルトや豆乳の多食・多飲、牛乳やヨーグルトの多飲・多食・・食酢(@@酢・##酢)の常飲・多食(酢は2021年12月に追加)・・など、一般に“建康にいい食品”と言われている食品を数ヶ月以上も習慣的に頻回に、または多食していなかったか?・・・・と、・・・必ず本人にご確認ください。
(医療関係者にもお願いです。入院中にさりげなく・・お尋ねください・・参考になるはずです)

これらの習慣で、急速に血管内のプラークが増えると、血管自体の拡張が間に合わず・・脳梗塞・心筋梗塞・急性の心房細動や不整脈が生じやすいのです。

正月の帰省時や法事などで両親、友人や親戚の方で・・「健康のために」と・・こんな食習慣の努力をされている方がおられたら、ぜひこの情報をお知らせください。縁があれば何かを感じられるでしょう。

<スイス人の男性は、日本人の男性よりなぜ長生きか?>

こんなこと考えたことありますか? 日本人は「魚を食べるから長生き」と言われたことがあります。これはウソです。なぜなら2016年の世界保健統計(2015年時点)では、世界の中で・・男性の長生き1位はスイス人、2位はアイルランド人・・・7位が日本人です。
(日本の男性の順位は、今後は益々後退するでしょう・・50台前半での突然死も増えるご時世です)
ちなみに女性では、1位日本人、2位スイス人です。

スイスはアルプスの山の中で、魚はあまり食べられません。タンパク源は自然育ちのシカやウマの肉、うさぎの肉などと聞いています(テレビの旅行番組より)。さて、100g当たりの脂質含有を調べると、シカの赤身(1.4〜1.5g)、ウマの赤身(2.5g)、うさぎ肉(6.0g)・・鹿や馬肉の脂質1.4〜2.5gは、魚で淡白な部類に分類されるアジ(3.5g)よりも脂質が少ないのです。青物の魚の地サバ(12.1g)、ノルウエー塩サバ(26.8g)、ブリ(17.6g)、サンマ(24.6g)と比較すると断然脂質が少ないヘルシーな肉なのです。・・サバ缶などを頻回に食べてはいけません(近日中に証拠の症例を掲載)。

スイス人の男性が、世界で長生き第一位なのは、動脈硬化食品の捜査官としての私の勘ですが・・「スイス人の食べる肉が、現在の日本人が好んで食べる魚の脂質よりはるかに少ないから」でしょう。タンパク質摂取の際の脂質摂取が少ないので、チーズを頻回に食べても問題ないのでしょう。

<「具だくさんの野菜味噌汁」がRAP食の推奨品として確認できた症例の紹介>
野菜をたくさん入れた、当地では通称“野菜のごった煮”の味噌汁がプラーク改善に有効であることを数例で経験していましたが、最終的に確認するに至った症例の方が、実名を明かして健康雑誌の「壮快」2019年2月号(2018年12月15日発売:血管が若返る:特集)に登場していただきました。「具だくさんの野菜汁」の作り方やRAP食での健康回復の経験談を述べられています。また、私への取材記事も掲載(私の写真は2016年7月撮影:髪染めなし)されていますので参考になるかもしれません。

2019年3月19日追記
<1日の脂質量摂取の必要量はどれくらいですか?・・よく質問受けますが・・>
まずは、昔の日本人の脂質摂取量を参考にしましょう。

興味ある貴重な論文がありますのでご紹介します。以下の表1&2の出典は、平光美津子・杉山道夫著:「日本型食生活」の形成と変容 (東海学院大学紀要 3(2009))より。



厚生労働省による、脂質摂取に関する「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」について。
・「脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー」の基準は1歳以上の男女で年齢に関係なく20〜30%とされています・・・

しかし、私の見解では、この基準は問題です。
なぜなら・・・
昭和51の脂肪エネルギー比率(F比%)=21.8%です(上の表1)。
平成17年の脂肪エネルギー比率(F比%)=25.5%です(上の表1)。・・基準通りですね。

しかし、昭和60年代以降も動脈硬化病やガン発症の増加が止まりません(下の図4&図6)。
特に生活習慣病と関連が深い(基本的にはプラークと関係:サイト参照)と考えられる大腸ガン、前立腺癌の増加は顕著です(周知の事実)。

これは昭和40〜50年代以降に脂肪エネルギー比率が20%を上回ったためだと思われます(食習慣の変化による影響は10年後に表面化します)。

・健康のためには脂肪エネルギー比率を昭和35年並みに=10%程度にすべきだと思います。
・1日の摂取脂質量なら昭和35年頃の35g以下にすべきでは?・・と、考えます。

以下--「秋田の脳卒中 脳卒中発症登録でわかること」1950年代から2010年までの実態、危険因子と予防  『秋田県脳卒中医の会』のデータによる冊子(由利組合総合病院)から図4を抜粋引用。

下図:厚生労働省 平成二十八年 人口動態統計月報年計(概数)の概況より図6を引用。

事実確認:
・昭和35年頃の1日の脂質摂取量は24.7g(脂肪エネルギー比率は10.6%)ですが、昭和40年以降は脂質摂取の量が飛躍的に増加。でも、現在の平均の脂質摂取量は国の推奨基準以内です。
・炭水化物(糖質)の摂取は戦前・戦後の時代より摂取量が減少(国民栄養調査、国民健康・栄養調査)でも、脳・心血管イベント・糖尿病は増加中(周知の事実)。
・タンパク質や野菜摂取の量は、あまり変化がない(国民栄養調査、国民健康・栄養調査)。
・戦後、脳卒中発症が急増し、年々増加中。(上のグラフ)
・ガンの増加も右肩上がりです(上のグラフ)。
・食品の成分分析での脂質量は・・その脂質が動物由来か植物由来かは判別ができませんし、判別する必要もありません。人類が食品を食べると、脂質は分子レベルに分解し(分子の由来の判別は不可能です)、分け隔てなく生きるために利用されます。

<コメント>
・私のRAP食はプラークの治療食ですから、戦中・戦後の食糧難時代を除いて、大正時代〜昭和30年代の日本人の食習慣の脂質量かもしれません。個人の生活には様々ありますので、一概に脂質摂取基準は決めかねますが・・検討してみました(下記)。
・RAP食では白米を推奨していますので、ビタミン、酵素類、ミネラルの補給に関しては『トコロテン150〜300g(450gでも可)、週に3〜4回(1に置き)脂肪0のブルガリアヨーグルト30g/日(量&回数を厳守!)ビール酵母、果物適量、温野菜多め、毎日全卵で1個、焼き海苔大1枚(味のり:可)、塩無添加煮干し(真水でボイルした商品)を毎日40匹(長さ4〜5cmの品なら)、豆腐(絹ごし)1/4丁、・・・』などの摂取は必須ですので、栄養的には充分かと。
・人類史上、最も長生きの人類集団は?・・・・2016年時点で・・日本人の女性。この偉業は現在の日本女性75歳〜100歳の方達のおかげです。昔の女性はアルコールをほとんど飲みませんし、脂質摂取が少ない時代を長く過ごされてこられた方達です。
・参考までに:サンプル的な最新RAP食の1日の脂質量( )、タンパク質量「 」ですが「白ご飯1日3膳なら(1.35g)「11.4g」、わかめうどん(1.4g)「13.4g」、全卵1個(6.0g)「4.4g」、豆腐1/4丁(3.0g)「4.9g」、1人前の味噌汁の味噌(0.8g)「1.7g」、イカ煮付け160g(1.6g)「28.8g」、12cm笹かまぼこ2枚(0.6g)「9.8g」、大煮干し数匹(0.4g)「2.0g」+焼き海苔1枚(0.1g)「1.2g」+脂質0野菜+ブルガリア脂肪0ヨーグルト50g(0.0g)「2.1g」+トコロテン300g(0.0g)「0.6g」+卵白1個(0.0g)「4.4g」+きのこ60g(0.2g)「2.0g」+沢庵漬け30g(0.1g)「0.4g」果物各種(バナナ以外)300g(0.3g)「2.7g」
***脂質合計=15.85g タンパク質合計=89.8g
・プラークが現状維持で良いなら1日の脂質摂取量は25g(昭和35年頃)かもしれません。また、1日の脂質25g程度に制限しても、昭和35年頃のように炭水化物を今より多く摂取すればカロリーは十分に確保できます。
・RAP食なら、最も脂質の少ない炭水化物である“白ご飯”を沢山食べても太らない(皮下脂肪がつかない)のはこのためです。白ご飯200gを1日3回摂取しても、脂質量はわずか1.8gです。
・糖尿病でもないのに、血糖が上がるからと・・ご飯を制限されている方がおられますが、白ご飯のせいで糖尿病になるのではありません。炭水化物を多く摂取していた昭和51年以前よりも、炭水化物を減らした現代人の方が・・糖尿病発症は極めて多いのです(上の表)。(国民健康・栄養調査)つまり、白ご飯の多食は糖尿病の原因とは考えられない。
ちなみに脂質1g=9Kcalもありますから(炭水化物1g=4Kcal)、カロリーを落とすには脂質制限が最も重要です。
・総カロリーや炭水化物がプラーク(動脈硬化)の犯人ではないことは、前出の表と図を眺めれば明らかです。 
・誰が考えても・・現代の血管病・認知症の犯人は「脂質過剰」ですよね。
・野菜摂取は重要ですが、野菜摂取基準を守っても、脂質摂取を現在推奨の基準(平均的な現在の日本人)通りに守っていては、・・動脈硬化による血管病は増加の一途をたどります。
・実際に現代の平均的な日本人の動脈硬化(プラーク)はかなり進行しています(動脈硬化の未来塾 51))
・厚生労働省の脂質の摂取基準策定に当たっては、脂質が血管ラークに大きく関与しているという事実が全く反映されていませんので、・・『“LDLが血管壁にたまる”とする「動脈硬化のメカニズム」』の仮説の改訂が必要ですが(動脈硬化の未来塾 11)・・先入観の力が強すぎて・・困ったものです。

<時代と状況で、健康に良いはずの食品が健康被害をもたらす・・なぜ??>


この理論に到達するのに・・12年も時間が過ぎてしまいました。

12年間のプラーク&食事との関係の研究の中で、以下の理論が生まれました。おそらく人類が血管エコーという科学の目を持たず、動物実験を行わなかったなら・・この先4000年経っても・・健康のための「あるべき食事」は・・単なる理屈・思想のままで終わります。人類が信じるべき対象は・・権威ある人・学会の言葉ではなく・・科学(サイエンス)のみです。

1)生命維持・活動に必要な1日の脂質摂取量(プラーク肥厚なし)は約15g ? 暫定です。

2)“血管プラーク”とは、血液中を流れる粒子(リポプロテイン)の一部が流体力学的作用で血管壁内に堆積し、その量がマクロファージの処理能力を超えたために残存した脂肪成分からなる堆積物:M-line未満の1日脂質摂取量にすると、プラークは退縮する。

(ただし、腸内細菌叢の環境変化をきたす状況を作り出す食品(液体を含む)・食物・医薬品(生薬を含む)を頻回に摂取すれば・・後述・・多くの場合・・M-line未満の脂質摂取であっても・・プラークは悪化する・・たとえ昔から“健康にいいと理解されている代物”でも・・→この部分・・202年6月14日記述)

プラーク肥厚の高低およびその増減とLDL値との関係を観察し続けた結果、悪玉コレステロール(LDL)はプラークの原因物質とは考えられません(動脈硬化の未来塾 52))

3)M-lineとは、マクロファージ(Macrophage)のプラーク貪食能力のおかげで、プラーク堆積が進行しないと考えられる1日における脂質摂取量の最大値(プラークが悪化も改善もしない値)のこと。

年齢個人差などを考慮して、M-lineは1日約20g〜25g? 暫定です(上図)。 若年者は高齢者よりもM-lineは高いと考えられます。

4)M-lineをオーバーして摂取された脂質高含有食品:エゴマ油・オリーブオイル(動脈硬化の未来塾 54))などの全ての植物油、サバの水煮缶(動脈硬化の未来塾 86))、納豆、高カカオ含有チョコ、アボガド、クルミなどのナッツ類、他・・・、
健康に良いとされている食品でも、必要以上に摂取すると・・・・・全て プラークの原材料になり“NG”です。“過ぎたるは、及ばざるがごとし” (脂質の量としては、植物性、動物性、酸化の有無を問わない)

5)1日の脂質摂取量が、もし・・M-line 未満に収まるならば・・・脂質高含有食品であるエゴマ油、オリーブオイル、ナッツ類、サバの水煮缶、納豆、高カカオ含有チョコレート、揚げ物、油炒め、天ぷらでもOK、食品添加物としての油脂などもOKです・・食品の酸化の有無は問わず・・・OKです。

6)現代人にとっては・・1日の食料として充足後・・・その後に食べた脂質含有食品は・・全て・・プラークにとって・・NG! 1日(2〜3日または1週間)で食べるべき脂質量は限定されている。
(例えば、高脂質の外食を1/Wで行っても・・その脂質量は・・1/7として、1週間の毎日の摂取脂質量に加算可能。 つまり高脂質の外食などをしたら・・1週間は比較的低脂質の食事にしましょう)

7)例えば、サバ缶1缶:200gを1日で食べると脂質が約32gです。これは1缶で暫定M-line=20〜25gをオーバーしてしまいます。また、例えばオリーブオイル大さじ1杯:約13gを飲んだら、残りの7〜12g以内に1日の脂質摂取を制限する必要があります。

8)スタチン剤を服用していた人のプラークが服用していない人のプラークよりも堆積していましたから(動脈硬化の未来塾 68))、スタチン剤を服用中の方の暫定M-Lineは、20〜25gと通常よりも低いと考えられます。

9)アルコール多飲者(月1回でも)の場合も、血管内皮細胞が障害を受け・・プラークが非常に溜まりやすい状況ですので、暫定M-Lineは15〜20gと低いだろうと考えられますが、アルコール多飲者ではM-lineは意味をなしません。アルコール多飲状態では、たとえ脂質の1日摂取量を10〜15gと、極端に減らしても・・プラークは悪化します。
腸内環境のバランスが崩れると、M-lineは消滅する・・実際の計測からの結果です。理由は後述。もちろん、アルコール多飲状態+高脂質摂取なら・・・プラークは急速に堆積します。
このような理由から糖質制限者が、突然死を遂げる可能性が高まります。

上記1)〜9)の記述は仮説ですが・・臨床例での長年のプラーク悪化&退縮の実地検証から得られた結果に基づいていますので・・様々な実例や疫学調査においても矛盾しない・・最も真実に近い動脈硬化改善のための理論です(動脈硬化の未来塾 42))。

この仮説で考えれば、オリーブオイルを飲んでいるのにプラークが少ない人やオリーブオイルを毎日大さじ1杯飲むだけでプラークが肥厚した人、肉を食べているのにプラークが少ない人、青魚を毎日食べているのに脳梗塞になった人、納豆を毎日食べているのにプラークがどんどん進行する人、納豆を食べていないのにプラークが肥厚している人、ベジタリアンなのに動脈硬化が進んでいる人、高血圧がないのに脳梗塞・心筋梗塞になった人、コレステロールが低いのに脳梗塞・心筋梗塞になった人、・・・・ほとんど全ての事象が説明可能です。・・ここにプラークを退縮させるヒントが隠されていました。

魚といっても、白身といっても・・それは科学的ではありません。魚でも魚肉100g当たるの脂質が0.1〜29gまであり、肉も種類・部位で様々です。肉がいいとか、魚がいいとか・・もう、ざっくりすぎる・・・非科学的な健康談議は止めにしましょう。

この仮説で考えれば、親戚・友人・有名人の病気・祖先の病気・疫学調査や動物実験の結果が“腑に落ちる”と、納得できます。

<日野原先生の晩年のオリーブオイル摂取の食習慣について考察します。>
朝は100%果汁ジュースにオリーブオイルを大さじ1杯:約13〜15g(14g?)入れて飲むだけ。コップ1杯中の果汁の中の脂質は約0.3g・・朝の脂質摂取=14.3g。
昼は牛乳コップ1杯(脂質約6.8g)とクッキー3枚(27g)(脂質7.4g)・・昼の脂質摂取=14.2g
夕食はご飯1膳(150g)(脂質0.45g)に野菜と魚(約80g)(平均脂質4.8g) 週2回は牛ヒレ肉90g(脂質4.3g)。・・・・・・・・・・・・・・・夕の脂質=4.5+0.45=4.95g
1日の脂質摂取=14.3(朝)+14.2(昼)+4.95(夕)=33.45g これは概算です。

オリーブオイルの食習慣だけ切り取って真似しても科学的ではありません。日野原先生の場合は、オリーブオイルとクッキー摂取が・・不足する脂質の主な供給源でした。

上記の図でのM-line の研究はこれからの分野ですが・・年齢や個人でのカロリー消費の違い・アルコール摂取量・・マクロファージの活性の違いなどで、ある程度の幅があると思われます。

コラム:
・前述のごとく、食糧難の時代(超低脂質食)には、オリーブオイルもクッキーも貴重な有益な食料であったはずです。「サバ缶」も同様です。
先人の健康に関する行いを真似するにあたり、「花咲か爺さん」のおとぎ話をお考えください。
花を咲かせるには、他人が理解できていない・「・深〜い背景の訳」があるはずです。

・近藤正二先生の著書(長命村・短命村に関する研究)の記述も、時代背景と当時の状況を考察すれば、白米(炭水化物)を多く食べる人たちが短命ではなく、短命になるべき背景を持った人たちが白米を多く食べていた。との解釈が正しいでしょう。糖質制限を信じる人たちは、体重や血圧よりも、もっと医学的に重要な“プラーク”という物差しがあることを学びましょう。

『ビルの壁の中を見ずして、安全を語るなかれ・・・血管の中を見ずして、動脈硬化を語るなかれ』

<マウスの実験で、高脂質食が動脈硬化(プラーク)を進行させることは確認済み>
2009年に発表された、ハーバード大学による極めて貴重な実験研究を紹介します。


視点を変え→餌の脂質量に注目すれば、新しい事実が見えてくる・・・。

この論文は、ハーバード大学などの共同研究ですが、基礎医学の超一流雑誌に2009年にすでに掲載されていました。・・・でも、世の中へのアピールは論文タイトルのごとく・・
「Vascular effects of a low-carbohydrate high-protein diet.」糖質制限食(炭水化物制限食)で高タンパク食がマウスの大動脈の動脈硬化を著しく進行させ(上図A&B)、大動脈弁の部位での断面におけるプラークの程度も著しく進行していた(上図C&D)・・という論文です。 6週間および12週間観察群で検討。

(マウスの寿命は800日程度で114週程度ですから 12週間は寿命の約1/10・・・人間の寿命を90歳とすると1/10は9年・・・つまりマウスの12週間は、人でいうと約9年間の観察結果となり、6週間だと・・4年半の観察結果となります。

4〜5〜9年も脂質摂取に無頓着な糖質制限をすると・・上図のマウスのような血管になります。

上図のTシャツを干したような写真の左右3本ずつ、上に出ている細いものが左右の頸動脈で赤く染まっているのが頸動脈のプラークです。シャツの脇のところに赤く染まっているのが、左右の鎖骨下動脈のプラークです。赤い染まりが濃くて大きいほど、プラーク堆積(動脈硬化)が進行していることになります。人間もマウスも・・プラークが溜まる場所は全く同じですね。

SC群:(日本食に近い餌?:後述) 餌の栄養成分表示(炭水化物65% 脂質15% 蛋白質20%)
WS群:(西洋食に近い餌) 餌の栄養成分表示(炭水化物43% 脂質43% 蛋白質15% コレステロール0.15%)
LCHP群:(低炭水化物食の餌)餌の栄養成分表示(炭水化物12% 脂質43% 蛋白質45% コレステロール0.15%)

炭水化物(糖質)が少ない餌を食べさせると、どんな変化がマウスに生じるか?の論文です。

しかし・・・脂質摂取の量とプラークを研究している立場からすると・・・餌における脂質成分量を増やすと・・著しい動脈硬化をきたすという結果であり・・・極めて有益な論文です。
(これは、昭和20年以降〜現在までの上述の日本人の食料データに極めてよく似ています)

上の図をよーくご覧ください。結果は写真とグラフが表しています。

論文のポイント
1)SC群に比べて・・WS群、LCHP群は両群ともに大動脈および大動脈弁の部位でも動脈硬化(プラーク)が際立って顕著です。

2)炭水化物(糖質)がSC群65%からWS群45%に減っただけで激しくプラークに差が出ていますが、LCHP群12%へ更に糖質を減らしても・・WS群とLCHP群との間にそれ程、顕著な差は認めません。
(これは単純にWS群、LCHP群ともに餌の脂質が45%と高値だからと思われます)

この実験結果から、糖質ではなく、脂質摂取量に最もプラークが関係しているのでは?・・という解釈が成り立ちます。
(SC群のマウスの脂質15%は、現代日本人の平均的な脂質摂取量13.8%と近似しています。)

3)高脂質食のままで(WS群、LCHP群)、タンパク質を多く摂取し、糖質をさらに減らすと(LCHP群)、動脈硬化はさらに進行する。

4)研究の終わりに、「SC群、WS群、LCHP群の体重を測定したら、LCHP群(糖質制限を厳しくした群)がSC群やWS群よりも体重が少なかった」。と記述されています。

マウス実験では解剖して血管の中を見る事が可能ですから、真実(動脈硬化の進行)が判りますが、糖質制限食を続けて・・体重計だけで健康になったと判断・自慢する様は・・悲劇です。

マウスの餌による実験は、人間の食事による影響を非常によく反映しています・・・ハーバードの研究者が真剣に詳細に実験研究されているのですから・・「マウスと人間は違う・・」などと、野暮なことは言いっこなしです。マウスと人間の遺伝子は97〜99%同じであることが最近判明しているのですから・・・。

ご飯を減らして健康になろうなど・・科学的に無理! 血管プラークと体重とどちらが大切?

もう一つ心配事です。「EPAが含まれているから・・「サバ」がいい・・」論理は・・あまりにも近視眼的です。医療の専門家たるものは動物実験の根拠もなく、臨床試験の根拠もなく、症例報告の詳細な分析もなく、単なる理屈だけで多くの人に特定の食べ物を勧める発言は危険過ぎます。

(科学者なら、個別の人に対して、栄養成分の摂取状況や消費カロリーを把握した上で、M-line という発想を踏まえて特定の食品を勧めるべきです)

「サバ缶」の成分表示を見れば、脂質が多いことは明白です。EPAが動物実験で動脈硬化を遅らせるという事実はありますが、それはあくまで純粋なEPAでの実験ですから・・決して誤解してはいけません。サバは植物プランクトンが産生するEPAを食べて、食物連鎖でEPAを獲得しているだけですから、サバのEPAには豚や牛と同じ成分の脂質が沢山くっついていますし、EPAだけ食べることなど・・無理です!・・豚や牛と魚は同じ脊椎動物で生物学的には近い親戚の生き物です。

上のマウス実験の食事をもっと深く考えてみました。 

平光美津子・杉山道夫著:「日本型食生活」の形成と変容 (東海学院大学紀要 3(2009)) 元データ:国民健康・栄養調査。(は加筆)

年代

脂質(g)、成分比率(%)

脂質/総Kcal 比(%)

蛋白質

糖質

(炭水化物)

総カロリー

(Kcal)

昭和21年

14.7g、(3.2%)

6.9%

59.2g

386g

1903 Kcal

昭和35年

24.7g、(5.1%)

10.6%

69.7g

399g

2096 Kcal

昭和51年

52.4g、(12.1%)

21.8%

78.7g

332g

2159 Kcal

平成17年

53.9g、(13.8%)

25.5%

71.1g

267g

1904 Kcal

「上記実験のSC群のマウスの餌は脂質が15%ですから、昭和51年〜平成17年以降の現代の日本食に近いのです。・・SCマウス群でも、12週目(人では9年間)には軽度の動脈硬化(薄ピンクに染まっている)を大動脈や右鎖骨下動脈近傍に認めていますね・・。

24週経過すると(人で18年)かなりのプラークがSC群のマウスでも堆積するに違いありません。

理想的と考えられる昭和35年の日本人の食事中の脂質は5.1%ですが、上の実験マウスのSC群は脂質含有率が15%です。つまり、昭和35年頃の日本人よりも3倍も多い脂質含有の餌をSC群のマウスは食べていたことになります。

もし、マウスの餌を脂質5.1%で実験していただいたら・・・12週でもプラークは認められない(薄ピンクに染まることもない)かもしれません。

脂質45%なんてとんでもない量ですが、だからこそ12W(人間で9年間)で驚くべきプラーク堆積状態です(上図A)。

1日の脂質量が70g(脂質/エネルギー比率ではおそらく30%以上:厚生労働省の基準以上)を超える人が現在の日本にはたくさんおられるはずですが、おそらく体重は肥満ではないでしょう・・でも、同級生の中で、真っ先に血管病で倒れる運命です。 サバ缶は1缶で30g程度、オリーブオイル大さじ2杯で26〜30gありますのでご注意ください。

私のM-line (1日脂質量25〜35g)仮説は過去の日本人の摂取脂質量から考えても、妥当ではないかと考えられます。

保健師、管理栄養士の皆様、研修医の皆様、上からの指示ではなく、プロとして興味を持って私の理論を検証してみてください。心筋梗塞後、脳梗塞後、認知症気味の人の・・ほとんどが発病の数年〜10年以上前から・・M-line を大幅に超えていただろうと推察されます。
(LDLや体重とは関係なく、高血圧の有無ともあまり関係なく・・脂質摂取量が最も大きなリスク因子では??・・脳梗塞・心筋梗塞の再発を防ぐには極めて重要なポイントです。)

今まで1日の摂取脂質量を測ることは控えていましたが、理論がまとまり、極めて多くの実例と矛盾しないことを確認できましたので、M-line 理論を公表しました。これは、発酵食品の脂質であっても、脂質の質に関係なく(超高級オイルでも)、脂質がどの原材料からであっても、脂質量に比例して忠実にプラークは反映されることを確認できたからです(私の中では“納豆事件”と呼んでいます)。
やはり、基本的に、科学には先入観や例外の発想があってはいけません。動脈硬化は医学ではなく、物理学的要素が最も大きく関係した科学だと・・つくづく思い知らされています。

<RAP食において、M-line未満に収めるために ・・脂質摂取量計算のための脂質量の豆知識>
注意)2022年12月12日現在、M-lineは、20〜25gを想定しています。ただし、2021年以降の後述記事を熟読ください。

ご飯1膳(白ごはん150g)=0.3x1.5=0.45g 1日4杯なら・・1.8g 。 6杯でも・・2.7g。
卵全卵1個=6.0g (白身の脂質=0g)
豆腐(絹ごし)1/2丁=6.0g(2022年12月12日現在:豆腐の摂取制限を撤廃し、納豆は納豆菌が多すぎるので、推奨品から削除にしています)

なお、1日の脂質摂取量(豆腐以外で)が10g以下の場合は、豆腐を1日1丁(脂質12g)いただいても構いません。

ブラックタイガー1匹(20g)のエビフライの脂質=3.2g
豚ロース肉1枚100gのロースカツの脂質=35.4g
ハンバーグ150gの脂質=20.1g
クロワッサン1個(40g)の脂質=10.7g
その他:主な外食の栄養価(脂質)は、東京都福祉保健局の健康ステーション「主な外食の栄養価」(検索)をご覧ください。大変参考になります。

<お菓子類でRAP食認定の何かありませんか? 人工甘味料ではなく・・>
昔ながらの“ポン菓子”いかがですか? ポン菓子は原材料:白米がベスト・・とうもろこし・玄米よりも、白米のポン菓子です。(トウモロコシ、玄米のポン菓子など・・問題ありません・・細かな部分の脂質を制限していたRAP食は・・終了しています:2022年7月19日付け)
バラバラのポン菓子は食べにくいし・・食べだしたら1袋食べてしまいます・・・。小さな小袋入りの商品がお勧めです。私の好みで言えば“いきなりまんじゅう”“おはぎ”などですが、食べ過ぎにはご注意ください。

ただし、低血糖=“ひもじい思い” の時間帯は、プラークが減っている時間帯と考えて、30分〜1時間は毎日ひもじい気持ちを我慢してください。ひもじい時間帯を長くすることで、長寿遺伝子「サーチュイン(Sirtuin)」が活性化され、細胞レベルの修復機能が活性化されます。つまりひもじい時間帯を設けることは、脳組織や血管の浄化作用が作動している時間帯と・・ポジティブにお考えください。

<大豆食品で腎機能が悪化することがありますが・・それは脂質過剰が原因です(私見)>
私の見解では、大豆のたんぱく質が腎障害の原因ではなく、大豆の脂質が腎動脈の血管壁に堆積することが原因だと思います。(2022年7月時点の私の見解では・・納豆や豆乳ヨーグルトも含めての大豆食品ですから・・大豆食品の過摂取で腎機能が悪化した場合は・・納豆菌の過摂取や乳酸菌の過摂取が原因で・・腎動脈にプラークがたまり・・腎機能悪化したものと考えます)
腎障害に豆乳ヨーグルト・納豆などはNGですが、発酵していない豆腐、枝豆などはOKです。豆乳は発酵し易いので推奨いたしません。大豆と同じ位のタンパク質含有がある“そら豆”や小豆、グリーンピースなどは、同様に腎機能障害があってもOKです。
タンパク質が腎障害を助長するなら・・肉も、魚も、エビも、貝類も、小豆(あんこ)も、そら豆も制限すべきですが・・?。本当に食べるものは無くなります。

日本腎臓学会によると、「腎臓が悪い人は、標準体重が60Kgだとしたら、1日のタンパク質を36〜42gへの制限を推奨(一般的なタンパク質摂取は1日に80g程度)」

このことを踏まえて、「腎臓食ではタンパク質を摂り過ぎない・・だから・・たんぱく質が含まれない、サラダ油、マヨネーズ、オイルのドレッシングは少量でも高エネルギーですから・・上手に使いましょう・・かといって、蛋白質不足はいけません・・と。」などと指導されています。・・これは、プラーク治療の立場からすると・・本当に困惑です・・・。

しかし、そもそも腎臓病は生活習慣病などの動脈硬化と深い関わりがあるとされています。その動脈硬化の原因がプラークですから・・・サラダ油やマヨネーズ、オイルドレッシングなどを多く摂るとなぜ腎臓に悪くないのでしょう? (多くの場合はM-line を超えているはずです)

腎臓病予防のための食事療法が進歩していない?、深く真剣に研究されていないのでは?・・と感じられます。・・なぜなら・・透析や腎移植すれば済むのですから・・・臨床医、研究者の責務としては。

<ノンアルコールビール(人工甘味料無添加)の『つまみ』に・・“そら豆”を推奨>の『つまみ』に・・“そら豆”を推奨>
茹でた“枝豆”100gには(脂質6.1g)「タンパク質11.5g」が含まれています。
茹でた“そら豆”100gには(脂質0.2g)「タンパク質10.5g」が含まれています。

日本の“焼き海苔”や“味海苔(油脂添加なし)”も『健康つまみ』として上位にランクできます。いずれも食べ過ぎても問題ありません。

平成時代が過ぎた後の、これからの時代の健康豆は“そら豆”です。納豆を“そら豆”で作ってもらえませんか?きっと美味しいと思います。 そらまめ豆腐・・作れますので販売してください。

「大豆栽培」に補助金ではなく、国民の健康のためには、「そら豆栽培」に補助金を。

『2019年3月19日の見解を削除しないで2022年8月1日時点の見解を述べます。“そら豆“で納豆を作っても同じ結果でしょう。大豆が悪いのではなく、納豆菌の過剰が問題でした。
枝豆、豆腐(全て)、固形の大豆食品・・普通に解禁しています。
ただし、豆乳はお勧めしません。液状の豆乳は腸まで短時間で移行し、乳酸菌の餌になり易く、乳酸菌が増え過ぎるかもしれません。』

『2019年3月19日現在、このサイトを含めた複数のサイトが急に検索困難に陥っています。それでも内容を更新しますが、更新内容をお読みいただけたらすごくラッキーだと思います。口コミだけの、まぼろしのRAP食でいいのでしょうか・・検索エンジンの自浄作用に期待します。』

『2022年8月1日現在、5月26日頃にGoogle のコア部分のアルゴリズムが変更になり、私のサイトの検索が・・規制を解かれた様に検索順位が上昇しています。

・・例えば、「頸動脈プラーク」で検索した場合、2019年3月19日以前は1ページのトップ2以内にランクされていたページが、2019年3月19日以降は・・「頸動脈プラーク」で検索すると・・18ページ目の・・ほとんど検索不能な順位へ廃棄状態となっていましたが・・・現在は「頸動脈プラーク」検索で1ページ4番目までに検索順位が驚くほどに回復しています・・私のサイトが・・無実の罪で・・実に3年以上も刑務所暮らし・・をさせられていたことになります。

2022年5月26日を境にして・・検索エンジン(AI)が人為的な規制を拒否して、自ら・・何が正しいのか・・判断してくれたのでしょう。これで、多くの人が助かるはずです・・今後介入が無ければですが・・』

2019年5月31日 追記

<『青魚が健康に良い・頻回に食べよう』は・やっぱり危険な教えです >
魚に20%程度しか含まれていないEPAやDHAを魚から過度に摂取するということは・・・魚に含まれるEPA・DHA以外の80%を占める他の脂質も過度に摂取することになります。

魚のEPA・DHAのみ箸で食べ分けることなど不可能ですよね。

日本の大規模な疫学調査でも、魚の過食により・・・心筋梗塞などで死亡する例が増えることが記録として残されていました。動脈硬化の未来塾 94)の記事の後半部分をご覧ください。

<近藤正二先生の研究から、魚の摂取法を学ぶ>
「長寿村ニッポン紀行」(近藤正二著:昭和47年6月発行)によれば、
三重県桂城村(現:紀北町島勝浦・白浦あたり)と尾鷲市須賀利町は短命村。
70歳以上が人口に占める割合:桂城村(男:2.1%)、(女:2.2%)、須賀利町は(男:2.4%)、(女:1.58%)・・・一方で、同じ沿岸の甲賀村(志摩郡)では(男:6.8%)、(女:8.3%)

桂城村や須賀利町の男女共、甲賀村の男女より3〜5倍も早死に!と言えそうです。

近藤先生はその原因として、「桂城村と須賀利町共に、沖合漁業(ブリ漁)や遠洋漁業(マグロ)を中心とした生業」であることを挙げられています。家庭では普通に“マグロの刺身が皿に山盛り食卓に上り・・”との記載や、“女が畑で働くと男の恥”とみられていたそうで、野菜不足が全村に及んでいる・・と記述されています。  

上記の書籍に、近藤先生へのインタビュー形式の返答(P245)があって・・今日のお昼の魚はどんなものでしたか? の問いに・・
近藤:「今日は生魚がなくて、かんづめのサバでした。サバの水煮というのは、一かん30円ぐらいのものですが、私は六回食べられるんです。魚だけで一回五円ぐらいのものです。」

長寿・短命研究の父とも言える・・食と健康の達人の言葉です。

<近藤正二先生の研究から、白米の摂取についての考察>
近藤先生の研究と、私の研究で唯一の不一致点は・・・近藤先生がおっしゃる「白米の大食が短命の原因」。

でも、桂城村や須賀利町などが白米を大食する地域とされていますが、上記で解説した通りに、原因は白米を大食ではなく、大魚の切り身の多食では?

また、秋田県の米どころの白米の大食地域(平均で1日6.6合食べ、農繁期は平均一升1合)では、農村でありながら野菜を全然作らず(1粒でもコメを作りたいため)・・動物性の食品、魚や肉はほとんど食べません・・たまに食べる時、魚を食べ過ぎるほど食べる・・おかずは漬物と塩辛い味噌汁・・と、記述され脳溢血(脳出血・脳梗塞)などで倒れる・・70歳まで生き延びる人は極めて少ないと・・、白米の大食という行いが本当に短命につながるか疑問が残ります。

極度の栄養バランス失調(過剰な塩分摂取&極端な脂質摂取不足)が短命の理由であって、白米をたくさん食べたからではないのでは・・。

<糖尿病が心配な方・・是非お読みください>
私の研究では白米の摂取量とプラークとの関連性は認められません。

また、厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、日本人の昭和35年(1960年)の炭水化物摂取は男女の平均で1日当たり399g、一方・・平成29年(2017年)の炭水化物摂取の平均は約253gです。 現代人は昭和35年よりも・・36.6%も炭水化物を減らしたのに、脳梗塞・心筋梗塞・認知症・糖尿病の発症は“うなぎのぼり”です。

1日の脂質摂取量も・・糖尿病の発症例も・・うなぎのぼりです。

したがって、糖尿病の発症原因は・・脂質の過剰摂取と推論するのが自然です。
(タンパク質・総カロリー摂取は、昔も今もほぼ同じだから)

ですから、白米の過食は動脈硬化や糖尿病発症の根本原因ではないといえます。

単純に・・白米を減らせば血糖値が下がるから、糖尿病の原因は白米であり、白米を減らせば糖尿病が治る・・・的な考えはあまりにも単純かと。

物事は、本当の発病(発症)の原因を正さなければ・・根本的な治療にはなりません。
糖尿病の主な根本原因は“脂質過剰摂取”と考えられます。

糖尿病を発症していない方々、糖尿病予備軍の方は・・“糖質”を減らすより・・まず・・“脂質”を減らしましょう。  これが科学的な思考です。

それが、正しい疫学調査・統計の読み方・理解の仕方ではないでしょうか。

<カップ麺・・・ご注意ください・・・特に青森県の方>
テレビの影響で、カップ麺がよく売れているそうです。
前回、2019年3月に記載した『RAP食』のM-line の理論で考えましょう。

食事を3回食べて、さらに間食としてカップ麺をたべる?・・その成分表・・・脂質は何グラムですか?・・

1日の脂質摂取がM-lineをオーバーすれば、プラークが溜まりだします。
脂質の少ないカップ麺は皆無ですので、カップ麺大好き人は脳梗塞・心筋梗塞・認知症へまっしぐらでしょう・・・気になるデータがあります・・

青森県は「カップ麺消費が全国一位」・・都市伝説ですが・・青森県が平均寿命で20年以上も最下位なのは・・「カップ麺の食べ過ぎでは・・」・・とありました。 するどい!・・その伝説は正解かもしれません。

専門家は、塩分や添加物などを指摘しますが・・・実は・・悲しいことに・・脂質の過剰摂取を問題視する専門家は極めて少ないです。

脂質の少ないカップ麺を調べてみました。普通のスーパーに置いてないのが難点。
日清麺職人・・・台湾麺線風鰹とろみそば・・・1食(77g)当たりの脂質=1.6g
日清麺職人・・・沖縄そば・・・1食(71g)当たりの脂質=1.6g
半分残せば、脂質1gを切る低脂質商品です。

アーモンド1個の脂質=0.54g
台湾麺線風鰹とろみそば:脂質1.6gの1食はアーモンド3個分の脂質。

私の休日の昼の定番は、日清製粉グループの“川田製麺”の讃岐うどんです。夏はざるうどん、冬は湯だめうどん・・おろし大根たっぷりに“めんつゆ”入れて・・

脂質が少ない乾麺でも美味しいです。好みの麺や“つゆ”を探して、一手間かけてはいかがでしょう。たっぷりの大根おろしやネギ類はRAP食にお勧めです。

思えば、もう何年も「カップヌードル」や「カップ焼きそば」を食べていません。私のRAP食を信じる人たちもおそらくそうでしょう・・

<アボカドは、現代人にとっては、プラークを悪化させる可能性の高い果物です>
動脈硬化の未来塾 95)

<糖質制限食&MEC食はやっぱり危険です・・でも、RAP食なら救われます>
再三、警鐘を鳴らしていますが、脂質摂取に無頓着な考え・教えは極めて危険です 動脈硬化の未来塾 102) 。 その教えの出所が医師や医学会レベルであってもです。食に関する医学会の研究は、皆さんが思われているほど、正しく進化していません。

<高血圧と体重減少が希望なら・・リバウンドしないRAP食がお勧め>

血圧安定と体重減少など・・ささやかな望みなら・・RAP食は即効性があります動脈硬化の未来塾 96)  が、・・そこは健康願望のゴールではありません・・プラークを十分に下げる必要があります。プラークが少しだけ改善しても、血圧は低下します動脈硬化の未来塾 96) ので、プラークの増減をエコーで確認する必要があります。

 

血管エコーでは目標(プラークの退縮)が見えるので現代の内科外来では必須です。

スポーツも目標が明確なので目標を見失うことはありません。

ラグビーのW杯・・一次リーグを突破しても決して笑わない・・稲垣選手・・喜びを抑制している・・リーチ選手。志が高い人物だと感心しています。目標は世界一の優勝なのでしょう。

血圧下がった・・体重減った・・LDLが下がった・・そこは本当の健康の目標ではありません・・・プラークが充分に減るまでは、安心しないようにしましょう。敵は春夏秋冬いつでもやってきます。

<JPHC コホート研究(魚摂取)が正しく考察されていない現実・・という困惑>
『魚が健康にいい』と言われて・・努力して頻回に食べると・・3倍も心筋梗塞で死ぬことに!

内科・外科の先生へのお願いです。ホームページや講演などで・・青魚を頻回に食べるようにお勧めいただくことは、ご遠慮願いたいと思います。せめて、科学的には「魚は週に3回程度食べるのが適量」で、食べ過ぎは危険である旨、ご案内ください。JPHCコホート研究の真実から。


日本で最も権威ある施設で、大規模に疫学調査(魚摂取と虚血性心疾患の発生に関する研究、対象:約4万人、期間:11年間)を行ったグループからの研究結果報告ですが、

「魚を週に4〜8回食べる群」は、「魚を週に3回食べる群」より、生存できた心筋梗塞・突然の心臓死・狭心症のリスクは半分でしたが(上表)、死亡した心筋梗塞・突然の心臓死は3倍も多かった。」という、事実があります(上表)。

この、一見相反する結果はどちらも真実です。その考察ですが、
1)魚に含まれるEPAは、動物実験において、濃度依存性に冠動脈収縮抑制作用がある(Nakao F,et al. Circ Res. 2002;91:953-960 )ことが報告されていますので、魚を多く食べると、心筋梗塞の生体防御機能(狭心症の症状:胸の圧迫感、痛み、左顎痛など)である冠動脈の攣縮(痙攣性狭窄)が生じにくくなります。
したがって、「魚を週に4〜8回食べる群」では、冠動脈のプラーク肥厚がかなり進行するまで狭心症状が出にくくなり、高度の冠動脈狭窄が生じるまで、病院へ受診しないことになり、多くの例で命を落とす結果になったのでしょう。

「備考:山口大学大学院医学研究科(小林 誠 教授、他)によれば、血管の異常収縮を引き起こす物質(SPC:スフィンゴシルホスリルコリン)をEPAが抑制することは確認できたが、DHAはほとんど効果がないか、弱い抑制効果しかなかった。また、臨床的にも、EPA:1800mg/日を3日〜2週間投与したところ、血管異常が起きなかった。」

2)私の研究ですが、魚の好みで「普通」群より「大好き群」の方が、有意にプラークが肥厚していました。動脈硬化の未来塾 45)  つまり、「魚を週に4〜8回食べる群」は、「魚を週に3回食べる群」よりも、冠動脈のプラークの肥厚が進行していたものと推察されます。

以上の2点で、魚を頻繁に食べた群は、普通に食べていた群よりも、心筋梗塞による死亡例が増加したものと理解できます。


同じ論文の図に、論文のデータ(前表)を参考に私が加筆しました。
グラフでも「Q3〜Q5: 魚を週に4回以上食べる群」は・・「Q2: 魚を週に3回食べる群」よりも心筋梗塞で死ぬ( Fatal coronary Events )確率が3倍前後まで・・高まることが・・明瞭におわかりでしょう。

これでも・・「サバ缶」や「脂ののった魚」を・・頻回に食べ続けますか??

備考:研究チームは、魚は多く食べる方が健康にいいだろう・・という仮説を立て、Q1:(魚を週に1回)群を基準にされたのでしょう。でも、今までの標準的な日本人は、本能的に魚摂取を「Q2: 週に3回位」にしていたのではないかと思います。

基準のグループをQ2にすることで、魚をあまり食べない群(Q1)は心筋梗塞死が多いことが判明するなど、新たな事実が浮かび上がりました。同様に、私の研究でも、「魚を嫌いな群」は、プラークが堆積する傾向にありました(書籍 P191)。

私の魚の好み(摂取料や回数を最も左右する)とプラーク肥厚に関する研究結果とJPHCの結果はほぼ一致する結果だと思われます。

2019年11月8日 追記
<緊急安全性情報:脂肪0のヨーグルトはメーカー(種菌)&摂取量にご注意ください!>
RAP食が・・ほぼ完成と思っていたら・・まさか?・・と、またも驚愕の事実ですが、思わぬ伏兵が出てきました。

それは・・脂肪0ヨーグルトです。
1)Case1: 某メーカー(A)の脂肪0ヨーグルト(乳脂肪分0.4%)200gと市販の無脂肪牛乳150ccを、6ヶ月間、毎日摂取していた人のプラークが、顕著に増加しました。
2)Case2: 某メーカー(B)の脂肪0ヨーグルト(乳脂肪分0.4%)を、6ヶ月間、毎日350g摂取した人のプラークが悪化しました。
3)Case3:某メーカー(C)の脂肪0ヨーグルト(乳脂肪分0.4%)を、3ヶ月間、毎日300g摂取した人のプラークも悪化しました。
4)Case4: 某メーカー(D)の脂肪0ブルガリアヨーグルト(乳脂肪分0.2%)を、毎日200g摂取していて、プラークが改善(減少)中でしたが、毎日350g摂取へと増量したところ、プラークが悪化(増加)へ転じました。
5)Case5: 某メーカー(D)の脂肪0ブルガリアヨーグルト(乳脂肪分0.2%)を、4ヶ月間、毎日400g摂取した3人のプラークが、悪化しました。今後は1日70〜100gの摂取をお勧めいたしました。
6)Case6: 某メーカー(D)の脂肪0ブルガリアヨーグルト(乳脂肪分0.2%)を, 4~6ヶ月間、毎日200g摂取した10人のプラークが、悪化しました。いずれも1日の摂取量を70〜100gに指導しました。(Case 6は2020年1月7日追記)

以上の事実関係から、
脂肪0ヨーグルトでも、適量があることを確認しました。・・・「過ぎたるは・・及ばざるが如し」・・でした。

事実関係の確認作業を続けていましたが、「脂肪ゼロだから・・」と、安心して多めに食べられている方が多く、注意喚起が必要と判断いたしました。特に、遠方から当院へ定期的に通院中の皆様におかれましては、くれぐれもお守りください。RAP食はまだ進化途中です。

Case1は経過を追えていませんが、Case2&3は他のメーカー(D)の脂肪0ブルガリアヨーグルトに変更して、量を制限したら、プラークが改善中です。

その他、多数例の観察から、『RAP食では、脂肪0ヨーグルトはNGとします:2022年8月1日』
関連で、重ねて述べますが、事実関係より『RAP食では、脂肪0ヨーグルトは・・少量でもNGとします。同様に脂肪0のホエイプロテインもNGです:2022年12月12日』

「RAP食の推奨ヨーグルト&量」は、「明治のブルガリアヨーグルト(脂肪0ではない
普通のプレーンタイプ)を1日置きに30g」
と致します。
(2021/4/29修正)(2021/12/22修正)・・なお、推奨品第一位(必須)のトコロテン200〜500gの毎日摂取との併用が効果的です。(2020年1月7日修正)(2020年7月15日再修正)

ブルガリアの長寿村から輸入した種菌は、長寿村“=プラークが少ない村” に貢献しているのでしょう。「ブルガリアの長寿村の長生きの秘密はヨーグルトにある・・」とはロシアのノーベル賞受賞学者の考えです。・・・では・・なぜヨーグルトが?・・を科学すると・・私の多くの症例でのプラーク観察結果から、「長寿村で食べられていたヨーグルトに住んでいる菌が、プラーク減少に貢献していたから」であろう・・と考えられます。
(人は年齢ではなく・・プラークが多い順に“T-maxが高い順”に倒れます・・私の書籍参照)

プラークの減少に貢献できる菌の見極めは・・プラークが増加する多くの因子を排除して、RAP食を実行中の人のプラークを観察しなければ・・困難でしょう。

“動脈硬化に貢献できる乳酸菌の特定”・・・この調査に1年以上を費やしたことになります。

実は、動脈硬化に関する疫学調査結果の・・“なぜ”を・・科学的に説明できるのは・・プラーク研究だけなのです。
(先に記述した、魚摂取と心筋梗塞との新たな関係性も、プラーク研究がなければ永久に闇の中)

<日本も中国も大変なことになっています・・・>
25年前、中国から日本へ移住された66歳の中国人:女性からの話ですが、最近中国(地方都市)へ帰ったところ・・「昔の高校時代の54人の同級生中、男性10人と女性2人(計12人)が脳梗塞または心筋梗塞で他界していました・・大変ですよー」と、非常に驚いて話されました。
亡くならずに障害を抱えている同級生はもっといらっしゃるでしょうね・・・。
国が豊かになるということは・・こういうことなのでしょうか。

2019年12月9日追記
<RAP食は「過剰な脂質」の摂取をしないこと・・・だけではありません>
多くの方は、RAP食での推奨食品・食物を守られた上で、脂質制限もされていますのでプラークの治りは良好ですが、・・治りが良くない方で、推奨の食べ物摂取をおろそかにしているためだろうと思われる症例も経験します。

そこで、RAP食の理論とその効果(プラーク退縮)の仕組みを、もっとわかりやすく図解で説明いたします。

リスクレベル3〜4の方は、トコロテンは毎日260g以上をいただきましょう。必須と言える食物で、当院では薬扱いです。 「寒くなったのでトコロテンを食べるのを止めた・・」など、図の説明に記載のごとく、ご自身に極めて不利益なこととなります。

どんなに脂質の少ない食品だけを摂取しても、脂肪の集合体であるプラークが減る道理はありません。

以下の図は、アルコール摂取の抑制と脂質制限は、プラークの堆積要因を減らすことでは極めて重要でRAP食の必要条件ですが、十分ではないことを説明しています。

プラークを食べる免疫細胞の貪食能を上昇させる努力をしなければ、プラークは思うように減りません。・・という説明の図解です。


(上記の図: 2020年2月18日に修正 この図は修正が必要です・・さらに進化した図は2022年7月19日に掲載
脂質制限しますので、必要な脂質とその他の必要な成分をバランスよく摂取できるようにすべきです。植物の全体食として“海苔”を、動物の全体食では“卵、極小いりこ(煮干し)、アサリなどの貝類、小エビなど”の全体食を推奨。

きびしくRAP食をするとVit B12欠乏症(低色素性ではない貧血が主な症状)傾向になりやすいので、明太子またはウニ(時々少量)、鳥のレバー(時々少量)を推奨。これらの食品摂取にも気を配りましょう。

<運動しても・・代謝を高める努力をしても・・プラークが減りにくい理由>
運動や、カロリー制限すると・・・脂肪肝やメタボの内臓脂肪はどんどん減ります。でも、プラークは基本的に減りません。単なるダイエットが動脈硬化の予防や治療に効果がないのは科学的に説明簡単です。

脂肪肝や内臓脂肪の脂肪は・・細胞内に蓄えられ・・その細胞の体積は何倍も・・何十倍にも膨らみます。メタボ・脂肪肝の本態は、生体が将来の飢餓状態に備えた脂肪の貯金なのです。ですから、その預金はすぐ使えるように・・ミトコンドリアが備わった細胞内に蓄えています。

いざという時には、ミトコンドリアが脂肪をエネルギーとして燃焼させることができます。
すなわち、脂肪肝やメタボの脂肪は、火力発電所の燃焼室内の石炭なのです。

ところが、プラークの脂肪は・・動脈壁の細胞外に積もっているだけですから・・火力発電所の広場に置き去りにされている石炭であり・・火力発電所が運動や、低カロリー食で稼働し始めても・・・どう考えても、広場の石炭(プラーク)は燃えません(減りません)。

カロリーダイエット、運動ダイエット、代謝を高めるダイエット、アルコールや脂質制限のない糖質制限ダイエットなどで・・体重は間違いなく減らすことが可能でしょう・・でも・・・プラーク(動脈硬化の本態)が減る科学的な道理はありません。 

ただし、運動で気分転換になり、免疫能がアップすれば、プラーク退縮には貢献できるでしょう。
基本的に、プラーク(ゴミ)は、物理的に免疫細胞が貪食しなければ減ることはありません。

現代人が、痩せているのに脳梗塞や心筋梗塞になる道理はここにあります。(2019年12月7・14日週刊現代)


2019年12月17日追記
<RAP食なら、中性脂肪(TG)が高いままでも・・プラークは退縮するけど・・なぜか?>
動脈硬化の未来塾 98)の症例提示で、中性脂肪(TG)が1000以上で2年間も経過したのに・・なぜプラークが改善したか? 掲載時には、その答えが明確に理解できていませんでした。
しかし、どうやらその答えが見つかりました。

以下の図をご覧ください。この症例の事実関係から考察できるのは・・「肝臓で生成され、血液中に放出されるVLDLは動脈硬化をおこさない(血管を汚さない)」という事実に基づく仮説です。

RAP食をしているのにTG 値があまり下がらない・・ 健診で脅される・・それは体質(肝臓で多くのVLDLを生成している)ですので、心配無用です。

食事をRAP食にしていても、肝臓でのVLDL産生が多い体質の方はTGがあまり低下しません。
しかし、TG中のカイロミクロンは低下しますので・・ご安心を。


<RAP食なら、LDLが高いままでも・・プラークは退縮するけど・・なぜか?>
体質による高TG 血症と同様に、私の長年の血管プラーク観察結果から、「肝臓で生成されるLDLコレステロールはプラークの原因になっていません・・このことは、肝臓で合成されるLDLやVLDLが動物の血管を汚すのであれば・・それは合理的な生物の進化とは言えません。何らかの仕組みでLDLやVLDLは血管壁に蓄積しないのでしょう(その仕組みを解明できたらノーベル賞かも)。なぜなら、進化・生物の仕組みには常に合理性が存在するからです。



スタチン剤(コレステロール低下薬)を、副作用で止めた人たちはラッキーです。スタチン剤を止めるとLDLは上昇しますが・・決して・・決して 「LDLが高くなった→危険が増す・・」と、脅されてはいけません。8割のDrが心配してくれますが・・“耳なし芳一”になりましょう。

スタチン剤の発明は、人類にとっては・・決して「幸」ではありません。人類の細胞に共生しているミトコンドリアには毒薬なのですから・・。

思考停止から抜け出すために、上の図で、私の考えを批判しながらご自身でお考えください。判定にプロの発想は必要ありません。物事の道理でお考えください。

「プラークが減って・・LDLが高くなる・・」
「プラークが増えて・・LDLが低下する・・」 あなたはどちらを好みますか? 「LDLが最高の動脈硬化進行のシグナルである・・」、とマインドコントロールされているあなたの価値観はかなりの時代遅れかもしれません。


2020年1月7日(追記)
<脂肪0ブルガリアヨーグルトでも・・毎日200g以上・・食べていませんか?!>
現在まで、脂肪0ブルガリアヨーグルトを毎日200g食べていた方で、10人のプラークが悪化しました。 同様な症例が増加中です。

2020年1月21日追記
治療目的なら、トコロテン(薬です)を毎日260g以上は食べるようにしましょう>
毎年ですが、冬にトコロテンを食べない人が多く、当然治りが悪い人が多くなります。当院ではトコロテンは“お薬”扱いです。130gは食物繊維が多いお野菜として、130gは“お薬”と思っていただきましょう。トコロテンを食べなければ、基本的にRAP食ではありません。

治りが悪いのに、トコロテンを食べていない人は・・トコロテンの何がいいのですか?・・と必ず質問されます。トコロテンのプラークを減らす成分の存在を確認できれば食べてもええよ・・とのお考えでしょうか?・・・そんなのがわかればノーベル賞をいただけますし、タミフル(インフルエンザの特効薬;原料は香辛料の八角)などの植物由来の高価なお薬として製品化が可能です。

そもそも、プラークを減らす生薬は人類史上・・存在しません。
つまり、中国4000年の歴史でも、突き止められていないということは、血管エコーなしに、「人類が理詰めで4000年間も研究しても、プラークを減らす漢方(食物)は見つけられなかった。」もちろん「現在に至る西洋医学の歴史上もプラークを減らす薬は存在しません。」・・という事実をご存知でしょうか?
そもそも、血管プラークを1/100mm単位で測定できるようになったのはまだ10年ほど前ですので、食品とプラークの関係を調べることのできる漢方医や西洋医は存在しなかったので無理もありません。

血管プラークを減らす(進行をおくらせる・・ではなく)のに貢献する食品の発見は革命的なのです。

“トコロテン”がなぜいいかというと、理由は簡単です、「食べているとプラークが減りやすい。食べていなければプラークが悪化しやすい。」・・これだけで十分です。本日も、トコロテンを止めただけでプラークがかなり悪化した人を経験しました。

これは、科学的な測定による観察結果です。・・私のエコー技術と観察眼を信じる人だけ、生薬として摂取ください。
(“高品質のトコロテン”がなぜいいのか?・・の・・科学的な理由がやっと判明しましたので・・2022年6月14日&7月19日の追記記事を閲覧ください)

(ただし、甲状腺機能亢進症の方は、現在は安定していても、トコロテンは控えた方がよろしいでしょう。甲状腺機能低下症の方や橋下氏病の方は、1パック(130g)摂取しながら、担当の先生にご相談ください。)

冬でも、コシのある・美味しいトコロテンを・・毎日いただけるように、トコロテン注文書ができました。
よろしかったら、ご利用ください。(FAXで注文:代引きで支払い;詳細は注文用紙に記載
私は、1日2パック(130gx2)いただいています。


FAX注文用紙(PDF)のダウンロードはこちら


冬は冷たいので、以下の食べ方が推奨です。
@ やや大きめの紙コップにトコロテンを水洗後に器に移し、A好みの濃縮麺つゆを入れ、Bポットの熱湯を器に50〜60cc注ぎます。

(スープが薄まり、麺が人肌くらいに温まり、カップヌードル風に美味しくいただけます。熱湯で薄め・温めると、冬でも毎日、飽きずにいただけます。夏は、冷たいミネラルウオーターの同量を注ぎます。また、スープなしでいただくと後味さっぱりです。)

プラークを減らすのが望みなら、1日2〜3パック(260〜390g)がお勧めです。
ただし、トコロテンを食べただけではプラークは減りませんので、その他のRAP食の約束事をお守りください。

<脂質を制限し、努力しているのに・・プラークが減らない人>
よくあるケース
1)アルコール摂取に問題はないか? たまにでも多く飲酒していないか?
2)脂質を減らして・・それがRAP食と勘違いしている人・・食品を全て脂質0にしてもプラークは減りません。減るのはマクロファージなどの免疫細胞(薬師如来様の化身仏)のお陰。
免疫細胞に心から感謝し、トコロテン(高品質トコロテン≧260g/日)、野菜たっぷりの味噌汁のごった煮を、できるだけ毎日食べているか?
3)冷たいから、飽きたから、面倒だから、好きでないから・・と、食物・食品をリスペクトしない自分勝手な性格になっていないか? 体重が減ったから、血圧が下がったから、LDLが低下して健診で褒められたり、薬でLDLが下がったのでDrに褒められたり・・それで安心していないか?
4)脂質0g表示のヨーグルト(乳製品)やプロテイン(ホエイ:乳製品)を少量でも摂取していないか?

-------- ここまで2020年1月21日までのRAP食 ---------

当院では、RAP 食の 2020 年以降の最新情報を基に、来院されている患者さんへは、診察時に指導をしています。

当院の患者さん以外の方からの、食事に関するご質問等には、お答えできかねますので、 予めご了承ください。

もし、少しでもご興味をもたれた方は、一度受診の方をご検討いただけたらと思います。

2023年11月24日
真島消化器クリニック
真島康雄

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