脳梗塞・心筋梗塞の予防法

脊柱管狭窄症が、RAP食による腹部大動脈石灰化(プラーク)改善と共に、完治した1例

50歳前後から生じる“脊柱管狭窄症”も・・動脈硬化(プラーク肥厚)を疑う必要があります。(動脈硬化の未来塾 37)) 

でも、動脈硬化(動脈プラーク)が原因だと分かったとしても、現代医学では治せません。

ですから、 動脈硬化に起因する“脊柱管狭窄症”は、整形外科でお薬をいただくか、一時しのぎで注射をしていただくか・・悪化すれば手術を考えねばなりません。

日本整形外科学会のホームページによれば・・腰部脊柱管狭窄症の原因として・・「・・・。脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靭帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靭帯が厚くなって神経の通る脊柱管を狭くし(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。・・・・。」 と、記載されています。

今回、結果的に動脈硬化が主な原因と考えられた“脊柱管狭窄症による症状”が、RAP食で治癒したと思われる症例を経験したので、供覧します。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

<Case. 1:58歳 男性>
『脊柱管狭窄症が、RAP食による腹部大動脈石灰化(プラーク)改善と共に、完治した1例』

写真1


『プラークの経過』
腹部大腿動脈の石灰化したプラークが順調に退縮し、石灰化の改善の程度に同じくして、脊柱管狭窄症の症状も改善した。

備考:石灰化したプラークも、コレステロール低下薬(スタチン剤)を使わないRAP食だからこそ・・普通に改善します。(動脈硬化の未来塾 82))
石灰化改善のメカニズムは・・こちら(動脈硬化の未来塾 11))

表1

『脊柱管狭窄症の経過』
1年以上も治らなかった脊柱管狭窄症が、RAP食開始による石灰化したプラークの改善に伴って・・5ヶ月で少し改善し、その後もしびれ感は軽減し、2年5ヶ月後には完治した。

<主訴>
作業時の“両下肢の痺れ”

<職業>
農業

<現病歴>
・2016年10月 頃から 両下肢の痺れ+となる 特に、足裏や足先が強い
 高血圧指摘され、降圧剤:シルニジピン開始  下肢しびれに漢方薬の処方あり
・2017年2月 降圧剤を追加。シルニジピン→シルニジピン+エースコール へ
・2017年3月 咳+ にて喘息薬服用も改善せず。
・2017年6月 降圧剤&漢方薬―全て自己判断で中止。 内服やめたら咳が出なくなる。
・2017年7月 両下肢の痺れが改善しないので、整形外科を受診。腰部X-Ray(レントゲン) 写真で、脊柱管狭窄症&腹部大動脈の石灰化 を指摘され、腰部MRIにて、椎間板ヘルニア+脊柱管狭窄症+腹部大動脈石灰化 を指摘された。

<当院受診時の薬>
・整形外科より
リマプロストアルファデクス(5)3T、3X毎食後(血管拡張&抗血小板作用あり)
セレコックス(100mg)1T-疼痛時
クロルフェネシンカルバミン酸エステル(250)1T 疼痛時

<2017年8月 当院 初診>
LDL=75 TG=82 HDL=71 r-GTP=47 BW=62Kg BMI=20.7
(持参データ:2017年7月採血分)

<食の好み>
甘いもの:大好き、肉:好き、野菜:好き、魚:好き、揚げ物:普通。
酒類:0点
食習慣点数=184点(平均的得点:得点は2018年4月出版の書籍を参照ください)
 
<2014年3月下旬 初診時の血管エコー>
8カ所の血管エコー(血管エコー実例・研究 1))
腹部大動脈IMT=3.32mm((A-max)
右鎖骨下動脈=2.03 mm(S-max) 
右頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=1.20 mm
左頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=1.25 mm (C-max)
右総頸動脈IMT=0.41 mm 左総頸動脈IMT=0.41mm
右大腿動脈IMT=1.03 mm 左大腿動脈IMT=1.56 mm(F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル= 3(0〜4)****** T-max=8.16 mm

<治療>:
RAP食を開始し、
1)エパデール(EPA製剤)1800mg/日 開始(閉塞性動脈硬化症の診断で)
2)ラックビー微粒N(ビフィズス菌製剤), 2g, 2x 開始
3) トコロテン300g/日 開始

備考)整形外科からのお薬:リマプロストアルファデクスは、EPAと作用が類似(抗血小板作用)であるので中止いただく。疼痛時のお薬は、なるべく飲まないでフォロー予定としたが、結果として、服用の必要はなかった。

<初診後の経過>
表1に臨床経過を記載

<結果>
1)RAP食による腹部大動脈石灰化(プラーク)の退縮に伴い、作業時の“両足の痺れ感”が4〜5ヶ月で改善し、2年5ヶ月後には完治した。

2)石灰化した大動脈のプラークが、2年5ヶ月で3.321.56mmへ退縮。

3)大動脈以外の動脈プラークの改善は表1のごとく、良好とはいえない。原因としては、2020年2月まで・・脂肪0ヨーグルトを200/日を摂取していたために、プラーク改善の遅延が生じていると考えられます。脂肪0ヨーグルトを、菌の種類にもよりますが、毎日100〜130g以上摂取すると・・不思議ですが、プラークが逆に悪化する事例を多数経験しました。本例も2020年3月以降は毎日50〜60gに減らして摂取継続中。(血管エコー実例・研究 29))

<考察>
・RAP食で・・脊柱管狭窄症が治るということは・・可能性として・・
a) 加齢「末梢動脈の動脈硬化(プラーク)が大きく作用」による黄色靭帯の肥厚が、末梢動脈のプラーク退縮によって靭帯を栄養する血流が改善し、靭帯の肥厚が軽減された。
なお、動脈硬化が進むと・・靭帯が硬くなり・・首の後方への屈曲が困難になることは、既に証明済みです。(動脈硬化の未来塾 49))

b) 脊髄を栄養している動脈のプラークが減り、栄養動脈の血流が改善された。

c)変形して神経を圧迫していた、骨が・・または石灰化の部分が、血流の改善に伴い、破骨細胞などの働きが増強し、石灰化などが縮小(元に戻る)した。

などの可能性が考えられます。

血管の石灰化を指摘されたら、“今までの食習慣で血管に障害が生じている”ことを表しており、・・健康を害して悩む時期が・・確実に・・近づいている(動脈硬化が着実に進行中)・・と自覚しましょう。

・本例は、トコロテンを冬でも260〜300g/日毎日継続して食べていただいています。

・プラークが改善したために、トコロテンを途中でやめた方で・・、脂質制限のRAP食を守っているからと・・プラークの改善を期待して来院される方が多いのですが・・私の記憶では・・トコロテンを食べるのを止めて・・プラークが普通に改善を続けた方は・・ほとんどおられません。

その理由は、
1. 直接原因トコロテンoffで、マクロファージの貪食能が・・普通レベルまで低下。

2. トコロテンoff の原因は→RAP食の本態が・・「単純な過剰な脂質制限」であるとの、誤った認識。→2回目の診察ではプラークが改善し、脂質を制限しているので大丈夫!と・・プラーク改善を自分の努力の賜物・・と慢心し・・冷たいし、面倒だし・・と・・・大変お世話になっていたとも知らず・・トコロテンと縁を切り・・。

備考:「プラーク改善!」という奇跡は・・他力・・すなわちボランティアみたいな生命体である“免疫細胞さん達“に・・100%依存しています 。

ご自分の努力だけ(脂質制限だけ)では・・どんなに頑張っても・・・これ以上プラークを増やさないという努力だけであって・・良くても現状維持です。

<あとがき>
マクロファージの貪食能(免疫能)アップし、プラークを真剣に減らしたいと願うなら・・、トコロテン(260〜500g/日)は必須の食べ物です(肝癌の発育速度やガンマーカーの倍加時間、縮小例の実例から)。

なお、トコロテン80g/日程度では、毎日食べたとしても・・プラーク減の効果は全く実感されません。(肝癌の発育速度やガンマーカーの倍加時間なども同様)

 プラークは自然に減ることはなく、マクロファージや血管平滑筋細胞などの免疫細胞の貪食作用のお陰で・・“プラークが減る”という物理現象が生じます。

脂質摂取を減らしただけでは・・科学的に考えて・・プラークが減ることは考えられません。

微生物のいないヘドロ川で、綺麗な水を流しただけでは、川の底のヘドロはそのままに残ります。

同様に、LDLを低下させたからといって・・プラークが減る道理はありませんが・・残念ながら、現代の標準医療は・・なぜか?・・プラークの増減よりも・・LDL低下に価値観を求めています。

ヘドロだらけの川が、元の綺麗な川に戻るのも・・下水の汚物が綺麗な水に戻るのも・・微生物の力が必要不可欠なのです。

ヒトの動脈の中の汚れも・・・脂質摂取制限だけ・・薬だけ・・では絶対に治せません。

・・・・・・『新型コロナ肺炎で重症化しないための食事とは』・・・・・

私見ですが、“トコロテン摂取(130〜500g/日)が必須であるRAP 食”は、

免疫の貪食能力をアップさせると考えられます(トコロテン摂取・中止とプラークの増減の関係から)・・高齢の方にとって・・“新型コロナ肺炎”で重症化しないためには、最適の食事療法だと言えます。・・今からでも遅くはありません!

ちなみに、納豆を勧めるDrもおられますが、納豆を毎日食べると・・プラークが悪化し(動脈硬化の未来塾 87))、免疫が疲れる(プラークの貪食に疲れて、ウイルスをやっつける仕事がおろそかになる)ので、お控えください。

ヨーグルトの食べ過ぎも、プラークが溜まり(血管エコー実例・研究 29))、逆効果だと思います。
発酵食品であるキムチなどはOKです。

『プラークを減らせる“トコロテン摂取(130〜500g)が必須であるRAP 食”は、免疫能が最も高まる食事療法であろうと思われます。』

『どうしてそんなことがわかるか?』・・と尋ねられれば・・私には・・プラークの観察で・・プラークが退縮するという・・・・免疫の仕事ぶりの違いを・・食品摂取の前後で・・正確に観察できるという・・能力があるからです。

備考:免疫細胞の仕事がん細胞を食べるプラークを食べる細菌やウイルスを殺す

当院推奨のトコロテンの購入(宅配:代引き)用の申し込み用紙を(血管エコー実例・研究 29))の記事の後方(2020年1月21日追記)に貼り付けていますので、よろしければどうぞご利用ください。私も、毎日2パック食しております。

**** コラム:バラ庭は 臨床実験室 ****
昨年2019年の私のオーガニック・ローズガーデンの様子です。この庭から、自然界の生命の営みのメカニズムを学ばせていただいています。

頭で考える・・固定観念・先入観が如何に進歩を妨げているか・・経験の連続でした。

私の発想の原点は・・“観察”です・・良くても悪くても・・その結果に感謝。

『脳や知識で考えないで・・目で観察し、目で考える!』このようにして・・素直に考えた仮説が正しいかどうかは・・・・1年後〜10年以上経過して・・やっと・・目に見える形で・・現れます。

なお、・・「バラ栽培に農薬はいらない」・・という仮説は、以下の写真で証明できました。


(上写真:2019年5月17日撮影:待合室のコンサバを出てすぐ・・)


(上写真:2019年5月10日撮影 庭の奥からコンサバ(ガラスの屋根)の方角へ)

1999年から完全無農薬でバラを育てようと試み・・試行錯誤の結果・・枯れたバラも何本かありますが・・バラの病気や死から得られた経験を糧に・・多くのバラ達が・・20年以上も・・元気に生き残っています。

オーガニックでバラを育てたい方へ・・この研究成果は書籍にまとめていますので、ぜひ下の一冊をご一読ください。(バラのお悩み解決帖:芸文社 2016:4月)

2020年4月21日記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


「脳梗塞・心筋梗塞の予防法」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ