脳梗塞・心筋梗塞の予防法

頸動脈狭窄症のプラークは、スタチン剤offのRAP食とEPA製剤などで治療可能。

薬でLDLを強力に低下させても頸動脈プラークは退縮しません。この事実は大規模な
臨床試験で確認済みです。(N Engl J Med ; 359:529-533、July 31, 2008)(大規模臨床試験ENHANCE試験:米国)

最近、順天堂大学の代謝内分泌内科学の研究チームのOsonoi らは、血管平滑筋の貪食作用不全モデルのマウスにおいて、西洋食(高脂質、高カロリーに設定した餌)を与えると、大動脈がプラークで狭窄するなどの人間類似の所見が顕著に認められ、「血管平滑筋細胞のオートファジー機能不全は細胞死や動脈硬化を促進する」というタイトルで科学雑誌「Autophagy 」オンライン版(2018年7月19日付)volume14,2018に報告している。

プラークが進展することも、退縮することも、LDLコレステロールの値が影響するのではなく、血管平滑筋細胞やマクロファージなどの貪食細胞の“働き”が大きく関与することは間違いありません。

当院では、2007年頃の数例のプラーク改善症例を“手がかり”として、早くからマクロファージの使命の一つである“不要物の貪食”作用に着目し、マクロファージの貪食能upの観点から、コレステロール低下薬(スタチン剤)offのRAP食を提案し、臨床経験を重ねてきました。

最近の症例を中心に供覧しますので、頸動脈などにプラークの存在を指摘されて、不安な毎日を過ごされている方々にとって、“希望の証”となれば幸いです。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

<症例1. 54歳 男性>

図1

<症例の要約>
父:65歳で脳梗塞

  • 1975年5月 健診で白血球数-低値指摘
  • 2016年2月 バイク運転中に胸圧迫感 1分間
  • 2017年7月 バイク運転中に胸圧迫感 1分間
  • 2018年11月 人間ドック:脳MRI:白質病変+
  • 2018年12月 左頸動脈プラーク3.7mm 指摘+「採血データが異常ないので様子見ましょう」と、説明あり。食事指導なし。特に服薬なし。下肢の冷え性&痺れ感+。

  • 2019年4月 当院初診
    左内頸動脈狭窄症(55%狭窄):プラーク:IMT=4.35mm

<治療>
1)エパデールS(600)3,3x+ラックビー微粒N,2g,2x開始
2)RAP食開始。

備考):EPA製剤(エパデールSなど)の保険適応は「高脂血症」・「閉塞性動脈硬化症」です。TGなどが低くても、動脈硬化が進行した状態による血行不全のために、下肢の冷感・歩行時のしびれ感などの症状があれば、「閉塞性動脈硬化症」の診断で保険適応です。

<結果>
左内頸動脈狭窄症(50%狭窄)プラーク:IMT=3.58mm とプラーク改善:図1:参照
(注意:外径まで縮小しているので、狭窄率の改善は鈍い。プラークは実測で観るべき。)
経過中:胸圧迫感の出現なし。

 

<症例2. 63歳 女性>

図2

<症例の要約>

  • 父:60歳時脳梗塞、76歳時:心筋梗塞で他界
  • 母:70歳頃から認知症、80歳:脳出血、82歳:事故で他界
  • 2011年3月 高血圧で降圧剤服用開始 コレステロール低下薬を開始。
  • 2016年2月 閃輝暗点 2回出現(5分間)
  • 2016年3月 左頸動脈狭窄(79.9%)指摘あり。メルプラールカプセル(EPA製剤)(300)6 cap,2x開始。
     
  • 2016年5月 当院初診
    左内頸動脈狭窄症(80%狭窄):プラーク:IMT=5.88mm
     

初診時の服用薬・・「アムロジピン(5)1,1x+ドキサゾシン錠(1)1,1x+アトルバスタチン(10)1,1x+ベザトールSR錠(200)1,1x+メルプラールカプセル((300)6 cap,2x+エピナスチン塩酸塩錠(20)1,1x—中)

<治療>

  1. アトルバスタチン(10)1,1x 中止 & ベザトールSR錠(200)1,1x中止
    (メルプラールカプセル(300)6 cap,2xおよび、その他の服薬は継続)
  2. ラックビー微粒N,2g,2x−開始
  3. RAP食開始

<結果>
左内頸動脈狭窄症(20%狭窄):プラーク:IMT=1.69mmへ改善:図2:参照

 

<症例3. 65歳 男性>

図3

<症例の要約>

  • 両親に脳梗塞(-),心筋梗塞(-)
  • 椎間板ヘルニアで手術
  • 2003年11月 高血圧指摘:アムロジピン開始
  • 2008年11月 降圧剤:ブロプレス追加で開始
  • 2011年3月 人間ドック:脳動脈硬化を指摘される
     
  • 2013年11月 当院初診
    左頸動脈プラーク=4.55mm 腹部大動脈プラーク=2.55mm 下肢の冷感あり。

<治療>

  1. アムロジピン(2.5)1,1x+ブロプレス(8)1,1x(他医にて服薬中)
  2. エパデールS(900)2,2x+プレタール(50)2,2x+ラックビー微粒N,2g,2x−開始
  3. RAP食開始

<結果>
左頸動脈プラーク=2.25mmへプラーク改善:図3:参照

 

<症例4. 64歳 男性>

図4

<症例の要約>

  • 両親に脳梗塞(-),心筋梗塞(-)
  • 1984年頃〜“肩こり”出現
  • 1994年頃〜いびき&“睡眠時無呼吸”指摘+
  • 2008年〜脂肪肝&高脂血症の指摘あり
  • 2014年1月 高コレステロールに対して、ゼチーア(10)1,1x―開始
  • 2014年6月 左:顔面神経麻痺 出現。10日間入院加療(ステロイドで治療)。
  • 2014年7月 脳MRI にて、左椎骨動脈の異常を指摘される。
     
  • 2014年12月 当院初診
    左内頸動脈プラーク=4.20mm
     

<治療>
RAP食指導&服薬:「エパデールS(900)2,2x+プラビックス(25)2,1x+ラックビー微粒N,2g,2x」開始(ゼチーアは中止)

<経過&結果>

  • 2016年6月 左内頸動脈プラーク=4.82mm へプラーク悪化(図4)。仕事の性質上、RAP食は困難であった。3ヶ月後の9月に退職なのでそれからはRAP食の順守をお願いした。
  • 2020年6月  左内頸動脈プラーク=2.85mm (45%狭窄)へプラーク改善(図4)。

 

<症例5. 78歳 男性>

図5

<症例の要約>

  • 両親に脳梗塞(-),心筋梗塞(-)
  • 2005年5月頃 左眼の加齢黄斑変性を指摘される
  • 2008年8月 高血圧にて降圧剤1剤を服用開始
  • 2017年7月 高脂血症にてスタチン剤が開始となる
  • 2019年4月 朝4時、左眼の下半分が急にシャッターが下りたようになる(一過性黒内障)
    3日後に眼科で2一過性黒内障“でしょう、とのことで循環器科へ紹介となる。
  • 2019年5月上旬 循環器科にて、左右の頸動脈にかなりのプラークを指摘される。
    その翌日に2回目の“一過性黒内障”症状+(今度は左眼上半分にシャッターが下りたように)。
  • 2019年5月中旬 MRI,MRAで大脳白質病変+。椎骨動脈&脳底動脈の狭小化を指摘。
  • 2019年6月中旬 3回目の“一過性黒内障”症状+ (左眼上半分が薄い黒茶色に、2-3分)
  • 2019年6月中旬 スタチン剤を自己中止。その3日後に4回目の“一過性黒内障”症状+。今度は左眼下半分が薄い黒茶色に、2-3分

  • 2019年7月上旬 当院初診
    右内頸動脈プラーク=4.26mm(55%狭窄)を認めた(図5)。 Cr=1.11 (図5)
    大腿動脈、腹部大動脈、右鎖骨下動脈、左頸動脈にもかなりのプラークを認めた。


<治療>

  • かかりつけ医処方「オルメティックOD(20)1,1x+ヒドロクロロチアドOD(12.5)1,1x+カルブロック(16)1,1x…(3剤共に降圧剤)中」--継続。
  • RAP食指導&服薬:「エパデールS(600)3,3x+クロピドグレル(25)2T,1x+ラックビー微粒N,2g,2x」開始 その後の処方は「かかりつけ医」に依頼し、継続中。


<経過&結果>

  • 2019年8月上旬 「かかりつけ医」からの降圧剤は、3剤共に中止になる(血圧低下にて)
  • 2019年5月中旬 軽度の“閃輝暗点”1回あり・・・
    当院受診前は、10倍もひどい“閃輝暗点”が度々出現していた。
  • 2020年6月中旬 右内頸動脈プラーク=3.31mm(40%狭窄)へ改善(図5)
    Cr=0.84 に改善(図5) この1年間、“一過性黒内障”出現なし。

 

<症例6. 58歳 男性>

図6

<症例の要約>

  • 父:58歳時に脳梗塞、現在84歳健在(後遺症なし)
  • 1989年頃〜尿蛋白+にて漢方薬開始
  • 2012年2月頃 大腸ポリープ1個:切除
  • 2012年12月 Cr=1.08
  • 2015年 1月  Cr=1.13 LDL=115 TG=154 HDL=52
  • 2016年11月 高血圧にて降圧剤開始。
  • 2017年3月  Cr=1.28 LDL=112 TG=81 HDL=59 冬場に両下肢の冷感++。

  • 2017年4月 当院初診
    右内頸動脈プラーク=4.50mm(70%狭窄)(図6)  Cr=1.28 (2017年3月)
    現在の服薬:降圧剤「ドキサゾシン(2)1,1x+ペニジピン(4)1,1x 」 片頭痛薬「マクサルト(20)1,1x:頓服」


<治療>

  • かかりつけ医処方「ドキサゾシン(2)1,1x+ペニジピン(4)1,1x」「マクサルト(20)1,1x:頓服」
    --継続。
  • RAP食指導&服薬:「エパデールS(900)2,2x+ラックビー微粒N,2g,2x」開始し継続中。


<経過&結果>

  • 2017年7月初旬 「かかりつけ医」からの降圧剤:ドキサゾシン(2)1,1xは中止になる
  • 2017年8月 片頭痛が軽減
  • 2020年5月 片頭痛の出現がなくなった。40歳からの「強い首こり」がかなり軽減
  • 2020年6月 右内頸動脈プラーク=3.13mm(50%狭窄)へ改善(図6) 
    Cr=1.15 へ改善(図6)

 

<症例7. 67歳 男性>

図7

<症例の要約>

  • 1992年2月 健診で高脂血症&糖尿病境界型 指摘あり
  • 2012年2月〜飲酒時に胸の放散痛が年に1〜2回生じるようになる
  • 2017年2月 冠動脈CT:有意狭窄の疑い 
    ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル(100)2,2x+ロスバスタチン(2.5)1,1x開始
  • 2017年2月下旬 心カテ施行:75%の狭窄部位+ 
  • 2019年2月 EPA製剤(900)2,2x開始

  • 2019年6月 当院初診
    右内頸動脈プラーク=4.52 mm(50%狭窄)(図7)


<治療>
 

  • かかりつけ医処方「ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル(100)2,2x+ロスバスタチン(2.5)1,1x+EPA(900)2,2x 」--継続。
  • RAP食指導&服薬:「ラックビー微粒N,2g,2x」開始し、継続中。

注):「かかりつけ医へのスタチン剤中止の希望が叶えられず、本人意思でロスバスタチンは2020年1月まで1日置きに服用も、2020年2月以降は服用を中止し、数ヶ月に一度の採血前1週間だけ服用されています。」

<結果>

  • 2020年6月  右内頸動脈プラーク=3.15 mm(37%狭窄)へ改善(図7)

 

<症例8. 46歳 男性>

図8

<症例の要約>

  • 父:65歳時脳梗塞 85歳で健在(後遺症なし)
  • 2011年8月 高脂血症指摘 アルコール多飲中
  • 2017年8月 糖尿病予備群を指摘 TC=225 LDL=151 TG=95 HDL=60
  • 2018年2月 頃からアルコールの量を減らす
  • 2018年3月 脳ドックで、MRI異常なし、右頸動脈プラーク=3.8mm指摘あり
    LDL=117 TG=150 HDL=60

  • 2018年5月 当院初診
    右頸動脈分岐部プラーク=5.03mm(56%狭窄) (図8) 現在の服用薬なし

<治療>

  • RAP食指導&服薬:「エパデールS(900)2,2x+ラックビー微粒N,2g,2x」開始し、継続中。

<結果>

  • 2020年6月  右内頸動脈分岐部プラーク=3.62mm(42%狭窄)へ改善(図7)

 

「あとがき」
「食習慣で悪化させた血管プラークを、食習慣と免疫細胞群で改善させる」・・俄かには信じがたい方法で、信じがたい結果を得ようという試みは、経営的にはマイナスでしたが、2007年に将来“あったらいいな〜”と思える医療に着手しました。

理由は簡単です、父は63歳で突然死(63歳:心筋梗塞)でした。2007年、56歳の自分自身の頸動脈を観ると1.9mmのプラークが・・。当時でもスタチン剤を飲んで経過観察するのが普通でした(13年後の現在も同じです)。治せない状態の病気が進行している・・不安は募る一方で、私も副作用で中止するまでの1年間ほどはスタチン剤を服用しました。(動脈硬化の未来塾 31))

でも、患者さんの頸動脈や右鎖骨下動脈プラークの程度と食習慣を詳しく比較検証していくうちに、食習慣がプラークを増やすための最も重要なファクターXであることを突き止めました。

その後の研究は(血管エコー実例・研究 29))に膨大な情報として蓄積されています。
(おかげで、私の頸動脈プラークは1.9mm(2007年4月)0.84mm(2020年8月)まで退縮)

  • 今回供覧した症例の写真はイリュージョンではありません。
    最近では極めて効率にプラーク改善が得られています(動脈硬化の未来塾 100))が、
    この1年間の更なる進歩によって、より確実なものになりつつあります。
  • 頸動脈プラークが何mmならどの位危険か?・・判定はこちら(動脈硬化の未来塾 31))
  • 脳梗塞や心筋梗塞になった人の頸動脈プラークの平均は何mm?(動脈硬化の未来塾 59))
  • 頸動脈プラークは、現在は年相応だとしても、3年後・・11年後・・どのくらい悪化するでしょう? 実例を参考にしましょう (動脈硬化の未来塾 91))
  • 最近では、“RAP 食”の必須事項として“コシのあるトコロテン(260g/d以上)の毎日摂取”“選定菌種による脂肪0ヨーグルトの40g/d毎日摂取”を推奨し、可能であればビフィズス菌製剤、EPA製剤(EPA+DHA製剤)を服用いただいて、プラーク退縮を目的とした診療を行っています。

進化を重ねて、やっと・・目標のレベルまで到達したと思われる“最新RAP食”です。
以前と比べて
格段に進化しましたので、最新RAP 食の必須条件を必ず、定期的にお読みください。 (血管エコー実例・研究 29))

<注意>:
○長年の経験から、スーパーでよく見かける“柔らかいトコロテン”は決して推奨していません。トコロテンは・・例えると、“登山の命綱”に相当しますので、価格で選んではいけません。

○特に、遠方から当院へ通院中の方へ・・・“柔らかいトコロテン”を摂取されているなら、プラーク改善をスピードアップさせるため、至急、“コシのあるトコロテン”(可能な限り260g/d以上)へ変更ください。 トコロテン摂取が困難な海外の方は粉寒天で代用。
摂取量などの詳細は
(血管エコー実例・研究 29))に記載。
なお、この指導は、担当医の服薬指導と同じレベルだとお考えください。
(当院では、トコロテンは“薬”扱いです。)

○当院では、通院中の方に脂肪0ブルガルアヨーグルトの40g/d:毎日摂取を指導しています。それでも、昔の推奨のまま・・・60g以上を毎日摂取されている方がおられますが(50gまでは許容範囲)、当院へ通院いただく限りにおいて、必ず! 40g/dへ減量しての毎日摂取をお願いいたします。
(当院では、脂肪0ヨーグルトは“薬”扱いです。)

○EPAやDHAなどのω3脂肪酸の摂取は、マクロファージのためなら、1日600mgの摂取でOKです。フィッシュオイルの20〜30%程度はEPA/DHAなどのω3脂肪酸ですが、70〜80%はその他の油(脊椎動物共通の油)であることをくれぐれもお考えください。
特に、海外でEPA製剤が入手困難な場合)
自分に都合の良いω3脂肪酸の成分だけが、腸で吸収されるわけではありません。

なお、病院でいただくEPA製剤(EPA+DHA製剤)はカプセル内オイルの98%以上がEPA(EPA+DHA)成分です。

バイアスピリン・クロピドグレル・その他の抗血小板剤や、エリキュースなどの抗凝固剤を服用されていない場合には、脳梗塞予防の観点から、弱い抗血小板作用を期待して、エパデール:EPA製剤(1800mg/d)またはロトリガ(EPA+DHA)製剤(2000mg/d)を使用します。

エパデールやロトリガなどのお薬は、決して、何があっても自己判断で中止しないでください。
薬が切れたから・・とか、コレステロールが下がったから・・とか、飲むのを忘れていた・・とか、決して自己判断で止めない様にしましょう。
薬が切れて、脳梗塞になった方もおられます(血管エコー実例・研究 20))。

<おわりに>
私の研究を信じてくださる方々が、動脈硬化が原因で、決して不幸な目に遭われない様に祈念いたしております。

なお、現在も研究は進行中ですので、このRAP食に関する研究のページを定期的に閲覧いただくようにお願いいたします。

頸動脈プラークに関する『参考資料1』

権威ある科学雑誌N Eng J Med. 1999によれば、65歳以上の高齢者5,858名の頸動脈IMT(プラークの肥厚:mm)を調べて、その程度により5段階にグループ分けしたところ、IMT高値群ほど脳または心血管イベントを好発した。

最もプラークが肥厚していた第五分位の7年間のイベント発生率は25%もあるのに、最も肥厚していなかった第一分位のグループはわずか5%であり、第五分位の群は第一分位の群より5倍もイベント発生のリスクが高い。

備考):分位は内頸動脈のプラーク高さと、総頸動脈のプラークの高さを複合して決められていますが、第五分位の大部分では内頸動脈のプラークは18mm以上、または総頸動脈のプラークは1.18mm以上でした。一方で第一分位のグループは、内頸動脈のプラークは0.90mm未満、または総頸動脈のプラークが0.87mm未満でした。ちなみに第四分位は、内頸動脈で1.40〜1.80mmの人達が大部分を占めています。(詳しくは原著を参照ください)

余談ですが、2007年4月・・私の頸動脈プラークは1.9mmでしたので、上記の第五分位に相当し、当時の私は現在の私(13年後)よりも、はるかに危険な状態でした。
現在は頸動脈のプラークは0.84mmに改善しましたので、RAP食は私にとってのタイムマシンだと言えます。

頸動脈プラークに関する『参考資料2』

聖マリアンナ医科大学のホームページから抜粋させていただきました。

文献上では、頸動脈狭窄症の観血的な治療であるステント留置術を受けても1年以内に12.2%も脳・心血管イベントのリスクがあり、しかも死亡する場合もあります。 

さて、術後2〜5年以内だと・・・どれ程のイベント発生(%)になるのでしょう?

<観血的治療が必要とされる症例における、頸動脈狭窄症の非観血的な治療>
当院の成績:
2016年1月〜2017年12月の期間中、他の病院にて頸動脈の内膜剥離術あるいはステント留置術を勧められたので当院へ受診され、その後も1年以上も観血的手術を受けずにRAP 食で経過フォロー中の方が8名おられます。

8名全員において、プラークは改善(当院の基準)し、脳・心血管イベント発症率は0%でした。

 

2020年8月15日記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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