脳梗塞・心筋梗塞の予防法

最新RAP食とEPA製剤などで動脈硬化(プラーク)は短期間で、容易に退縮する

2007年5月から始めた、無謀とも思えるプラークを治すための研究・・・それが、幾多の紆余曲折の末・・最新RAP食となって・・やっと、完成の域に達しました。

今回、12年3ヶ月の歳月をかけ、動脈硬化を治す医療を確立できた・・・と思われますので、ここに公表します。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」


<目的>

「進行した動脈硬化(プラーク)を、1年以内に90%以上の確率で、目に見える程度までに退縮させうるか?」・・を、明らかにする。

<対象&方法>

2018年6月1日から2018年9月30日までの、4ヶ月間に当院へ受診された新患:連続225名のうち、8カ所の血管プラーク判定で、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2 以上(0〜4)であり、EPA製剤(1800mg/d)+ビフィズス菌製剤2.0g,2xが適応であった症例に対して、最新RAP食による食事療法を行なった。スタチン剤の服用は本人希望・担当医の同意の上、off 状態で加療した。
なお、2019年3月1日以降も当院へ受診中で、治療から4ヶ月以上を経過した症例の44例(男性23名、女性21名)を対象とした。

プラークの退縮の判定は「プラーク改善」「改善傾向」「不変」「悪化傾向」「悪化」とし、図1,2に記載のごとくとした。

 

<結果>

  1. 平均の観察期間:8〜9ヶ月間に、対象の91.0%の症例が「プラーク改善」または「プラーク改善傾向」であり、短期間で動脈硬化が治せることを証明できた。(表1)
  2. 対象の70.5%は、平均観察期間9.5ヶ月で「プラーク改善」であった。
  3. 「プラーク不変」例が2例(4.5%)、「プラーク悪化傾向」例が2例(4.5%)認められた。プラーク不変の2例と、プラーク悪化傾向の1例が改善傾向・改善に至らなかった原因は調査中。プラーク悪化傾向の1例はRAP食を守れなかった症例であった。

<考察>

  • 最新RAP食とは、2018年6月年以降に大豆食品(発酵食品である納豆や豆乳ヨーグルトも同様)を推奨品から除外しましたが、10月以降は脂肪ゼロヨーグルト(乳製品)を推奨食品に追加しました。つまり、最新RAP食の骨格は、M-line(血管エコー実例・研究・・29))を超えた過剰な脂質の制限+トコロテンの毎日摂取(130g〜300g以上〜多ければ多いほど可)+脂肪ゼロヨーグルト(脂質=0g表示でも、乳脂肪分0.2%以下の商品に限る)です。その後の研究から、ヨーグルトの種菌はブルガリア菌を推奨。 最新RAP食の詳細は(血管エコー実例・研究・・29))をご覧ください。血管プラークの意味・詳細については(動脈硬化の未来塾 31))をご覧ください。
  • 最新RAP食によるプラーク改善例の1例を(動脈硬化の未来塾 99))で、ご覧いただけます。
  • 最新RAP食に到達するまでの経緯ですが、食習慣とプラークの関係を研究して、数々の“驚愕の事実“や“常識の間違い“を発見してきました。
  • 2007年〜2010年にかけては、採血結果でのLDLが動脈硬化(プラーク)の最大の犯人だと信じて疑わず、スタチン剤を多くの患者さんに処方し、なんらかの副作用が20%以上も出現することを経験し、にも関わらず、プラーク改善に関して期待する結果は得られませんでした。このことはENHANCE試験でも確認されています。 (大規模臨床試験ENHANCE試験とは:米国での試験で、スタチン剤にプラークを退縮させる作用はなく、心・血管イベントもほとんど抑制しないという事実が掲載されていますN Engl J Med 2008; 359:529-533 :)。
  • 逆に、スタチン剤を使わないことがプラーク改善への近道だと実感した経験を重ね、2010年以降はスタチン剤の処方を止めていますが、プラークの改善は期待通りに良好です(動脈硬化の未来塾 52)) (動脈硬化の未来塾 68)) (動脈硬化の未来塾 77)) (動脈硬化の未来塾 82))
    このことから、現在の「動脈硬化のメカニズム」説が間違いであることを、ある意味で証明したことになります。
  • 2015年7月には魚の脂質も過剰になると、動脈硬化(プラーク)の原因物質になることを突き止めています。(動脈硬化の未来塾 45)) (動脈硬化の未来塾 86)) (動脈硬化の未来塾 90)) (動脈硬化の未来塾 94))
  • 2018年2月には納豆を含む大豆食品が動脈硬化(プラーク)の進行に関与していることを突き止めました。
  • 2018年8月には、発酵食品である豆乳ヨーグルトでさえ、過剰な脂質摂取(M-Lineを超えて摂取される発酵食品を含めた全ての脂質)であるなら、プラークが悪化することを突き止めました(動脈硬化の未来塾 87)) (動脈硬化の未来塾 88))。  なお、M-lineを超えるなら、脂質が多い玄米食、雑穀米食もプラークを進行させる迷惑な食品となります。
  • 2018年10月には豆乳ヨーグルトを推奨品から削除し、脂肪0の乳製品によるヨーグルト」を推奨。(どのヨーグルトがベター、ベストか調査開始)。
  • 2019年3月、食物・アルコール摂取と血管プラークの関係性を、長い年月をかけて継続的に観察した結果、食物の「酸化の有無:新鮮かどうか、干物であるかどうか、植物性か動物性か、バージンオイルかどうか、発酵しているかどうか」に全く関係なく、単純に脂質量(植物性か動物性か区別不可能、区別無意味)の過剰摂取により、プラークが堆積しているという結論に達しました。
  • プラークを昔(動脈硬化の未来塾 34)) (動脈硬化の未来塾 69))に比べて短期間で高率に退縮させる医術が完成したのも、食物摂取とプラーク増減の観察を先入観なく、長年続けてきた成果と思われます。
  • 副産物として、高血圧の根本原因がプラークと肥満であることも証明できました(動脈硬化の未来塾 56)) (動脈硬化の未来塾 62)) (動脈硬化の未来塾 80)) (動脈硬化の未来塾 96)) 。
  • 従来の説「玄米が健康にいい、アボガドが・・・、バージンオイルが・・・、ナッツ類が・・、亜麻仁油が・・、エゴマオイルが・・・、サバ缶が・・、高カカオ含有チョコレートが・・・健康にいい!」や、“健康にいい@@が入っているから“という類の単純な根拠では科学的な説明といえません。
  • 日本人でも、一人一人の脂質摂取量は様々ですし、健康に良い食物でも、多く摂取すると健康にマイナスとなる##も含まれていることを考慮されていません。
  • 上記の健康にいい食品ですが、それは昭和21〜35年頃の日本人なら、・・・確かに健康にいい食品です。  でも昭和21〜35年頃の平均的な脂質摂取量は、1日あたり14.7g〜24.7g程度でした。
  • 日本人の脂質摂取量はH29年度の厚生労働省のデータでは老人の男女平均で58.8gも脂質を摂取していますので、現状の食事をそのままで・・追加として“健康にいい食品”を摂取することは極めて危険です。“健康にいい食品”の多くは脂質高含有食品ですから、玄米でさえも危険食材になり得ます。それがM-lineの理論に則った私の最新RAP食の基本的な考えです。
  • 今回の私の研究は、今までの「食品摂取とプラーク増減の実例観察」から得られた仮説に基づき、治療として、前向きに最新RAP食で指導した臨床結果であり、同様のことを他の施設で行えば、外国在住であっても、外国人であっても、必ず同様の結果が出るものと思われます。

 

<結論>

長年、人類を苦しめてきた動脈硬化は、コレステロール低下薬(スタチン剤)を飲まないで、最新RAP食を信じて食養生に努めれば、動脈硬化(プラーク)は91%の確率で1年以内に改善または改善傾向に至った。

つまり、動脈硬化のメカニズムに関する私の仮説(動脈硬化の未来塾 11))が正しく、教科書に記載されている現在の「動脈硬化のメカニズム」が間違っていることを証明したことになります。

 

<未来塾100回記念のあとがき>

  • やっと、やっとここまでたどり着きました。 私のRAP食の理論を理解され、実践可能なら、動脈硬化病(血管病(動脈硬化の未来塾 7)))は、もはや怖がる病気ではありません。
  • 最新RAP食を信じて、心を入れ替えて正しく努力し・継続すれば、血管病で倒れる可能性は“雷”が去るごとく・・速やかに消失するでしょう。ご安心ください。
  • 動脈硬化病で辛い思いを数世代にわたって繰り返す家族がいらっしゃるということは、医学の教科書の理論が50年近くも間違った理論のままだからです。
  • 現在のスタチン剤(コレステロール低下薬)の医療では・・“プラークを目に見える形で治せた”という実績はなく、その言い訳みたいに「プラークは治ることはない」と、大病院のDr自身も信じ込まされています。
  • 動脈硬化を“食い止める“という言葉に納得・満足し、・・受身的で一時しのぎの・・「薬または手術による対症療法医学」を疑うこともなく受け入れ、自身の将来を託している方にとっては・・特に医学知識豊富な方ならなおさら・・・“本人の心”と“食事療法”などで、動脈硬化やその未病をも治せる・・という・・私の説・臨床実績を信じられない・・のも、無理ありません。

    (冠動脈のバイパス術やステント留置術は、その場しのぎであっても非常に有益な治療法です。冠動脈が危険レベルまで狭窄している方は、担当医のお勧めに従い治療をお受けになることをお勧めいたします。今回提示したようにRAP食で100%プラークが改善するわけではないことも事実です。でも、それらの治療後の冠動脈の再狭窄予防には、RAP食は極めて有用です。)
  • 会社再建・経営の神様とも呼ばれ、「京都賞」創設者である稲盛和夫氏の著書「心。」(サンマーク出版:2019)の中で、“心を入れ替え”“正しい方向の努力”“感謝”などのキーワードが心に残りました。会社再建も自分自身の身体再建も全く同じだと言えます。
  • 動脈硬化(プラーク)は現在の医学では治りませんが、唯一治せるとしたら、自身と運命共同体であるご自身の免疫・自己防衛細胞システムのみでしょう。そんなことを考えながら・・・免疫細胞への感謝の念を持ち続け、食事指導の際も“マクロファージのおかげ”と感謝が必要である旨を説明しています。
  • 話が飛びますが、京都の東寺へはなぜか、何度となく出かけ、薬師如来像を必ず拝観していました。納豆事件(納豆を毎日食べるように指導したほとんどの人が、4ヶ月後にプラークが悪化して来院された)が起き始めていた頃、私の書籍の原稿の最終校正を終えて、原稿を担当者に送付したばかりでした。そんな折に、東寺の薬師寺像を拝んだら目が動きました。同時に両腕に寒気が走り、鳥肌が立ち・・叱られた?感覚を覚えたのです。書籍の原稿には、納豆を疑問視しながらも・・納豆を毎日1個(40g)食べていただくようにページの上段に強調して記載していたのです。京都から帰って2-3日後に東寺のご近所に住んでおられるご夫婦が何度目かの再診で見えられました。 ご主人だけ私の言いつけを守り、前回から好きでもない納豆を毎日食べられていました。他の食習慣はご夫婦とも同じでしたが、ご主人だけそれまで改善していたプラークが今回だけは明らかに悪化していました。このケースで納豆の過食がプラーク堆積の原因にもなるとの確信を得て、診察終了後にメールで印刷ストップの連絡をしたら、印刷に取り掛かる寸前だったのです。
    そんな経緯で初版の納豆は週に1パックですが、2刷では半パックへ修正しました。
    (無理して食べる必要はありません)

 

その後、何度目かの拝観の際に薬師寺如来像の周りの7体の化身仏の存在に初めて気付きました。なぜ7体なのか?・・なぜ化身する必要があるのか? 化身した仏となり人の健康を、どこでどのようにして守るのか・・?  調べても具体的には述べられていません。

2019年3月にM-line理論の発想がひらめき、同時に私なりに7体の化身仏の意味が急に浮かんできたのです。(上図)

  • 私の先入観では、子供の頃に観たギリシャ神話の映画や教会の天井の壁画や・・日本でも神社の神様は奥に、あるいはお寺の御本尊も奥に・・体の外におられます。
  • 人は・・健康・命は外から、天空から守られている、時空を超えて異次元から守られているかのような安堵感があり・・それぞれの場所へお参りをするのですが・・・実際には、リアルな現実では、外界から特定の人を守るような力は存在しません。
  • 感染症やガンや動脈硬化に備える防衛力の備えとして考えると・・・薬師如来像の謎が解けました。
  • 薬師如来とその化身仏は、すべての人の身体内に例外なく存在します。白血球の一員である単球は、必要に応じてマクロファージに化身し、プラークを食べてくれますが、マクロファージは必要に応じて破骨細胞となり、余計な骨をけずり、間葉系幹細胞から分化(化身)した骨芽細胞と共に必要な骨を造り、あるいは血管の石灰化を元どおりに修復してくれます。
  • 血管平滑筋細胞(上図)は血管の中膜に存在し・・正常の場合(血管内皮の損傷や、プラークの堆積がなければ)は分化型平滑筋細胞として血管の収縮・拡張などのお仕事をしていますが、血管内皮の損傷やプラーク堆積などの刺激が伝われば、化身し(脱分化して形質変換が行われ、脱分化型平滑筋細胞へ変貌する)、プラークを貪食するために遊走したり、必要に応じて増殖したりすることが確認されています。
    なお、順天堂大の研究グループ(科学雑誌「Autophagy」オンライン版 2018年7月1日付)によれば、「血管平滑筋細胞のオートファジー不全マウスの実験で、高脂質食を与えて実験したところ、マウスに血管障害が生じ、動脈硬化の進展と大動脈瘤形成が促進された」と報告。餌・・食事が重要ということではマウスもヒトと同じ結果。
  • これは私の単なる白昼夢ですが・・(上図)。薬師如来を支えている十二神将は・・薬師如来の守護役と言われており、免疫力、貪食能を高めてくれる食物や免疫作用薬などと考えられます。
  • 身体の自浄作用・自己防衛機能・を考えれば、それらを予め身体内に備えていただいた“何か宇宙・太陽の創造主”に感謝し、自分の命と健康を繋ぐために食物としていただく“植物の命”“動物の命”に感謝しなければいけません。生物の命に差別なく敬意を払い、真理を追求した弘法大師・空海は最先端の超科学者に思えてなりません。 人間の体の全ては食物からできています。それなら、マクロファージや血管平滑筋細胞も食物のおかげで生きている・・。つまり、動脈硬化を治してくださるのは、植物の命、動物の命のおかげなのです。
  • 神社仏閣にお祈りするのも交感神経を抑えて免疫力が上昇するでしょうが、RAP食のトコロテンなどにも敬意を払い、毎日、一年中・・感謝を込めていただきましょう。
  • 弘法大師・空海の教えとして、高野山真言宗の宗務総長、添田隆昭さんによると、あるメディアからの取材で 「考えるな、感じろ」だそうです。また、「まず目で見て、身体で感じて、心で思う」ともあります。これはまさしく臨床医のみならず、真理を追求する最先端の科学者のあるべき姿ではないでしょうか。
  • ガンの免疫治療薬:オプチーボを開発し、ノーベル賞を受賞された本庶佑 氏も同様のことを話されています。「人が言っていることや教科書に書いてあることを全て信じてはいけない」「教科書が全て正しかったら科学の進歩はない」「先入観を持たず丁寧に観察し・・・・自分で確認しなさい・・定説を覆すことで新たな世界が広がる・・」。
  • さて、「健康に関する様々な意見があり、どれを信じて良いかわからない」とのお話がありますが、動脈硬化に関する限りは、自分の目で見たプラークの写真以外は信じない方がよろしいのではないでしょうか。
  • 動脈硬化に関して、「目で見て」と言えるのは、解剖(実験動物)または血管エコーの映像・写真のみです。
  • 皆様が迷われないように、動脈硬化の未来塾においては、血管エコーでのプラークの写真撮影は正確に行なっていますので、ご自身の目で見てご判断ください。
  • なお、医学の先入観・常識を考え直すためには、書籍「脳梗・心筋梗塞・高血圧は油が原因」(幻冬舎2018年)をご一読ください。

2019年9月17日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄


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