久留米市野中町の肝臓内科・血管内科・消化器内科・乳腺内科です。電話:0942-33-5006
現在でも動脈硬化は、予防・進展の防止(進行を食い止める)をいかにマネイジメントするかです。 動脈硬化は治せないのが常識で、今まで“動脈硬化を治す”=“プラークを減らす”という治療法はなく、脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・認知症などは増加の一途をたどっていますし、誰にも起こりうる病気とされていますので・・とても不安がられています。
そんな不安を抱いてはいるが・・半ば諦め状態の中高年の方々に・・勇気と希望を与えられる症例発表を行っています。
今回は“プラークが減り”“石灰化も改善し”“動脈瘤の程度が改善した!”・・そんな嘘みたいな実例を提示いたします。
「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」
症例1. 61歳 男性 (図1 Case 1)
まずプラークが改善し、動脈瘤の外壁の突出が改善した写真をご覧ください
図1
(2018年8月〜2019年5月)
(2020年3月30日)
<2018年8月時点までの経過>
2008年12月 8カ所の血管エコー(血管エコー実例・研究 1))
腹部大動脈IMT=4.0mm(後壁の石灰化) (A-max)
右鎖骨下動脈=1.6mm(S-max)
右頸動脈分岐部IMT=1.4mm (C-max)
左頸動脈分岐部IMT=1.1mm
右総頸動脈IMT=0.7mm 左総頸動脈IMT=0.9mm
右大腿動脈IMT=1.3mm 左大腿動脈IMT=2.3mm(F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(0〜4)******
血管の部位 | 2008/8(IMT) | 2008/12(IMT) | 2016/2(IMT) | 2017/8(IMT) |
右大腿動脈 | 1.3 mm | 1.7 mm | 1.34 mm | |
左大腿動脈 | 2.3 mm | 2.7 mm | 1.25 mm | |
右頸動脈分岐部 | 1.4 mm | 1.4 mm | 1.43 mm | 1.17 mm |
左頸動脈分岐部 | 1.1 mm | 0.9 mm | 1.39 mm | 0.92 mm |
備考:2009年12月からエパデールS(900)2,2x 開始
2017年8月時点(上表)にてプラーク治療は順調と・・安心していました。
ところが・・・突然の動脈硬化進行に驚きです!
2018年8月受診・・・腹部大動脈の石灰化のフォロー目的で血管エコー。
腹部大動脈は、2008年時点に比して、プラークはさらに肥厚し、おまけに初期の腹部大動脈瘤の所見を呈していました。(図1)
<治療> 最新RAP食(血管エコー実例・研究 29))に沿って、以下の項目などを指導。
<結果>
<考察>
『注意!』:
最新RAP食では、「治療が必要な方」に対して・・書籍で推奨していた“納豆”、“豆乳”、“豆乳ヨーグルト”は控えるべき食材です。昔のRAP食の先入観が強くて・・現在でも食べ続けている方が多いのでご注意ください。私の書籍「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」を、脳梗塞・心筋梗塞・認知症などの食事療法指南書としてプレゼントされる場合は、くれぐれも上記の点について、ご説明をお願いいたします。
書籍のその他の内容に関しては、大筋で問題ありません。
大豆食品の代わりに、プレーンの脂質0ヨーグルト(乳製品)が必須アイテムになりました。(どのメーカー:菌株がプラーク改善により有益なのかを観察・研究中)
・・・つぶやき・・・
最近の“がん検診”での通知誤り事例も問題ですが・・・、採血だけで・・血管プラークの存在を知ることもなく・・動脈硬化疾患に関して・・安心させてしまっていることの罪は・・罪に問われないのでしょうか。
メタボ健診を受け・・LDLが正常で・・1年以内に脳梗塞、心筋梗塞などを発症・・などの事例は・・少なくないはずですが・・何か身体に不具合があっても・・脂質の多い食べ物を頻繁に食べていても・・LDLが正常だからと・・血管エコーを受けるチャンスや・・食習慣を反省するチャンスを失っているかもしれません・・頸動脈エコーでプラークを指摘されたら・・・それを活用して・・プラーク管理に焦点を当ててアドバイスするのが・・これからの医療関係者にとっては大切でしょう。
『無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり』(ソクラテス)・・・
今回の症例では・・誰も知らないであろう・・元気の出る“知”の一つを皆様に公開いたしました。
<2020年3月30日・・追記>
様々なヨーグルト摂取の実例からの検証で、現在はプレーンタイプの、脂肪0ブルガリア菌ヨーグルトを治療の一つのアイテムとして採用しています。ただし、用量は絶対に厳守で1日50〜70gです。
飲むヨーグルトは、血糖の上昇例が数例出現したので、現在は推奨していません。
本例は、特別に様子観察中。
本例は「脂肪0の飲むヨーグルト(脂質0.1g)」をコップで朝150cc・夕150ccの2回摂取(1日300cc)でしたが、治りが鈍化したので、朝1回150ccの摂取へ減らしていただき、2020年2月時点の腹部大動脈の縦断でのプラークは2.93→2.53mmへ、横断でのプラークは4.01→2.89mm へ、更に退縮中です。
2020年3月30日 一部修正&追加で記載
2019年7月23日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄