脳梗塞・心筋梗塞の予防法

青魚の多食で動脈硬化が進行する(頸動脈などのプラークが悪化する)。

今まで・・・“健康にいい“・・と、信じ込んでいた「青魚」ですが・・脂質含有量が多い青魚を多食すると・・
「刺身でも」・・焼いても、煮ても、・・プラークが悪化します・・・・

Case1. 解説

74歳 男性
甘い物:好き、肉:好き、魚:普通、揚げ物:普通、野菜:普通、アルコール(-)。
当時の食事指導としては、肉と甘い物を控えるように指導。その後は、仕事で外食することが多かった(3/Wは外食)ものの、外食の内容に関してはノーマークでした。
脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4

2016年4月に プラークが激しく悪化。青魚の多食が原因と判明。

週に3回の外食は---ほとんどサバ定食。 自宅では、週に1回 塩鮭、週に2回:サンマ ほぼ毎日・・脂の乗った魚食でした。 プラーク悪化の原因は・・サバ、鮭、サンマの食べ過ぎでした。週に6回は青魚を食べていた。

2015年10月には魚の過食には注意するようにプリントはお渡ししましたが・・毎日魚を食べなければOKと勘違いされていたのか・・・・・動物性の蛋白源として・・豚肉のヒレ、鶏肉ササミ・ムネ肉、魚(100g中2.0g以下の脂質含有)、卵白をお勧め致しました。


Case2. 解説

81歳 女性
2015年12月、「朝のふらつき」があり、当院受診。甘い物:好き、肉;嫌い、野菜:大好き、魚:大好き、揚げ物:普通の食の好み。アルコール(-)。脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4
甘い物がプラークの主な原因と判断し投薬&食事指導。
2016年4月 プラーク悪化。 週に4〜5回も紅鮭、サンマ、赤魚などの内のどれかを食べていた。 「魚大好き人」あることを見過ごしていました。魚大好きでも、野菜大好きでたくさん摂取しているから・・・と、安心していませんか??

プラーク悪化の原因は魚の多食以外は考えられません。・・・野菜を沢山食べていても・・です。
「野菜を先に食べている」・・など・・・そんな事は・・どうでも良い事ですョ。


Case3. 解説

80歳 女性
動脈硬化以外の疾患で、2015年5月たまたま当院受診。軽度の腹部大動脈瘤、右鎖骨下動脈プラーク:2.41mmなどを認め当時の「RAP食」を指導。 しかし・・・
2016年5月の初診時の右大腿動脈プラーク:1.18mm(2015年5月)→1.17mm(2015年8月)→1.02mm(2015年12月)と、順調にプラークの改善を認めていましたが、突然→1.64mm(2016年4月)とプラークが進行しました。

食の好み(食習慣)は、甘い物、肉、魚、好きで、揚げ物は好まない。アルコール(-)。牛乳コップ1/2杯....10年間。
脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4

軽度の腹部大動脈瘤は青魚・肉・お菓子類・毎日の牛乳などが原因であろうと思われます。 2015年5月から12月にかけてのプラーク減少は肉類、お菓子類、牛乳を控えた結果でしょう。 2016年6月の今回のプラーク進行は、イワシ(大)、塩鯖、サンマ、鮭などの特に脂の乗った魚を週に3回は食べていた。12月からは、特に脂の乗った魚を食べる機会が多かった。他に、豚ロースも 週に1回食べていた。

プラーク悪化の原因は「脂の乗った青魚の多食」他に考えられない。


Case4. 解説

70歳 女性
食の好みは 甘い物:好き、肉:普通、野菜:普通、魚:普通、揚げ物:嫌い、毎日:コップ1杯の牛乳&牛乳製ヨーグルト1個・・・5年間。アルコール(-)。8カ所の血管エコーで、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3

2015年6月、当時の「RAP食」を指導。 プラーク=1.64 mm.
でも、図のごとく・・プラークの進行は止まらない。2016年1月まで、アジ、サバ、ハマチの刺身の・・いずれかを・・週に3回は食べていた。プラーク=2.15mm.に悪化。
アジ、サバ、ハマチの刺身のいずれかを 週に3回食べると・・プラークは悪化する!・・・。(もっと脂の多いサンマ・大西洋サバ・シメサバ・・・多食は大変なことに)

魚の多食を控えるように指導。 2016年4月 プラーク=2.14mm プラークの進行ストップ&やや改善傾向。 でもアジ、サバ、ハマチの刺身の・・いずれかを・・週に1-2回は食べている。 アジ、サバ、ハマチの刺身での現状維持は 週に1-2回と思われます。

酸化していない刺身でもプラークが進行する・・その実例です。
今後は白身魚や鶏肉主体から動物性蛋白を摂取されるように指導。


Case5. 解説

68歳 女性
2015年10月 初診時、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=0(0〜4) でしたが、この半年は、なるべく魚がいいだろうと・・週に、夕のみ4-5回. 青魚のイワシ、サバ、キビナゴ、ブリ刺身、 ブリ刺身は週に1回は食べていた。魚はほとんどが刺身で食べていた・・・。

刺身でも、青魚の場合は週に4〜5回食べると・・・プラークは悪化する。

酸化していない魚の脂質は・・プラークの原因になりにくい・・・これは迷信でした。

……………………………………………………………………………………………………

青魚を・・止めて・・プラークが改善します
これも事実です
以下に・・・・症例呈示します・・

……………………………………………………………………………………………………

Case6. 解説

57歳 女性
2013年6月の初診以来・・・当時の「RAP」で・・プラークが悪化も、改善もしない方ですが・・・当時は・魚食にあまり注目していませんでした。
2015年4月に狭心症が頻発したので青魚に注意されるように指導していましたが、あまり守られていませんでした。
2015年10月からは、青魚を止めて・・週に3回 アンコウ(100g中の脂質:0.2g)鍋へ変更したところ・・プラークがやっと・・初めて改善しました(図)。

青魚・・恐るべし・・です。


Case7. 解説

71歳 女性
初診時:T-max=13.92 mm 脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4
プラークが激しく全身に堆積。昔から毎朝食パンをそのまま、または蜂蜜つけて。毎朝、牛乳製ヨーグルト:10年間。甘い物:好き、肉:好き、野菜 :好き、魚:好き、揚げ物:好き、運動:良くしていた。アルコール:(-)。・・「何でもバランス良く食べられており、よい食習慣」と褒められるのが普通でしょう。

初診時から「RAP食」を指導するも・・腕頭動脈:プラーク改善せず。  その訳は・・ 初診時から肉を控えて・・魚を努めて食べていた。 魚の食べ方:ほぼ毎日の週7日(1-2回/日):アジ/週1-2日/網焼き,・・サワラ/週1日/刺身orフライパン焼き・・くちぞこ(カレイの近縁)/週1日/煮付け・・甘鯛or小鯛/週1日/網焼きor煮付け・・サーモン/週2-3日/網焼き・・刺身(ブリ,カンパチ,鯛,スズキ)/週2日
・・など。
2016年1月 プラーク=2.42mmとプラークが改善しないために・・青魚を白身魚に指導。
自分で選択して・・アマダイ、マダイ、くちぞく、 アジなどを食べ、2016年5月のプラーク=2.22mm と改善。
今後は、天然のマダイを控えて、鶏肉:ムネ肉、豚:ヒレ肉なども食べるように指導。


Case8. 解説

56歳 女性
2014年7月 初診 脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3
右腸骨動脈のプラーク=2.79mm  が2.94mm へと悪化したので、魚のアルミ焼きを中止していただいたらプラークが改善。でも、その後はプラーク改善せず。2016年1月から青魚を止めたところ・・2016年4月のプラーク=2.30mm と、プラークが改善しました。

2015年12月までの魚の食べ方は・・毎日:昼&夕共に魚を食べていた。例えば、昼が刺身なら夕は塩焼き、その逆もあり。刺身の場合は:シメサバ or マダイ。塩焼きなら:サバ or 鮭。 2016年1月〜白身主体の魚:週に3~4回 、他に鶏肉:胸or モモ、を1日に1回・・・

プラークの改善スピードが速い。

魚油・脂は明らかにプラークの原材料です。つまり・・動脈硬化を進行させる!


Case9. 解説

65歳 女性 2012年9月 初診

食習慣:

甘い物:大好き、肉:好き、魚:好き、野菜:好き、揚げ物:好き、運動は普通。
特に、間食で1日置きに菓子パンを1個・・20年以上。コーラを20年前までの20年間はコーラを毎日1日5本、4年前まではコーラを毎日2本、それ以降は飲んでいない。牛乳は週に2~3回100cc・・長年飲んでいた。

症状:

2010年6月頃より・・週に1回程度の頭痛、月に1回のめまい、こむら返り:時々・・・。
8カ所の血管エコーでは、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4でした。

治療:

血液サラサラ薬&「RAP食」指導し、プラークが順調に改善するも、2015年3月プラーク=2.44mm と改善がストップした。

魚の食べ方を尋ねると・・週に5〜6日は魚料理。そのうちの3回は塩鯖(大西洋産)でした。この塩鯖を止めていただき、白身魚へ変更すると・・2016年2月には・・プラーク=2.03 mm と、プラークはかなり改善しました。

2016年2月現在・・・頭痛(-)、めまい(-)こむら返り(-)・・・・全て治りました。
・50歳以上で・・頭痛持ちになった男女の方々・・プラークにご注意下さい。「プラークが原因であるこの頭痛」は頭部のMRIでは原因が判らないのが普通ですので・・・バラ好きな方・・うどんこ病より動脈プラークについてご相談ください。

プラークの改善の程度から・・もし「RAP食」でなければ・・つまり・・普通の食習慣であったならば・・塩鯖(大西洋産:100g当たりの脂質:26.8g)は週に1回でもプラークが堆積するかもしれません。

……………………………………………………………………………………………………

結論

・・「プラークを減らす必要がある人にとって」・
“青魚が健康にいい”・・・これは迷信です
“魚の油・脂は健康にいい”・・これも迷信です
“刺身なら健康にいい”・・・・これも迷信です
“EPA,DHAのサプリでプラークが悪化する危険あり”

……………………………………………………………………………………………………

2016年5月23日 真島消化器クリニック

「脳梗塞・心筋梗塞の予防法」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ