脳梗塞・心筋梗塞の予防法

スタチンの中止・RAP食開始により、著明にプラークが改善した2症例。

はじめに:
スタチン系の薬剤は“ミトコンドリア毒“であることが知られており、マクロファージのミトコンドリア(細胞内のエネルギー産生装置)に対しても”毒“として作用する。

それならば、スタチンを中止すれば、マクロファージの貪食能がアップすることは容易に考えられます。

そこで私の仮説ですが、
「スタチン剤を中止することで、マクロファージを抑制していた鎖が解かれ、しかもRAP食によりマクロファージの活性は更に高まり、平均的なプラーク退縮スピードを上回る結果となる。」

この仮説が真実かもしれないという証として、この2例を経験しました。

この仮説は、「自転車レースにおいて、常にブレーキが効いている状態でペダルこぎしている人が、突然ブレーキをoffにした場合に、車輪の回転は速くなり、自転車のスピードはアップする」という事実関係もあり、自然の摂理に照らして矛盾しないと思われます。

今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

症例提示:
Case 1.
「5年間も服用していたスタチンを止めて、RAP食を行ったところ、4ヶ月という短期間にプラークが著明に改善した1例。」

2015年1月上旬から5年間も服用し続けたスタチンによりLDLは<80、L/H比は1.5以下に抑えられ(2020年4月上旬)、動脈硬化学会のガイドラインに従って医療がなされていました。

動脈硬化は、薬のおかげで普通よりも進行していないか、改善しているに違いない! コレステロールの健診で何も言われないし・・との本人の思いもありましたが、知人の勧めで2020年4月上旬に当院へ初診。

では、この方の初診時:2020年4月上旬の血管エコー所見はどうだったでしょう?

写真の左のエコー図の通りに、右鎖骨下動脈にプラーク=4.11mmを認めました。
右鎖骨下動脈のプラークの平均は、85歳の女性で2.53mm(当院:2013年時点での集計)ですから、平均で表すなら200歳以上の血管プラーク年齢となります。

当然、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(0〜4)です。

そこで、5年間も服用していたスタチン系の薬(リバロ2mg,1T/日)を中止していただき、EPA製剤(900mg)2P(朝1P,夕1P)/日へ変更し、RAP食を開始していただきました。

4ヶ月後の2020年7月下旬。 右鎖骨下動脈のプラークはどうなっていたでしょう?
ちなみに、4ヶ月後にはLDLは77→111 L/H比は1.0→2.0 へいわゆる悪化していました。

動脈硬化学会や循環器病学会のガイドラインを信じれば、プラークは決して改善することはありません。 

でも・・

不思議ですが、プラークは私の予想をはるかに超えて退縮していました。(写真参照)

この退縮スピードは普通ではありません、明らかに普通以上の改善スピードです。

Case 2.
「7ヶ月間も服用していたスタチン剤を止めて、RAP食を行ったところ、3ヶ月という短期間にプラークが著明に改善した1例。」

  • 2019年11月に 右頸動脈のプラーク(2mm) を指摘されました(測定精度は未確認)
  • 2019年12月中旬から、高脂血症のためにピタバスタチンCa(1mg)を毎日1錠で服用開始
  • 2020年7月下旬 当院受診 
    受診時のLDL は161→90へ低下、 L/H比も2.3→1.8 へ改善。

現代医学の常識を信じれば・・・特に問題なく、安定しており、プラークの悪化はないものと推察されるでしょう。本人には、薬を飲んでいるのでプラーク改善の期待もありました。

でも・・・

本人の意に反して、初診時の2020年7月下旬には、頸動脈プラークは3.23mmへと・・少なくとも悪化していると考えられます。

そこで、コレステロール低下薬であるスタチンを中止し、EPA(900mg)2P,2xへ変更しました。
同時にRAP食による治療を開始。・

そうしたら、3ヶ月後にLDLが90→127へ上昇、動脈硬化指数:L/H比も1.8→2.7へ悪化(あくまでも一般医学的な表現)。

スタチン中止に極めて慎重な先生によると、“やっぱり・・悪化しましたね、L/Hが上昇し、このままでは危険です! スタチンをすぐに再開しましょう!“と、真心から心配しておっしゃる言葉が聞こえてきそうです・・

でも・・

なんと、約3ヶ月後の2020年11月上旬には、LDL上昇、L/H比の悪化にも関わらず、プラークが3.23→2.61 mm まで著明に退縮していました。

約3ヶ月で0.62mmもプラークが減るなんて、普通ではそんなにありません。
1ヶ月で0.2mm退縮のペースですから、Case 1と同様の退縮スピードになります。

この症例も、平均的なプラーク退縮スピードよりもかなり速いのです。

<考察>
前述の私の仮説を支持する経験、集計結果としては、
スタチンを服用中の方は、そうではない方よりもプラークは厚く溜まっていました(動脈硬化の未来塾 68))。 また、スタチンを止めてから、プラーク改善のスピードがアップした方もおられました(動脈硬化の未来塾 52))

また、スタチン服用中なのに、患者さんの思いとは反対に・・急速にプラークが堆積していった症例も経験されます(動脈硬化の未来塾 77))

なお、スタチンを服用中であっても、プラーク退縮は望めるのですが、著効例はまだ1例も経験したことがありません。

****つぶやき****

スタチンを中止することをためらっている方へ、

LDLが200以上でも、全く心配には及びません。(動脈硬化の未来塾 75))  (動脈硬化の未来塾 103)) (動脈硬化の未来塾 113))

とにかく、スタチン薬は不要です・・「百聞は一見に如かず」(動脈硬化の未来塾 114))

薬で下がったLDL値やL/H比 は、“絵に描いた餅”と同様かもしれませんヨ。

スタチンは、ミトコンドリアにとっての“毒”→ミトコンドリアがなければ活動できない心筋細胞、免疫細胞、幹細胞、肝細胞、筋細胞、膵細胞、脳細胞などの細胞にとっても“毒”→細胞の集合体である、様々な臓器においても副作用が起こり得ます。

今回の記事は、コレステロール高値に対する恐怖を学習させられ、コレステロール低下薬(スタチン)の服用を迫られ、それで怯えておられる方々や、コレステロール低下薬を“有難いお薬”と信じて疑わない方々への、“目から鱗”のクリスマスプレゼントのつもりで掲載いたしました。

レオナルド・ダ・ビンチの言葉
『ちっぽけな確実さは大きな嘘に勝る。』

2020年12月24日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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