脳梗塞・心筋梗塞の予防法

動脈プラークの肥厚・退縮の経過を13年も追跡できた症例(プラークは治すことができる)

はじめに:
2021年4月24日の現在、“動脈硬化は治せない(プラークは減らせない)”との考えが学会・専門医の間では常識です。
そこで、生活習慣病の予防のために、コレステロール測定の健診が行われ、医療現場では、学会のガイドラインに準拠してコレステロール高値の人を拾い上げ、スタチン剤服用による治療(?)が強く推奨されています。
しかしながら、一向に脳・心血管イベントで倒れる人は減少しません。

今回は、2007年という過去に、当時の動脈硬化学会のガイドライン(2007年版)に準拠した医療を行ったにも関わらず、プラークの悪化を阻止できず(2010年)、その後の10年間はRAP食の進歩と共に、プラークがゆっくりではあるものの、確実に退縮していった1症例を経験しました。

その事実関係を、医薬品の使用・採血データを具体的に提示して供覧いたします。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

図1

<症例の経過・結果>
2005年11月頃から、狭心症が出現し、月に1回は生じるようになった。
2007年11月 当院初診  
TC=211 LDL=120 TG=32 HDL=85 右鎖骨下動脈IMT=3.9mm (約50%狭窄) 「図1」
当時の動脈硬化学会のガイドラインに準拠し、脳・心血管イベントリスクが大であることから、LDLを100未満(可能なら70以下)にするべく、リピトール(5)1,1xを開始。
同様の理由から、コレステロールがやや高めであり、エパデールS(900)2,2xを併用することとした。

2010年11月 右鎖骨下動脈のプラークは悪化(肥厚)し、プラークの石灰化も進行。「図1」
途中で副作用のためにリピトールを中止し、バイアスピリンを開始し、エパデールを中止したものの、減量で再開などした。(詳細は図2に記載)

2017年10月 右鎖骨下動脈のプラークは退縮し、プラークの石灰化は進行していた。「図1」
服薬関係、他の詳細は図2に記載。

2020年10月 右鎖骨下動脈のプラーク退縮は継続し、プラークの石灰化は軽減した。「図1」
服薬関係、他の詳細は図2に記載。

図2

<考察>

  • 2007年11月から2010年11月の間、動脈硬化学会のガイドラインの設定目標を達成(LDLは40〜100で推移)できていたため、食事への注意の念がおろそかになり、その事がプラーク悪化を後押ししたかもしれません。
  • この症例は、かなり過去のことであり、2007年当時にタイムマシンで戻り、現在のRAP食の概念に基づいて治療をスタートすれば、もっと速やかにプラークの退縮が望めたはずです。
    しかも、・・・かなり確実に・・・動脈硬化の未来塾 120)
        ・・・かなり速く・・・ 動脈硬化の未来塾 119) 動脈硬化の未来塾 117)

 

<あとがき>

最近、米国の心臓病の権威者からの発信で、訳本のタイトル「血管をよみがえらせる食事」なる書籍がベストセラーを続けています。その先生と私は同じ現象を見ているようです

確かに、脳・心臓の「血管を蘇らせる=プラークを減らせる」ことは可能です。・・メスやカテーテルを使わずに。ただし、緊急の場合はメスも、カテーテルも必要です。

「血管を蘇らせるRAP食」の開発は、実は・・「肉体や脳に関してのタイムマシン」の開発と言っても過言ではないでしょう。

実際に、プラークが減れば、従来「加齢」が原因とされていた症状が・・順次消えていきます。
若さを保ちたい、・・若返りたい・・なら、最新のRAP食をお勧めします。

実際に、肩こり、こむら返り、耳鳴り、脊柱管狭窄症、片頭痛、認知機能障害など・・・多くの症状が薬なしに改善いたします。動脈硬化の未来塾 61) 動脈硬化の未来塾 107) 動脈硬化の未来塾 108) 動脈硬化の未来塾 109) 動脈硬化の未来塾 111) 動脈硬化の未来塾 93)、他。

レオナルド・ダ・ビンチの言葉
『ちっぽけな確実さは大きな嘘に勝る。』

2021年4月25日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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