脳梗塞・心筋梗塞の予防法

10年来の“複視”が、RAP食によるプラーク退縮とともに治癒した1症例

50歳前後から生じる“複視”も・・動脈硬化(プラーク肥厚)を疑う必要がありそうです。

でも、動脈硬化(血管プラーク)が原因だと分かったとしても、現代医学では治せません。

ですから、動脈硬化に起因する“複視”は、眼科で目薬をいただくだけで・・“不治の病”として、諦めるしかありませんでした。

でも、免疫細胞であるマクロファージなどに最大限の敬意を払い、“RAP食”に真摯に取り組めばですが、マクロファージなどがプラークを沢山食べてくれますので、 プラークが減り、“動脈硬化に起因する未病を本当に治せる”あるいは、“不治の病を根本から治せる”など・・・・それこそ夢みたいな現象が起こることを・・普通に経験してきました。

特に、眼科へ“不治の病”で通院中の方などは、
以下の記事もお読みください。電柱が歪んで見える加齢黄斑変性が改善(動脈硬化の未来塾 26)) 視力が改善(動脈硬化の未来塾 105)) 眼底出血をきたす網膜静脈閉塞症が改善(動脈硬化の未来塾 71)) 目の前にシャッターが下りたようになる一過性黒内障の症状が出なくなる(動脈硬化の未来塾 73)) 目の前に稲妻が走ったようになる閃輝暗点が出なくなる(動脈硬化の未来塾 97))

これらの症例は奇跡ではありません。

今回、結果的に動脈硬化が主な原因と考えられた“複視”が、RAP食で治癒したと思われる症例を経験したので、供覧します。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

<Case. 1:70歳 男性>
『10年来の“複視” が、RAP食で治癒したと思われる1症例』

写真1


『プラークの経過』
左大腿動脈のプラークが退縮し、腹部大動脈の石灰化も明らかに改善していますが、この症例の大動脈石灰化は、治りがやや遅い方です。

石灰化したプラークも、コレステロール低下薬(スタチン剤)を使わないRAP食だからこそ・・普通に改善します。(動脈硬化の未来塾 82)) 
(注意:現代医学では、動脈の石灰化は治せないので、治らない事になっています。

表1

『複視の経過』

10年間も、眼科で治らなかった複視が、RAP食開始から3ヶ月で少し良くなり、9ヶ月後にはかなり良くなり、4年6ヶ月後にはほとんど気にならない程度に回復し、 5年後には完全に治癒しました。

<主訴>
“健診で肝臓の数値が高い”

<現病歴>
・2003年3月 「健診で肝臓の数値が高い」と指摘される
・2004年5月 物が二重に見える(複視)出現。原因不明
・2006年3月 近医で高血圧指摘受け、アムロジピン(2.5)1T/日開始になる
・2014年3月 軽度のr-GTP上昇 2年前から冬場の両足の冷感&しびれ感+ 、のため当院受診

<2014年3月 当院 初診>
TC=198 LDL=106 TG=121 HDL=83 r-GTP=53 BW=60Kg BMI=23.4

現在の薬:
・内科よりアムロジピン(2.5)1T/日 中 
・眼科より“複視”のための点眼薬。
・胃腸科より消化・整腸剤.処方あり 適時。

食の好み:
甘いもの:普通、肉:好き、野菜:大好き、魚:好き、揚げ物:普通。
酒類:30点(多めの飲酒量)
食習慣点数=249点(やや高得点:得点は2018年4月出版の書籍を参照ください)
 
<2014年3月下旬 初診時の血管エコー>
8カ所の血管エコー(血管エコー実例・研究 1))
腹部大動脈IMT=3.70mm((A-max)
右鎖骨下動脈=2.15 mm(S-max) 
右頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=0.73mm
左頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=0.77mm (C-max)
右総頸動脈IMT=0.77 mm 左総頸動脈IMT=0.77 mm
右大腿動脈IMT=0.92 mm 左大腿動脈IMT=1.94 mm(F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル= 4(0〜4)****** T-max=8.56 mm

<治療>:
RAP食を開始し、
1)エパデール(EPA製剤)1800mg/日 開始(閉塞性動脈硬化症の診断で)
2)ラックビー微粒N(ビフィズス菌製剤), 2g, 2x 開始

<初診後の経過>:
表1に臨床経過を記載

<結果>:
1)RAP食によるプラーク退縮に伴い、“複視”が3ヶ月で改善し、5年後に完治した。
2)石灰化した大動脈のプラークが、6年で3.70→3.00mmへ退縮
3)高血圧薬は初診から継続服用中ですが、2020年3月時点では、服薬不要レベルまで血圧は安定。

備考:複視も、高血圧も・・・原因は動脈硬化(プラーク)でした。高血圧が原因で、動脈硬化が進行するわけではありません。プラーク 肥厚が・・無症状で先に発生し・・その結果・・高血圧になるのです。(動脈硬化の未来塾 56))

<考察>:
1)原因不明で、10年間も治らなかった複視が、プラークの退縮とともに改善したということは、眼球運動神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)の麻痺が改善したということを意味します。そして、その理由としては・・以下のことが考えられます。

(a)脳幹を栄養している動脈のプラークが減少して、脳幹の虚血状態が改善した。
(b)動脈壁内のプラークが肥厚すると、その動脈は膨らんで太くなり、その周囲に存在する脳神経(動眼神経など)を圧迫しますが、プラークが減ることで、膨らんだ脳動脈が細くなり、脳神経の圧迫が解消された。

おそらく、このような機序で“複視”の治癒は説明可能と思われます。

しかし、複視の原因としては、脳動脈瘤による脳神経圧迫などや甲状腺の病気など、様々な原因が考えられますので、“複視”の原因を調べるための精密検査は、必ず受ける必要があります。

2)本例の方も魚好きでしたが、書籍でRAP食を理解(?)しても、サバ缶や塩鯖・ブリ・タイなどを平気で食べておられる方が後を絶ちません。魚を頻回に食べると・・日本の疫学調査によると・・3倍も心筋梗塞で死にやすく、突然死が10倍以上に・・急激に増えることを学びましょう。(動脈硬化の未来塾 94))

3)コレステロール低下薬(スタチン剤)を止める勇気を持ちましょう。(動脈硬化の未来塾 103))
4)テレビで医療関係者が“健康のために勧める食品”・・そのほとんどは・・・プラークを観察できなかった過去の医学に・・基づく発言です(先入観・固定観念に大きく左右されています)。 絶対に信じてはいけません。
オリーブオイル(動脈硬化の未来塾 54)) サバ缶:青魚(動脈硬化の未来塾 94)) エゴマ・ココナッツオイル、他(動脈硬化の未来塾 48)) アボカド(動脈硬化の未来塾 95)) 納豆:大豆食品(動脈硬化の未来塾 87)) チョコ、ナッツ類(動脈硬化の未来塾 88)) 糖質制限、MEC食、オリーブオイル、ココナッツオイル、アーモンド、チョコ、大豆食品、バター、マヨネーズなどの複合影響で高度の脳動脈狭窄(動脈硬化の未来塾 102))

過去の健康常識と決別することが、RAP 食のスタートです。

<まとめ>:
“複視”に関して、精密検査で原因不明であれば、動脈硬化が原因であることを考慮すべきでしょう。
動脈硬化が原因なら幸いです。 「RAP食」で治せます。(動脈硬化の未来塾 100))

*** お知らせ ***
RAP食は「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧の原因は油」(幻冬舎:1984)出版後も進化を続け、第3刷発行(2020年3月10日)では、より進化した「RAP食」を案内できています。

なお、初版、第2刷であっても、ヨーグルトや豆乳ヨーグルトの項目だけでも現状の指導である「脂肪0(ブルガリア菌)ヨーグルト50〜70g/日(量は絶対厳守)」へ修正いただければ、特に問題はありません。

<・・・つぶやき・・・>
プラークの原因について、血管エコーでのプラークの増減を“羅針盤”として・・固定観念・先入観なく・・血管プラークと食品(食べ物・飲み物)との関係性を・・明らかにする事に・・没頭してきましたが・・・

『でも・・ここまで“治せる”とは・・夢にも思ってもいませんでした』

本来の専門は“肝臓ガン”ですが、登山ガイドの誘いに乗って・・動脈硬化の「富士山」を少しだけ登ってみようと・・2007年3月からの最初の3年間・・ガイドの指導通りに・・“コレステロールを下げる薬”を使い・・真面目に登山道を歩き続けていました。

でも・・

頂上が近づくことは・・ほとんどなく・・怪我したり、滑り落ちそうになったりしたために・・3年で(2010年10月)・・決められた登山道を登ることをやめました。 

それから・・10年・・

登山ガイドマップには記載されていない・・道なき道を・・・・“羅針盤”を唯一の頼りに・・一歩ずつ・・下を向いて・・黙々と歩いていたら・・知らないうちに・・「富士山」は、はるか下に見え・・どうやら・・「エベレストの頂上が直ぐ近くに見える所」まで・・登ってきたみたいです。

今だから言えますが・・

いつまでも・・「プラークを治せない道」・「コレステロール低下薬を何年も飲みながら、脳梗塞や心筋梗塞を予防できない道」・「LDLが高いからと、魔女狩りみたいな保健指導の道」・「この食品には@@が入っているから体にいい」・そんな危険極まりない道を・・正しい登山道だと・・信じて・・信じさせて・・いいのでしょうか?

きっと・・登山ガイドの人たちも・・目を覚ましていただけるだろうと・・証拠になるか、ならないか、わからない写真を毎日撮り続け・・その1枚1枚に心血を注ぎ・・・・食品の種類とその摂取量を細かく調査・分析し・・長い年月をかけて・・写真を撮り続けてきました。

普通の人が・・普通に眺めれば・・こんな診療スタイルは・・目先の利益を生まない基礎研究と同じで・・ “@@オタク”にしか見えなかったに違いありません。

コロナ感染症で、暗いニュースが多い中・・・私の書籍やホームページの記事が・・動脈硬化(動脈硬化の未来塾 7))でお悩みの全ての方へ・・元気が出る・・“希望の光”・・になれるという域に達し、暗い・・長いトンネルが・・やっと開通しました。 もう・・ほぼ・・仏教用語でいう“安心(あんじん)”です。

ちなみに今回は 動脈硬化の未来塾108回目です。除夜の鐘のなる回数と同じである事に、書き終えて、ふと気付きました。様々な身体の悩み(煩悩?)が解決したかのような感覚を覚えます。108回・・何かの縁かもしれません。

思えば、昨年の2019年4月6日は京都の東寺にいました。年に何度も、薬壷を持たない薬師寺如来像を拝観しているのですが・・昨年までは“不二桜”と命名された八重の枝垂れ桜に気付きませんでした。そして、仏教での“不二(ふに)“という意味を、本日初めて知りました。

免疫細胞群は“薬師如来”そのものであると解釈(動脈硬化の未来塾 100))している私にとって、“不二”はまさにその有様を表している、知りたかった言葉なのでした。

重ねて“縁”を感じます。

(2019年4月6日撮影 “不二桜“と五重塔 撮影:真島康雄)

2020年4月6日記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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