脳梗塞・心筋梗塞の予防法

加齢黄斑変性の治療法。頸動脈プラークを改善させて加齢黄斑変性の症状を治せた3症例

加齢黄斑変性とは?・・欧米では成人の失明原因の第1位で珍しくない。
日本でも近年著しく増加し、成人の失明原因の第4位。50歳以上の約1%にみられる(以上:日本眼科学会)。治療法:今のところ確実に改善させる治療法は無いに等しい。

血管エコー(頸動脈エコー、他)を駆使した、脳梗塞・心筋梗塞予防の為の動脈硬化改善・治療(当院プログラム)での、“おまけ”として加齢黄斑変性の内科的な治療に成功しました。経過を追えた3例の全例で症状を著しく改善させることができました。

症例1:75歳の男性で、
2006年8月、めまい&吐き気で入院し、メニエル症候群といわれている。
(実は脳梗塞の前兆症状であった可能性が大きい)

2008年8月中旬、“右目中心部の黒点&ぼけ”、で眼科受診し加齢黄斑と診断。
“左目もいずれ悪化して失明に至る”と説明受ける。

2008年8月下旬、当院初診。
初診時、S-max=1.9mm A-max=2.8mm F-max=3.5mm C-max=2.5 mm
今にも脳梗塞がおこりそうな脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(最悪レベル)でした。

この段階で、当院の動脈硬化改善(治療)プログラムを開始
観察ポイントの頸動脈エコー所見はプラーク=2.2mmの肥厚でした。

初診時の頸動脈のプラーク観察点 プラーク=2.2mm から・・

4年後には・・プラーク=1.6mm に減少(改善)しています。つまり、動脈硬化を改善、治せているのです。

眼の症状も、
1年後に右目の中心部のボケがやや改善し、

1年3ヶ月後には、中心部視力が改善し、遠近感も回復しました。

2年2ヶ月後には、右目の黒点を通して、その後がぼんやりと見えるようになり、

2年6ヶ月後には、黒点が消失し、左目の視力も回復。

4年後には、黒点が完全に消失し、やや霞が残る程度までになる。

症例のまとめ

1)LDLを下げないで、頸動脈のプラーク(動脈硬化)を低下(改善)させ、2年6ヶ月後に加齢黄斑変性の黒点を消失させる治療に成功しました。

2)右目の加齢黄斑変性を指摘された際に、左目もいずれ悪くなる・・と説明されたが、左目の視力も改善、回復したのです。

症例2:75歳の女性で、
1997年〜糖尿病あり。
2003年9月に左目の加齢黄斑変性を指摘され、眼科通院開始。

2007年8月からLDL=178 TB=234 HDL=54 A1c=5.7でしたので、コレステロール合成阻害薬(ストロング・スタチン系)&EPA製剤を服用開始

2009年7月、全身の血管エコーを行い S-max=4.5mm F-max=5.6mm C-max=3.1mm T-max=18.6mm と、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 で、その程度は「いつ脳梗塞になっても不思議ではないレベル」です。A1c=5.8。

加齢黄斑変性の眼底所見は次第に悪化し、今までで最悪の状態にまで進行。
LDLを下げる2年間の治療の効果はありませんでした。

この段階で、当院の動脈硬化改善(治療)プログラムを開始
観察ポイントの頸動脈はプラーク=2.5mmの肥厚でした。

2010年5月(10ヶ月後)“黄斑部浮腫”は変化無し。“縦線のゆがみ”も同じ。
観察ポイントの頸動脈はプラーク=2.4mmにやや減少。A1c=7.1(上昇)

2010年10月(1年3ヶ月後)には“黄斑部浮腫”はやや改善し。“縦線のゆがみ”もやや改善し、視力もやや改善。A1c=7.0(上昇のまま)。

2011年10月(2年3ヶ月後)の眼科受診では“黄斑部浮腫”はかなり改善し。“縦線のゆがみ”もかなり改善し、視力もかなり改善。A1c=6.9(上昇のまま)。

2011年11月(2年4ヶ月後)の
観察ポイントの頸動脈プラーク=2.2mm と明らかに改善(動脈硬化が改善)。A1c=7.1(上昇のまま)。

頸動脈のプラークが改善するにつれて、視力が改善していきました。

症例のまとめ

1)LDLをスタチン薬などで2年間も下げ続けたのに、加齢黄斑変性の浮腫の状態&症状(縦線のゆがみ)は悪化し続けた。

2)当院の動脈硬化治療プログラムで1年3ヶ月後には頸動脈のプラークが改善し、同時に加齢黄斑変性の眼底の浮腫と症状がかなり改善した。

3)頸動脈が改善し、加齢黄斑変性が改善するにつれて、A1cは上昇しました。
(だから、A1cを低下させて糖尿病の合併症を根本的には防げるか疑問)

症例3:74歳の男性で、
2008年8月〜橋や金網が歪んで見える症状が出現

2009年4月 当院初診
初診時、血管エコーで S-max=3.3mm F-max=1.8mm A-max=5.0mm C-max=2.3mm T-max=12.4mm この方も脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4
つまり、脳梗塞などの直前の方です。

この段階で、当院の動脈硬化改善(治療)プログラムを開始
観察ポイントの頸動脈はプラーク=2.3mmでした。

2010年2月(治療開始から10ヶ月後)には、橋や金網の視界での“ゆがみ”が改善。

2010年7月(治療開始から1年3ヶ月後)には、橋や金網の視界での“ゆがみ”症状が消失しました。
観察ポイントの頸動脈はプラーク=2.0mmと改善。

症例のまとめ

1)LDLを薬で低下させることなく、頸動脈のプラークを改善(動脈硬化を改善)できました。

2)動脈硬化改善プログラム開始から、1年3ヶ月後には加齢黄斑変性の症状が治りました。

表に、自験例の加齢黄斑変性の8ヶ所の血管エコーの所見を示します。

{加齢黄斑変性のまとめ}

1)動脈硬化(プラーク)改善を目指してきた2012年9月までの5年半の診療で、思いもかけず、不治の病と言われている加齢黄斑変性が簡単に治る病気であることに気付きました。

2)今までに8例の加齢黄斑変性を経験しましたが、驚くことに8例の全例が脳梗塞・心筋梗塞のリスクレベル=4 (参照1)、でした。
加齢黄斑変性は、疫学調査結果を引用するまでもなく、間違いなく脳梗塞の直前状態です(参照2)し、大腸癌(参照3)・前立腺癌のハイリスク群なのです。

3)血管プラークの治療を行い、経過を追えた加齢黄斑変性の3例の全例で、不思議なことに、治療開始から1年3ヶ月目には症状がかなり軽快、あるいは消失し、加齢黄斑変性は内科的に容易に治せる病気であることを確信しました。

4)加齢黄斑変性の新生血管は、本人の食習慣が悪いために、眼動脈が脂汚れして流れが悪くなり、仕方なく身体が自然治癒力を働かせ、新たに突貫工事をして作っている新しい血管なのです。つまり、眼動脈のプラークを減らして流れを良くすれば、新生血管は“要無し”になり退化するはずですし、血行不良による黄斑部の浮腫も治るはずです。

5)動脈硬化を治せる当院の動脈硬化治療プログラムは動脈硬化に起因するあらゆる病気(参照4)を治せる(参照5)・予防できる可能性があります。

{加齢黄斑変性の予防法}

動脈硬化が改善(血管プラークの減少)した症例は、2012年9月までで166名になりましたが、今回の症例はその内の3名に過ぎません。まだ加齢黄斑変性になっていない163人の中からたとえ動脈硬化が進んでいたとしても、加齢黄斑変性になる人が出てくることは、科学的に有り得ない話です。
血管プラークを減少させることこそが加齢黄斑変性の完全な予防法なのです。

{注意点}

1)加齢黄斑変性の人は、眼だけを気にしてはいけません。
2)糖尿病に合併した加齢黄斑変性では、A1cを下げても改善は望めません。
3)サプリメントに頼ったり、LDL・A1cを下げても治すのは無理です。
4)動脈硬化に起因する加齢黄斑変性を治すには、科学的な作戦が必要です。
5)レーザー治療すると視力が逆に低下する場合もあります。

動脈硬化治療プログラムは当院独自開発のテーラーメイドのプログラムなので、残念ながら、まだ現代の教科書には記載してありません。

遠方からでもなるべく早くご相談を

「脳梗塞・心筋梗塞の予防法」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ