脳梗塞・心筋梗塞の予防法

当院における久しぶりの受診(7年以上)の症例、血管プラークは? -その1

はじめに
ガンの研究では、ガンの早期発見早期治療のために、ガンの自然史に関する研究は数多く存在しますが、動脈硬化のプラークの自然史に関する研究・報告は皆無です。

今回は、8カ所の血管エコーを受けて、9年以上経過後に再受診された方の血管プラークの変化をご報告いたします。
動脈のプラーク、その自然経過を知ることは、動脈硬化(プラーク)の早期発見・早期治療のためには、必ず知っておきたい情報です。

プラーク治療に携わるDrや医療関係者、および一般の方の健康に対する危機管理向上のための、事実確認の資料として、実例を公開いたします。

「今回の掲載に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

 

『症例1. 提示』

症例1 51歳男性・・・脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=1 (0〜4)でした。
11年後はどうなったでしょう。

2009年11月診察時点の食習慣、他:
食習慣点数=204点 甘いもの=嫌い、肉=好き、野菜=好き、魚=好き、揚げ物=大好き、酒類=好き
BMI=22.3 父:70歳で脳梗塞 母:76歳で脳梗塞

コメント:
○11年前の各動脈のチェックポイントのIMT(mm)はほとんど変化なく、左内頚動脈の前壁のみが急激にプラーク肥厚。

○11年ぶりに受診された時はLDL=112 と、11年前のLDL=162から低下していました。
おそらく、健診での評価は:『問題なし』 と言われ、安心されていたはずです。

教訓:
○生活習慣によっては、急激に想定以外の場所のプラークが悪化することがある。
このことは、すでに他の記事でも掲載済み。(動脈硬化の未来塾-94))

○LDLが下がって、安心し、喜んで、血管エコーの定期検査を疎かにしてはいけない。

○「脂質の摂取過多や飲酒過多はプラークを悪化させる」と、理解していても・・・

脳梗塞リスクレベル1であっても、油断して11年も経過すれば脳梗塞リスクレベル=4(0〜4)に

『症例2. 提示』

症例2 56歳男性・・・脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=0(0〜4)でした。

10年後はどうなったでしょう。

2011年6月 初診時点の食習慣、他:
食習慣点数=940点 甘いもの=嫌い、肉=大好き、野菜=嫌い、魚=嫌い、揚げ物=大好き、酒類=普段は飲まない
BMI=25.6 父:60代に冠動脈閉塞で心不全に 

コメント:観察部のみのプラーク肥厚。

教訓:
○「脂質の摂取過多や飲酒過多はプラークを悪化させる」と、理解していても・・・
脳梗塞リスクレベル=0 でも、10年もすれば脳梗塞リスクレベル=2(0〜4)に。

『症例3. 提示』

症例3 46歳女性・・・脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=1(0〜4)でした。
9年6ヶ月後はどうなったでしょう。

20014年8月 初診時点の食習慣、他:
食習慣点数=248点 甘いもの=嫌い、肉=普通、野菜=好き、魚=好き、揚げ物=普通、酒類=大大好き
BMI=25.1 母:78歳で脳梗塞

コメント:
○9年6ヶ月で、おそらくIMT=<1.00mmだったと思われる部位のIMTが3.36mmと激しく肥厚。

○この症例は、9年6ヶ月の間、LDL=94→-------→125と正常域でした。

教訓:

○「脂質の摂取過多や飲酒過多はプラークを悪化させる」と、理解していても・・・
「LDLが低くても・正常でも、生活習慣でプラークは悪化する」と、理解していても・・・

○脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=1 でも、9年6ヶ月もすれば脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(0〜4)に

ですから・・・
○「LDLが正常域なら、プラークは悪化しない」と、理解している場合は、もっと悲惨な結果だったのでしょう。

○「LDLを薬やサプリで下げれば、プラークは悪化しない」と、理解している人は極めて危険です。
(動脈硬化の未来祝 68)) (動脈硬化の未来祝 52))

『今回の3症例の血管プラークやLDL、L/H非の変化』

Case No Age Sex 頸動脈以外の
動脈の観察(IMT)
(前mm→後mm)
頸動脈の観察(IMT)
(前mm→後mm)
想定外の部位のプラーク増 LDLの変化 L/H比の変化
1 51 M RSA(1.4→1.39)
RFA(1.1→0.98)
LFA(1.6→1.34)
Ao,(2.0→1.96)
RCA(1.1→0.86)
RCCA(0.5→0.46)
LCA(1.1→0.72)
LCCA(0.6→0.64)
LCA
(?→5.35)
162
→113
3.1
→2.3
2 56 M RSA(1.00→1.00)
RFA(1.07→068)
LFA(0.67→0.66)
Ao,(1.32→1.84)
RCA(1.23→1.84)
RCCA(0.73→0.56)
LCA(1.21→1.39)
LCCA(0.56→0.81)
  84
→----
----
3 46 F RSA(1.43→2.53)
RFA(0.56→056)
LFA(0.67→0.55)
Ao,(1.17→1.12)
RCA(061→1.38)
RCCA(0.61→0.62)
LCA(0.92→?)
LCCA(0.51→0.51)
LCA
(?→3.36)
94
→124
0.9
→1.2

Age=観察前の年齢、RSA=右鎖骨下動脈、RFA=右大腿動脈、LFA=左大腿動脈、Ao=腹部大動脈、
RCA=右頸動脈分岐部(内頸、外頸動脈を含む )RCCA=右総頸動脈、IMT=内膜・中膜肥厚の厚さ
LCA=左頸動脈分岐部(内頸、外頸動脈を含む )LCCA=左総頸動脈、
(備考:一般的にIMT≧1.00mmの場合、プラークmm という表現が用いられる。)

***** つぶやき ******
『視覚的な動脈硬化の診断が必要』

○町中のいたるところに監視?カメラがあり、カメラによる自動運転の車が実用化されつつある現在・・・、

どうして自分の動脈内を定期的に観察することもなく、LDLの数値や血圧や体重やA1cなどを羅針盤にして、どうして不安なく生きていられるのでしょう?

○サプリでLDLが下がって安心したり、薬でLDLが下がって安心したり、どうしてそんなに・・・血管の中を確認もしないで・・信じていられるのでしょう。

先生がおっしゃるからでしょうか?

○胃の調子がいい・・便通がいい・・だけで、胃カメラや大腸内視鏡「視覚診断」を受けないでいると・・大腸ガンのステージ3〜4で発見されることが多く、非常に危険であることは、皆様の周りで経験済みのはずです。

『脳梗塞・心筋梗塞の単純な理由』

○人間は、その動脈の内膜・中膜の部分に脂肪がたまり、プラークとして動脈血流を減少させ、進行すれば動脈血流が遮断されます。

○脳動脈の血流が低下すれば、不眠や認知症などを生じやすくなり、心臓の冠動脈の血流が低下すれば狭心症や不整脈などへ。(動脈硬化の未来祝 7))

○冠動脈の血流が遮断されれば、突然死や心筋梗塞、その後には不自由人生となる心不全状態が待ち構えています。

『医学ではなく物の道理です』

○薬を飲んでいない状態で、LDLが低くても、LDLが高くても、動脈内のプラークの程度はほぼ同じです。
(動脈硬化の未来祝 153))

○プラークを減らせば、血圧は下がりますが、薬で血圧を下げてもプラークは減りません。
つまり、プラークが溜まるから高血圧になるのです。
(高血圧が原因で動脈硬化になる・・ではありません)
(動脈硬化の未来祝 2))

○つまり、薬で高血圧を治療しても、プラークは減りません。増える一方です。
(血管を流れる成分はそのままで、血圧(水圧)を下げてもプラークが減る道理はありません)

『目覚めましょう』

2004年以前の論文やガイドラインを、いつまでも信じ過ぎるのは止めましょう。

数日前、クリニックを開業して13年目の59歳の医師が、突然・・心筋梗塞で永眠されました・・・
昔、10年間も一緒に仕事していた非常に優しい後輩Drでしたので、非常に悔やまれます。

この記事を閲覧できた方が、責任ある身体になったなら、多額の『生命保険』に加入して安心するのではなく、せめて頸動脈エコー、できれば『8カ所の血管エコー』を受けて脳・心血管系の危機管理をされることを強く推奨いたします。

胃ガン・大腸ガンで死なないためには、定期的な胃内視鏡や大腸内視鏡を受ける必要があります。

脳梗塞・心筋梗塞で死なないためには、定期的な血管エコーを受け、RAP食を理解する必要があります。

<--レオナルド・ダ・ヴィンチ-->

“ ちっぽけな確実さは、大きな嘘に勝る ”

“ 視覚は数学の様々な部門を支配する。視覚による知識は最も確実なものだ ”

2024年6月30日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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