脳梗塞・心筋梗塞の予防法

血管プラークが減ったら血圧が低下!血圧薬が減!・人は食物で若返る!

高血圧は脳梗塞・心筋梗塞(結果)の最大の危険因子でしょうか??
危険因子というと原因の一つと錯覚しがちですが、
脳梗塞・心筋梗塞の原因(動脈硬化)の一つの結果なのです。・・・何だか判りにくいですね・・・・。

「高血圧は脳梗塞・心筋梗塞の大きな危険信号なのです」・・これが判りやすい。

脳梗塞・心筋梗塞を列車に例えると、
高血圧になったということは、線路の踏切で警報機が鳴っているようなもので、警報機の音を小さくしても、止めても列車は来るので危険なのです。高血圧にならないで脳梗塞・心筋梗塞になる方も多くいらっしゃいますが、警報機なしの踏切を渡っているようなものです。
高血圧症を薬で治療することは、警報機の音を小さくするだけで,脳出血列車は遠ざけても、脳梗塞列車を遠ざける力は極めて小さいと言わざるをえません。

糖尿病・痛風・肥満・高脂血症なども踏切の警報機とお考え下さい。
ただし、警報機が鳴らない踏切の方が多いのです。

参考までに*******
第70回米国糖尿病学会(ADA 2010) 2010. 6. 25〜29
〜ACCORD試験の5年成績〜

結果:
「血糖・血圧・脂質のいずれの厳格管理も心血管イベントを減少させなかった」
(ACCORD試験:高リスク2型糖尿病患者に対する血糖・血圧・脂質の厳格管理(主に薬で)が心血管イベントを減少させるかどうかを明らかにするため、米国心肺血液研究所(NHLBI)の主導で実施された大規模臨床試験。)

糖尿病・循環器・脂質 これらの専門家をがっかりさせる結果ですが、プラークを毎日見ている立場からは納得できる結果です。

やはり、A1c・高血圧・LDLなどを管理するよりプラークを管理しなくてはいけません!!

そのためにはプラークの程度を定量評価しなければならないのです。

列車を踏み切りに近づかせる最も大きな力は日頃の食習慣であることは今までの記事でお示し致しました。

列車から踏切までの距離を調べる・・それが8カ所の血管エコーなのです。

今回は、高血圧とプラークとの関係を、過去の記録を辿れる方の例を引き合いにお話し致します。画像と採血データを正確に記録して初めて明らかになる真実です。

初めの図は、71歳の男性で元社長職にあり洋風の食生活で.外食も多い方です。肥満も糖尿病もありません。むしろ痩せ型の方です。

血管エコーでご覧のようにS-max=4.0mm, F-max=3.2mm, C-max=2.5mmと脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 でした(前項参照下さい)。

2番目の図は、同じ方の経過を追ったエコー図です。
初診時にプラーク肥厚が著しいので、食事指導&血液サラサラ薬+脂質改善剤を2ヶ月服用するも副作用のために脂質改善剤を中止し、以降は食事指導&血液サラサラ薬のみで経過を追いました。

柔らかいプラークのS-max=4.0mmを定点測定で経過観察したところ、6ヶ月頃よりプラーク肥厚の改善がみられ、11ヶ月目にはS-max=3.4mmと明らかにプラークが退縮しました。同時に血圧も安定し血圧薬の減量が必要になりました。

この方は、リウマチ性筋痛症にて、3年前からステロイドホルモン(プレドニン3mg/日)を服用中ですが、このようなプラーク改善に向けてのハンディがあるにもかかわらず、プラークは食習慣を“がらり”と変えることで改善したのです。・・努力は報われる・・

糖尿病などのハンディがあってもプラークは改善すると思われますので、糖尿病の方もA1cの値に一喜一憂することなく、カロリーは2の次にして、質(前項で説明)を考えた食習慣の改善を継続していただきたいと願います。

糖尿病の専門医ではないので発想が変に思われるかもしれませんが、脂質がほとんど無いに等しい“ご飯”を制限しても最も怖い合併症の軽減にはつながらないと思います。血管にプラークが溜まらないようにするためには、脂質や糖分を少なくし、劣化した脂質を摂取しないように心がけましょう。

2011年1月のテレビ:“ためしてガッテン”では
HDLが高い人(90mg以上)は安心? と受け取れる話、 とか
HDLはプラークを減らしてくれる?・・・・と述べられていますが、
HDLが高い人が安全!と思い込む「安全神話」は非常に危険です。

実際、この方はプラークが減ったにもかかわらず、HDLは逆に低下しているのです。

前ページの55歳でプラークが退縮した方もHDLが上昇したわけではありません。 ・・・・簡単に“ガッテン“してはいけません。・・
わたしはマクロファージさんの貪食(掃除)の御陰と思っていますが、・・まだまだこの分野は判らないことだらけなのです。

なぜなら、正確にプラークの量を測定できる方法が今まで無かったからです。

ちなみに、私の症例ですが、HDLが90以上でも25名の方が脳梗塞・心筋梗塞リスクレベルが3以上でした。・・やっぱり少なくとも血管8カ所を見ないといけません。・・・

同じ方の高血圧が悪化していく様を本人の確かな診療記録から、図のような約20年の経過が明らかになりました。
食習慣が根本原因で、結果として高血圧の発症、そして悪化し血圧薬が増えていく様子がプラークの肥厚の程度(世代ごとのプラークから推定可能)と共に容易に見て取れます。

このような現象を動脈硬化の専門医は、“原因は高血圧だ!”となったかも知れませんね・・・、このように時間軸で考えながら、プラークの存在を3次元的に考慮すれば“根本原因はやはり食習慣”なのです。

動脈の先端が細くなれば、組織に一定量の血液を送り出すために、当然ながら心臓さんは心ならずも強い力を出して血圧を高めなければなりません。

「血圧の薬は一度飲み出すと一生飲み続ける必要がある」・・これは過去のことであって、これからは食習慣を真面目に改善させようとする人だけですが・・・
「プラークが改善すれば、血圧薬を中止できるでしょう」になるでしょう。
プラークが改善することは明らかですから・・・

高血圧で塩分を制限するのは対症療法です。
高血圧で劣化(酸化)した脂質や糖分を制限することが根本治療。

現代医学ではまだこのようには指導されていないのが現状なのです。

**東北の○○県は脳梗塞の罹患率が全国トップクラスですが、犯人は塩分過多ではなく、糖分過多・脂質過多ではないかと・・テレビの「秘密のケンミンSHOW」を観ていて感じるのですが・・・「塩分制限の指導・血圧測定・適度な運動・肥満症をいくら徹底させても脳梗塞は防げません!よ〜」と○○県の健康推進課に向かってつぶやいています***

皆さんいかがですか?・・、この方を含む多くの人達の御陰なのですが・・

「健康・不健康は偶然ではなく、遺伝でもなく、必然の結果なのだ」と・・理解できて、頭の中が“スッキリして、希望が出てきた・・・!”と喜ばれたことでしょう・・実は私もその喜んでいる一人なのです。

「新しい知識と意欲があれば、簡単に若返ることができる!」のです。

この元社長職の方ですが、自らの長年の診療歴と画像&データをこのHPで公開することに、「世の中のためになれば喜んで・・・」と快く承諾いただきました。

追記(2014年7月6日):この症例のその後です。

2012年にプラークが悪化した時期もありましたが、健康のために毎日続けていたOOの摂取をやめていただき、乳酸菌製剤&エビオス錠&豆乳ヨーグルトの毎日摂取以降はさらにプラークが良好に改善中。

2012年9月には「閉塞性動脈硬化症」による下肢の冷感(夏でも靴下を2枚はいて就寝)はほとんど消失。

エパデールに中性脂肪などのコレステロール低下作用を求めてはいけません。脳梗塞・心筋梗塞・認知症・閉塞性動脈硬化症などの予防・治療に抗血小板剤は必要な薬剤ですが、エパデールは最も副作用が少ない安全性が高い抗血小板剤(血液サラサラ効果の薬)なのです。 プラーク堆積が高度の場合は、エパデール+他の抗血小板剤の併用あるいは、他の抗血小板剤への変更が必要です。

エパデールを病院から処方いただいても、私の推奨する食事療法をお守り下さい。 しかし、一部のベストセラー書籍にエパデールがあまり役立たない"お薬"かのような記述が見られますが、その部分は信じてはいけません。エパデールに抗血小板効果(血液サラサラ効果)があり、副作用が非常に少ないのは明白な事実ですから。

結果:
1)3年半で右鎖骨下動脈のプラーク(IMT)が4.0mmから1.99mmへプラークが退縮(減少)。
2)3年半で血圧薬が3種類から1種類へ血圧薬が減少。
3)2年弱で下肢の冷え性がほとんど解消。肩こり・頭痛は1年程度で消失。
4)プラークが改善中にもかかわらず、HDLは低下、LDLは上昇傾向・・つまり・・
       ・・LDL、 HDL は・・・この症例でも動脈硬化の指標にならない・・・・・
5)スタチン製剤を服用させることなく、プラークを非常に良好に改善・治療できた。

要約:
1) プラークが退縮するにつれて、血圧が低下して、降圧剤(血圧を下げる薬)が減量になった
2) プラークが進行していたと考えられる時期は、血圧が高くなり、降圧剤の増量が必要であった
つまり・高血圧は動脈硬化(プラーク堆積)の結果であった。(人での実例での証明は初かも)・・

ポイント:
1)決して「高血圧」を放っていて・・はいけません。プラークが溜まってきている"サイン"と考えましょう!!・・・身体が・・・たすけてー!、目を覚ませー!・・と言っているのです。
(なお、高血圧にならなくても、プラークがたくさん溜まっていることも多いのでご注意を!)
2)動脈硬化の主な原因は、アルコールの多飲と油・脂・砂糖なのです。決して塩分ではない。
3)メタボ健診では、プラーク病(血管病)である認知症・脳梗塞・心筋梗塞・・・などの恐ろしい病気を決して予防できません。
4)流行の糖質制限食はとても危険です。肥満解消が望みならば、私の食事療法は痩せすぎて困るほどですから是非お試し下さい。
5)正しく反省し、正しく努力すれば血圧薬(降圧剤)は減らせるし、降圧剤にお世話にならなくて済む身体に回復できる。
6)このサイトを参考にされて、自分自身や両親、子供、孫など大切な人お守り下さい。
各種のメディアで色々なアドバイスがありますが・・・
あなたや家族の未来を"血管病"から本当に救えるのは、このサイトだけかもしれません。

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