脳梗塞・心筋梗塞の予防法

低脂質食を基本とするライフスタイルの変更は、正常細胞を若返らせる可能性がある-米国のOrnish ら、誌上で発表- その3

Ornish教授の“ライフスタイル変更”の最も基本的な部分は低脂質食です。
スタチンも使用しませんから、・・・本質的にはRAP食と同様です。

ですから、
Ornish医師のライフスタイルの変更による数々の業績や新発見は、
RAP食の健康に対する有益性を証明していると言っても過言ではありません。

Ornish式食事療法(単純な脂質制限とプラントベースで加工食品を控えた食習慣、小魚容認)では81.8%の方のプラークは改善しますが、

18.2%の方は冠動脈狭窄が悪化(プラークが悪化)します(動脈硬化の未来塾 160))

この悪化の原因を突き止められれば、プラーク改善が遅い人の改善スピードを格段に速くすることができると考えられます。

RAP食の研究の目的・目標は
プラントベースの低脂質食でプラークが悪化するという残念な部分の“不思議”を解明し、努力が報われなかった18.2%の人を0%にしたい。

つまり
日本人に馴染みやすい食事で、
プラーク改善率を100%に近づけるための研究です。
(動脈硬化の未来塾 148))

Ornish医師が気付けていない“何か”が必ず存在するはずだ、との思いで、1/100mmの精度でプラーク増減の観察を行い、RAP食を進化させているところです。

(Ornish医師は現状の結果で満足?あるいは「遵守率の問題」と理解されているかもしれませんが、私の長年の経験から、“健康に悪い”と気付けていない因子など、別に原因があるはずだと考えて研究中。)

そのために、RAP食の指導内容が、およそ半年で変化し・進化していることをご理解ください。

Ornish 式の、低脂質食を基本とするライフスタイル変更で、細胞が若返る。

にわかには信じ難いかもしれませんが、世の中には老けて見える人や、若々しく見える方が実際に存在します。

その理由の一つ(若返る方法)を科学的に証明したのもOrnish Drです。

テロメアに関しては、Ornish 氏の講演口述内容『---』をGoogle 翻訳で掲載します。

Ornish 氏の講演口述:
『テロメアは
染色体の末端にあり、“靴ひも”がほどけないように“靴ひも”の端についているプラススチックの先端に例えられることもありますが、実際にはDNAがほどけないようにする役割を担っています。時間の経過とともにDNAが複製されるにつれてテロメアは短くなり、テロメアが短くなると寿命が短くなり、これらすべての慢性疾患による早死のリスクが比例して増加します。それに比例して、わずか3か月で、同じライフスタイルの変化によってテロメアを修復して長くする酵素であるテロメラーゼが実際に増加する可能性があることを初めて発見しました。(以下スライド)』

2008年に発表されたこの論文(Lancet Oncol. 2008 Nov,9(11):1048-57)は、細胞の老化を制御する染色体の末端にあるテロメアを発見してノーベル賞を受賞したElizabeth H Blackburnとの共同研究

そして、5年後・・(Ornish D et al. Lancet Oncol. 2013 Oct; 14(11):1112-20 )を発表 (以下パネル)。

Ornish 氏の講演口述:
『5年間で、私たちは初めて、テロメアを実際に長くすることができることを発見しました。』

備考:
高脂質食やジャンクフードなどの加工食品などがテロメアを縮めることは知られているが、どうしたら長くなるのか、ヒトの何かの行動で、実際にヒトのテロメアを長くすることに成功したとする論文は今まで見当たらない。

(テロメアに関しては、わかりやすく説明している下記のサイトへ)
時間栄養学の総決算!寿命のカギを握る「テロメア」を長持ち ...

<The Lancet 編集者は、この画期的な論文を受けて、>

“Ornish 式ライフスタイルの変更が、細胞レベルで老化を逆転させる可能性があることを示す初めての研究であり、非常に価値のある発見だと評価して、プレスリリースを世界中に発信。

糖尿病に関しては、Ornish教授はユーチューブでの講演で以下『・・』を述べています。

『糖尿病の合併症は非常にひどいものです。心臓発作、脳卒中、切断、失明、腎不全などです。
しかし、食事と生活習慣で血糖値を下げれば、これらの合併症をすべて予防でき、人的コストと経済的コストの両方を回避できます。』

そして、以下の論文を紹介されています。

<糖尿病予防に関する:ランダム化比較試験の論文紹介>
Diabetes Prevention Program Research Group, Engl J Med. 2002 Feb 7;346(6):393-403.

対象:糖尿病の境界型(いわゆる糖尿病予備軍)3,234人の非糖尿病患者。

方法:無作為に以下の3群に振り分けられた。

1)集中的なライフスタイル介入群
2)メトホルミン群(1日1回の経口投与で 850mg の用量から開始)
3)プラセボ群(メトホルミンの偽薬の服用)

ライフスタイル介入群は以下の目標を設定した
・健康的な低カロリー、低脂肪の食事を通じて、最初の体重の少なくとも7パーセントの減量を達成して維持することと、(糖質制限ではありません)
・早歩きなどの中程度の強度の身体活動を週に少なくとも 150分行うこと。

結果;(以下スライド)
ランダム化比較試験において、ライフスタイルの変更は糖尿病の予防に関して、メトホルミン(薬)よりも有益であることが証明された。

・・・・感想・・・・

低脂肪(脂質)の食事が・・昭和30年頃の日本人の平均的な脂質摂取量の食事が・・

○“糖尿病予防(治療)の基本”であり、
○“ガンの予防・治療の基本” であり、
○“ガンの自然寛解の基本”であり、
○“プラーク改善の基本であり、
○“高血圧症の予防・治療の基本” であり、
○“突然死の予防・治療の基本” であり、
○“心筋梗塞の予防・治療・再発予防の基本” であり、
○“脳梗塞予防・治療・再発予防の基本” であり、
○“アンチエイジングの基本”であり、
○“認知症の予防・治療の基本”である・・・次回掲載

ことが、 科学的な検証によって確認できたかと思います。

つまり、仮説(動脈硬化の未来塾 7))は合理的だと考えます。

いずれも、この基本行動は無料ですし、Drに許可をいただくべき行動でもありません。

<糖尿病予備軍と言われている方・・・>
私の見解ですが、
“白ごはんを減らしなさい” と指導受けても、すぐに減らさないで、まずは脂質摂取を1日22〜25gまでに、今日から減らしてはどうでしょう。脂質1g= 9kcal 糖質1g= 4kcal

具体的な食生活の行動(RAP食)は、私の書籍「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧の原因は油」をご購読ください。図書館で初版本を読むことはせずに最新刷をお読みください。

糖質制限の食事が流行っているのが・・本当に不思議です。

2024年11月7日
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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