脳梗塞・心筋梗塞の予防法

40代まで外食だけの人、血管プラークが危険域では? RAP食なら救われます

40代まで、好きな物・美味しい物を外食で食べ、外食に依存している男性の皆様、そのすぐ先には危険な罠が待ち構えているかもしれません。

今回、20代からほとんどの食事を外食に頼って生活してきた、48歳の男性の血管を提示します。

現状の人間ドックや健康診断結果を信用すべきではありません。
血管プラークに関する標準医療はこの10年で、ほとんど進歩していません。
(理由は当院のウエブサイトを詳しくご覧ください)

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」


『20代から外食のみで生活してきた40代男性の血管プラークとその治療』

Case. 48歳 男性

図1

タバコ:20〜30歳まで1日10本程度。その後禁煙。
<初診時までの経過>
2001年4月 高脂血症指摘あり・・スタチン剤服用開始。
2017年4月 TC=230 LDL=148 TG=182 HDL=53
2017年12月 夜間呼吸困難に。睡眠時パニック障害(発作)+
2018年6月 左頸動脈プラーク1.6mm (Aクリニック)
      強いスタチン剤へ変更:ピタバスタチン(1)1/日へ
2018年7月 LDL 低下にてピタバスタチン(1)1/2日(隔日服用)へ
2018年8月 LDL上昇 & 左頸動脈プラーク2.2mmに肥厚とのことで、
      ピタバスタチン(1)1T/日へ増量し、バイアスピリン(100)1T&
      ランソプラゾール(15)1T開始
2019年2月 脳MRI=異常なし
2019年4月 TC=173 LDL=97 TG=173 HDFGL=46
・・・・・・・・・
2019年5月 当院初診   肩こり(+ )
TC=188 LDL=109 TG=164 HDL=53
体重:62.5Kg BMI=21.8 食習慣点数=491


食習慣:
アーモンド素焼き:毎日1日30粒。豆腐:週に3丁。納豆週に3P。週に3〜4回 サバ、塩サバ、イワシ、サーモン、アジなど。週に2回(コンビニ弁当):脂っこいものが好き。食の好み:甘いもの:好きではない 肉:好き 揚げ物:好きではない 魚:普通 野菜:好き

<2019年5月初診時の血管エコー>
8カ所の血管エコー(血管エコー実例・研究 1))
腹部大動脈IMT=3.53mm((A-max)
右鎖骨下動脈=1.55mm(S-max)
右頸動脈分岐部IMT=1.34mm
左頸動脈分岐部IMT=2.08mm(C-max)
左内頸動脈部IMT=2.07mm
右総頸動脈IMT=0.46mm 左総頸動脈IMT=0.36mm
右大腿動脈IMT=0.61mm 左大腿動脈IMT=0.67mm(F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(0〜4)****** T-max=7.83mm



<初診時の服薬状況>
1)ピタバスタチンCa(1)1,1x (スタチン剤:コレステロール低下薬)
2)バイアスピリン(100)1,1x (血液サラサラ薬:抗血小板剤)
3)ランソプラゾールOD(15)1,1x(胃潰瘍予防剤:バイアスピリンの副作用予防

治療:
最新のRAP食を開始(アーモンド:禁止、他)(血管エコー実例・研究 29))
1)ピタバスタチン&バイアスピリン&ランソプラゾール共に、説明の上、RAP食を守るとの約束の上、本人の同意を得て、中止していただいた。
2)EPA製剤900mgx2(バイアスピリンよりもかなり弱い血液サラサラ薬)-開始
3)ビフィズス菌製剤 2.0g,2x 開始

結果:
4ヶ月で動脈硬化改善(プラーク退縮)

<プラークの経過>

血管の部位 2019/5(max-IMT) 2019/9(max-IMT)
腹部大動脈 3.53 mm 3.17 mm:プラーク改善
左内頸動脈 2.07 mm 1.76 mm:(図1)プラーク改善
左頸動脈分岐部 2.08 mm 1.80 mm(図1)プラーク改善

予定通りにプラークが退縮した。

<症状の変化>

症状 2019/5 2019/9 コメント
肩こり あり なし プラーク減で筋肉の血流改善

考察:
1)病歴中の、2018年6月〜8月までの2ヶ月間に、LDLが上昇してプラークが1.6〜2.2mmへ肥厚することは考えられない。エコーによるプラーク計測の精度に問題がありそうです。従って、2019年5月に当院受診した際の、左頸動脈の分岐部でプラークのIMT(高さ)=2.08mm 左内頸動脈のプラーク=2.07mmでしたから、当院受診までの9ヶ月間にプラークが退縮したとは考えられない。(超音波によるIMTの測定誤差は熟練度で非常に大きく異なることは常識です。なお、通常は同じ術者が経過を見るべきです。)

2)バイアスピリンは有益なお薬ですが、あまり知られていない重篤な副作用も現実に経験されています。(再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少。小腸&大腸潰瘍からの穿孔・・など)
RAP食を守れれば、プラークは高率に退縮します(動脈硬化の未来塾 100))
ので、バイアスピリンをEPA製剤に変更しました。

3)本例の睡眠時パニック障害(発作)もプラークと関係があったものと考えられます。
(動脈硬化の未来塾 92))

4)最近は、男女共に晩婚化が進み、外食にお世話になる機会が格段に増えていると思われますが、独身で過ごす時間が多くなると、脂質リッチな外食に偏り、動脈硬化が進みやすく、40〜50代での突然死・脳梗塞などを招くなど・・社会問題化している事象も・・根本原因は食習慣です。血液中のコレステロールではありません。

5)やっぱりスタチン剤は不要です。LDLが上昇しても・・L/H比が上昇しても・・プラークは退縮しました。(動脈硬化の未来塾 52))

プラークが減れば、LDLの値など問題ではありません。プラークが減っているのを認めても、なおかつLDL上昇を問題にする人がいるならば・・それはスポーツの写真判定にもクレームをつける人に違いありません。
(動脈硬化の未来塾 103))

6)この症例の方の酒類摂取歴はビール換算で1日500cc以下です。
アルコールを多く飲む男性は、この症例よりも5年〜10年早くこのレベルにプラークが堆積するでしょう。その結果、若くして突然死や脳梗塞などを来すことになります。


まとめ:
生命・健康の危機を未然に回避し、健康維持・健やかな余生を送るためには・・速やかな結婚、または、心を入れ替えてのRAP食での自炊をお勧めいたします。


<つぶやき>
健診を行えば・・当院の収益はアップしますが、当院では公費や会社助成のいわゆる成人病健診などを行なっていません。

なぜなら・・
血管を見ないで、「コレステロールは正常です、問題ありません」とか、「血圧も体重も問題ありません。大丈夫です・・・」などの医師の言葉・・

受けた本人は脳梗塞や心筋梗塞のリスクがない健康状態と受け取るでしょう
書籍:「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」参照

血管を見てないのに、そんな説明はできません。・・・すっごい“ストレス”です・・。

目が見えなければ・・踏切も見えませんし、列車も見えません。
目が見えなければ、人の命を安全に誘導できないのです。

皆様におかれましては、今まで受けた健診が、血管の中をリアルに見える健診かどうか?疑うことも必要です。
(血管エコー実例・研究 14)) (血管エコー実例・研究 11)) (動脈硬化の未来塾 18))

動脈硬化の管理を、LDLの値や、コレステロールの値から得られた動脈硬化指数やLDL/HDL比(L/H比)に頼る医療・・甚だ時代遅れでしょう・・と言わざるを得ません。

2020年1月28日記載
真島消化器クリニック
真島康雄


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