脳梗塞・心筋梗塞の予防法

高血圧に、こんな症状プラスで脳梗塞・心筋梗塞のリスクが更に高まる

最近、血圧が高くなってきた・・ということは、男・女の単純な肥満例と女性の自律神経失調症以外は・・血管の脂汚れ(プラーク)がほぼ確実に存在すると思われます。(動脈硬化の未来塾 「56」参照)

今回は、その高血圧に何らかの自覚症状・他覚的所見が加わった場合に、どの程度・・脳梗塞・心筋梗塞に近づくかの検討を行いました。

研究期間:2014年10月から2016年8月15日までの約1年10ヶ月間。

対象と方法:新患の方:連続1347名について・・詳細な問診をして・・・8カ所の血管エコーを行いました。
どのような身体的な“自覚的”“他覚的”異常が・・どの程度(数値で)・・動脈硬化の進行(T-max)と関わりがあるのかを・・科学的に検討しました。参考までに・・C-max(左右の頸動脈の測定可能範囲でのmax-IMT:プラークのmaxの高さ)のデータも併記。

自覚症状としては・・「朝のふらつき」「手足の冷感」「立ちくらみ(頭の上げ下げでのフラー感)」
「胸の圧迫感(違和感)」「頭重感」「日中のめまい」「こむら返り」「いびき」「肩こり」「動悸」「寝汗」を検討。

他覚的所見では・・・「Cr(クレアチニン)異常、男女別」「MRIでの脳白質病変」「糖尿病」「A1c高値(糖尿病なし)」「高血圧」「大腸ポリープ摘出歴」「不整脈」「SAS(睡眠時無呼吸)」「食習慣点数:≧250点」「L/H比:≧2.5」「肥満:BMI≧25」「普通体重」「自覚症状なし」「低体重:BMI<18.5」「LDL≧140」について検討。

下表の見方として・・T-maxの数値が高いほど・・血管内が脂(プラーク)で汚れている(狭くなっている)状態である・・と・・ご理解下さい

ちなみに、2016年9月までに経験した脳梗塞168例・心筋梗塞68例におけるT-max, C-max の平均値を参考にして下さい。

参考データとして
1)T-max=10.3〜10.5 は50%の確率で天国へ昇天するリスクです(男女の平均寿命とT-maxの平均年齢を比較参照)。(T-maxは動脈硬化の未来塾 「58」参照)
2)T-max=10.33mm は、脳梗塞になった人達の平均値です。
4)T-max=11.94mm は、心筋梗塞になった人達の平均値です。

“怖いですねー・・天国へ上る順番は年齢ではなく・・T-maxが高値の順なのです”

(脳梗塞・心筋梗塞のみならず・・成人の“がん”も生活習慣病ですから)

そのようなわけですから・・人類の寿命と直結した“T-max”を上昇させる要因を調べました・・・脳梗塞では、平均T-max=10.33 である事を念頭にデータをお読み下さい。

以下に、高血圧+自・他覚症状の場合のT-max値の上昇(リスクの上昇)を調べました。
(高血圧+自・他覚症状のグループのT-maxが9.00以上のみをリストアップ)

高血圧単独のT-maxの平均値は8.88mm ですが、高血圧に

  • 「手足の冷感」が加わるとT-max=10.17mm,
  • 「糖尿病」が加わるとT-max=10.03mm,
  • 「不整脈」が加わるとT-max=9.96,
  • 「大腸ポリープ切除歴(既往)」が加わるとT-max-9.84mm,
  • 「男性Cr0.90〜0.96」が加わるとT-max=9.70mm,
  • 「A1c(5.6〜5.9)糖尿病なし」が加わると T-max=9.45mm,
  • 「食習慣点数≧250点」が加わるとT-max=9.16mm,
  • 「こむら返り」が加わるとT-max=9.14mm,
  • 「肥満(BMI≧25)」が加わるとT-max=9.07mm,
  • 「SAS:睡眠時無呼吸」が加わると T-max=9.01mm,
  • 「L/H≧2.5」が加わるとT-max=9.00mm へ動脈硬化(プラーク)が進行していることになります。

高血圧だけでも脳梗塞のリスクは高く・・・さらに、上記の自他覚症状が加わると、脳梗塞へのリスクは・・・階段を登るがごとく・・上昇していることになります。
(原因と結果の解釈では・・T-maxが高くなり・・結果として上記の症状が発現・・です)
(注:上記の平均年齢は、年齢補正していません。年齢にかかわらずこのような症状があれば危険が増す・・ではなく・・増している・・と、ご理解下さい。なお、同じ年齢での比較ではありません。)

ただし、高血圧+「LDL≧140」の場合はT-max=8.00±3.09mm(n=64 age:62.7±8.6)
・・つまり高血圧でLDLが高い場合は・・むしろ動脈硬化が進行していない・・でした。

この結果からも・・動脈硬化改善(プラーク退縮)の目的でLDLをスタチン剤で下げる必要性は・・認められません。
和風食で肥満になって、血圧が高くなったり、LDLが上昇しても・・T-max(プラークの総和)は・・・意外に進行していない・・そういう症例を拾い上げているかもしれません。

血圧が高めになってきた人は・・「RAP食」(Google検索を)へ変更して・・血圧が下がる(プラークが退縮している可能性が高い)方向へ努力しましょう。

また、「RAP食」へ変更する前に・・できれば頸動脈プラークを測定いただいて・・プラークが改善するかどうかを経過観察していただいてください。

頸動脈プラークだけでは、正しいリスク判定はできませんが、プラーク改善(退縮)の事実関係は確認可能です。

本態性高血圧は、病院処方のEPA製剤と「RAP食」で基本的に治せる病気です。動脈硬化の未来塾62)

ついでに、慢性の腎障害もEPA製剤と「RAP食」で改善可能です。動脈硬化の未来塾34)

クレストール、リバロなどのスタチン剤はプラークを治すためには全く必要ではありませんし、むしろ逆効果です・・つまり・・高血圧治療にも逆効果であるといえるでしょう。
動脈硬化の未来塾52) 未来塾33) 64)*********

一般的な「コレステロールが高いと動脈硬化が進行する」や「OO油・xx油が健康にいい」等々の科学的事実に立脚しない解説、それに真っ向反対の私の見解(5000例の8カ所の血管エコーデータから)・・そのどちらを信じるかで・・大げさではなく・・運命が分かれます。

動脈硬化を治せない標準医学を信じるか・・動脈硬化を治している(動脈硬化の未来塾 38)私の見解を信じるか・・

皆様方の幸運をお祈りいたします。


2016年12月21日記載
2017年9月4日一部修正

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