脳梗塞・心筋梗塞の予防法

一過性黒内障は治せる病気ですが、動脈プラーク(動脈硬化)を減らせる医療が必要です。

現代医学の動脈硬化に関する常識は、『動脈硬化は治せない、でも食いとどめることはできる』です。

でも未来の話ではなく、現在すでにプラーク(動脈硬化)を減らせる医療は、存在します。

今回、原因不明の一過性黒内障と診断され、治療法がないと診断された「一過性黒内障」の症例を経験し、ほぼ完治し得たと思われる症例を経験したので報告します。

「今回の報告に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

症例:64歳 女性 初診:2023年4月中旬

現病歴:
・今年の冬(2022年12月から)は特に、朝の指のしびれが毎日あり、ひどい時は指先が紫色に変色。
・2023年2月以降も上記症状が継続していた。(閉塞性動脈硬化症)
・2023年2月中旬  LDL=94 TG=64 HDL=96
・2023年 3月@日 21時頃 突然、右目の上半分に黒い幕がかかる(5分で消滅)
  3月@+1日 
4時頃  同じく右目で上記と同じ現象+
  3月@+2日 
9時半頃 同じく右目で視野の9割程度に黒い幕。(消滅に約30分)
            左目に、左上あたりに小さい幕がおり、消滅は夜。
       眼科相談し、脳外科へ受診 脳MRI/心電図:異常なし
        当日よりバイアスピリン(100)1,1x開始
  3月@+3日 眼科で検査 眼底・眼圧:異常なし
  3月@+9日 
7時頃 同じく右目で視野の9割程度に黒い幕(3分程度で消滅)          (バイアスピリン(100)1,1x服用中にも関わらず
  3月@+10日 
22時頃 同じく右目で視野の3割程度に黒い幕(1〜2分程度で消滅)
  
3月@+11日 脳外科 再度MRI:異常なし
  3月@+13日 大学病院に紹介で受診
       
頸動脈エコー・蛍光眼底造影検査等、全て異常なし 原因不明と診断
  
3月@+14日 バイアスピリン(100)1,1x 終了となる

・2023年4月初旬 当院をネットで検索
  4月中旬 当院初診
  
     食習慣点数=156点 LDL=96 TG=62 HDL=74 BMI=20.7

<初診時の8カ所の血管エコー>

8カ所の血管エコー所見:
大学病院の頸動脈エコーでは「異常無し」と判断されていた頸動脈に、マイクロコンベックスのプローブを用いて頸動脈プラーク(IMT=2.57mm)を認めた(通常の頸動脈エコーではやや描出困難)が、その他の部位は特に問題なし。

<治療>
RAP食開始従来の何気ない(実は健康に悪い)食習慣を是正 (血管エコー実例・研究 29))
・イコサペント酸エチル粒状カプセル(600)3,3x開始
・ラックビー微粒N,2g,2x 開始

<結果>

1)初診時の2023年4月中旬から4ヶ月後の頸動脈エコー(図2)では、プラークが2.57→2.35 mmへ退縮。わずかにスライス面が異なるカラー表示のUS像にても、プラークが2.54→2.23 mmへと退縮は明らかであった。

2)初診前は、頻回に一過性黒内障を発症していたが、初診以降、4ヶ月間で一過性黒内障の再発は認めていない。(EPA 1800mg/dは継続中)

<考察>
頸動脈プラークの明らかな退縮を認めているので、初診から4ヶ月で 『動脈硬化を明らかに治せている』 と言えます。

一過性黒内障は、“一過性脳虚血発作”の一つの症状と考えられています。

“一過性脳虚血発作”は動脈硬化(プラーク)の進行が原因で、脳梗塞の前兆症状です。

なので、一般に、バイアスピリンやクロピドグレル、シロスタゾールなどの血液サラサラ薬を処方されることが多く、本人にとっては薬の副作用(実は重篤な副作用もあり)と再発や脳梗塞発症の心配・不安を抱えながらの長い人生となります。

しかし、動脈硬化(プラーク)を退縮(縮小)させる事ができればですが、一過性脳虚血発作の根本的な治療(確実な再発予防)に繋がります。

プラークが減る前提なら、バイアスピリンやクロピドグレルなどの比較的強めのサラサラ薬を中止して、血液サラサラ効果は弱いが、より安全な薬(イコサペント酸エチル:EPA製剤やEPA+DHA製剤)へ変更することが可能ですから、心配・不安から解放された人生を送ることが可能です。

なお、未来の話ではなく、現在すでに衝突しない車が開発されて市販されています。
この車に乗れば、対人対物などの衝突事故が0.06%まで減らせているそうです。(メーカー発表)

未来ではなく、現在、プラークが減らせるなら、血管が詰まる確率も0.06%までに減らせるはずです。

一過性黒内障の他の症例の治療経過詳細に関しては(動脈硬化の未来塾 73)) を参照ください。

<まとめ>

一過性黒内障が頻発する症例に対して
食習慣の是正を行なった上でのRAP食とEPA1800mg/dなどの服用開始&継続にて、
4ヶ月後に明らかな頸動脈プラークの退縮を認め、
4ヶ月間での一過性黒内障の発症も予防できた。

この治療によって、将来の脳梗塞・心筋梗塞や動脈硬化由来の認知症などのリスクが、かなり減少したものと考えられる。

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- レオナルド・ダ・ヴィンチ -
“ 最も高貴な娯楽は、理解する喜びである ”

2023年8月29日記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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