脳梗塞・心筋梗塞の予防法

萎縮型の加齢黄斑変性症が、RAP食による治療によって治癒したと思われる1症例。

12年前の2009年3月10日 幻冬舎より「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」を出版致しました。
その中で、加齢黄斑変性の主な原因が食習慣に起因するプラークであるとの確証を得て、加齢黄斑変性の予防や根本的な治療の可能性に言及しています。

書籍の第4章では、「血管プラークがみるみる減っていく!」とのタイトルで、食習慣を具体的に変えることで、プラークが減っていった実例を3例紹介しています。

この書籍と当院ホームページを参考に食習慣を変更したら、5年後には電柱の歪みなどの症状(変視症)がほとんど気にならなくなったものの、プラークが心配で当院受診し、受診から8ヶ月後には血管プラークがかなり退縮し、変視症が完治状態となった症例を経験したので報告します。

「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」

症例 79歳 男性

<現病歴>

2015年1月 物の見え方に変化(電柱が歪んで見えるなど)を感じた。

眼科で“萎縮型の加齢黄斑変性症”の診断を受ける。(図1)
“萎縮型の加齢黄斑変性”の治療法に関して、効果のある「治療法はない」とされていますので、当院の書籍・ホームページを参考にRAP食を開始した。

図1

2017年5月中旬 健診 TC=222 LDL=130 TG=54 HDL=65 高脂血症指摘
2018年5月中旬 健診 TC=231 LDL=131 TG=51 HDL=73 高脂血症指摘
2020年10月上旬 当院受診(当院受診時は、電柱の歪みなどの変視症はほとんど改善)

<8カ所の血管エコー所見>

腹部大動脈IMT=2.30mm((A-max)
右鎖骨下動脈=3.99 mm(S-max)
右頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=1.08mm
左頸動脈分岐部〜内・外頸動脈:IMT=2.15mm(C-max)
右総頸動脈IMT=0.92 mm 左総頸動脈IMT=1.43 mm
右大腿動脈IMT=1.57 mm 左大腿動脈IMT=2.73 mm(F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(0〜4)****** T-max=11.17mm

<食の好み>

  • 甘いもの:普通、肉:好き、野菜:好き、魚:好き、揚げ物:普通。
  • 納豆:10年間毎日1パック摂取。
  • 魚摂取:週に7回(サバ、サバ缶、サンマ、イワシ、アジ、タイ、シャケ、トロ、カラスガレイ、イカ、タコなどから)
  • 食習慣点数=278点(やや高得点:得点は2018年4月出版の書籍を参照ください)

<治療>

  • 最新RAP食開始(初診までは2〜3年前のRAP食)
  • イコサペント酸エチル粒状カプセル(900)2P,2x/日 開始(かかりつけ医より継続)
  • ラックビー微粒N,2g,2x開始(かかりつけ医より継続)

<結果>
1)RAP食等により、2カ所の血管プラークは、順調に退縮した。

写真1

2)受診時にほとんど改善していた電柱の歪みなどの症状は、プラークがかなり退縮した8ヶ月後の2021年6月上旬には、完全に治癒した状態となった。(図2)(表1)

表1

図2

<考察>

  1. 電柱の歪みなどの(変視症)や、中心部が黒く変化する視野異常などは加齢黄斑変性が強く疑われ、適切な根本治療が存在しないのが現状です。今回は、書籍・ホームページの記事を参考に食習慣を変更し、幸い症状はかなり改善いたしましたが、そのような状況でも、8カ所の血管プラーク所見では、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4(レベル0〜4の最高ランク)のままであり、可能ならプラークを可視化できる状況での最新RAP食(常に進化を遂げています)の実施が必要だと思われます。
  2. 当初、大腿動脈プラークの退縮が悪かったが(表1)、ある食品摂取を控えていただいたら良好に退縮いたしました。昔から“健康にいい”と、日本人の誰もが信じている食品であっても、腸内環境が変化するような食品には、特に注意が必要です。
  3. 過去にも加齢黄斑変性の症状がかなり改善した症例の記事を掲載していますのでご確認ください。(動脈硬化の未来塾 26))


<まとめ>

当院のホームページや書籍の知識で動脈硬化の症状(動脈硬化の未来塾 7))が改善しても、本例のように、プラークはそれほど退縮していない場合がありますので、ご注意ください。

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<参考資料>
日本眼科学会のホームページからの抜粋


私の見解では、加齢黄斑変性の根本原因は、食習慣による眼動脈のプラーク(動脈硬化)の進行だと思われます。*普通は、動脈硬化(プラーク)は加齢(時間経過)とともに進行します。

---- 加齢黄斑変性の原因が「加齢」なら、治ることはありません ----

ご縁につながれば幸いです。

2021年6月29日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄

 


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