脳梗塞・心筋梗塞の予防法

慢性腎臓病(CKD)などの腎機能障害は、頸動脈などに溜まる血管プラークが主な原因です。

血管プラークを減らす治療(EPAと食事療法)で、クレアチニン(Cr)が改善・低下することに2013年の7月に気付いたのですが(参照1)…、それではプラークが身体各所の血管壁に溜まると(当然、腎臓の細動脈壁にも溜まる)、腎機能が低下(クレアチニンが上昇)しているのかを男女別に調べました。

健診での腎機能評価:クレアチニン値(Cr)の判断材料にして下さい

まず男性ですが、

この表に示すように、時間的経過からプラークがCr上昇に先行して血管壁に溜まるので、T-max(頸動脈、右鎖骨下動脈、腹部大動脈周囲、大腿動脈のプラークmax-IMTの総和:単位mm)、 C-max(頸動脈のプラークのmax-IMT)などが高くなるとCrの値が徐々に上昇します。

男性の場合のCrの正常値は1.05未満ですが、この表からは1.01〜1.10の方の頸動脈のプラークは、すでに厚くなっています。

人工透析に至った人は激しくプラークが溜まっていますが、その原因は食習慣点数(著書:「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」に記載)が高値であることから容易に推測可能です。
塩分摂取過多などが原因ではなく(参照2)、このサイトで再三述べていることが原因です(参照3)

健診などのCrの値をみて、危険度を見える可・・したものですが、

結果:
1)男性でCrが1.2を超えると、ほとんどの人が脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 以上でした。

なお、Crが正常でもレベル=4の方は多くいらっしゃいますので安心してはいけません。

2)男性でCrが1.11〜1.20の人は、ほとんどの人が脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3以上でした。

3)男性でCrが上昇すると、脳・心血管イベント歴の率が、2倍、3倍と上昇する

4)男性でCrが1.01〜1.10の人の頸動脈プラークは既に肥厚していた。

つぎに女性のCrについて調べました。

女性のCrの正常値は0.8未満ですが、女性の場合も男性と同様に、頸動脈などに溜まるプラークが増えるにつれて、Crが上昇していました。

ただし、この表では腎機能が正常の方の年齢が若いので、年齢構成が同じになるようにして検討しました。

やはり、明らかにプラークが溜まるにつれて…腎臓が悪くなる…
ご理解いただけるでしょうか。

プラークの原因は酸化した脂質ですし、それらのほとんどは口から進入します。

女性の場合も、Crの値を「リスクが見える可」…しました。

腎機能が悪化するにつれプラークが溜まる…ではありません。
プラークがレベル2〜4へと進展するにつれて、腎機能障害が進展するのです。

つまり、腎機能障害は初期なら簡単に治るはずです。
プラークは治せるのですから!
 …サイトの他ページをお読み下さい。

女性の場合、
結果:
1)女性でCrが0.91を超えると、ほとんどの人が脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3 以上でした。

なお、Crが正常でもレベル=4の方は多くいらっしゃいますので安心してはいけません。

2)女性でCrが0.81〜0.90の人は、ほとんどの人が脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2以上でした。

3)女性でCrが上昇すると、脳・心血管イベント歴の率が、2倍、3倍と男性同様に上昇する。

4)女性でCrが0.71〜0.80の人のT-maxプラークは既に肥厚していた。

参考までに、最近は病院の腎機能検査でクレアチニン値から得られたeGFRの検査項目がありますが、このeGFRとプラークとの関係でも、上記と同様の結果が得られました。

CKD:慢性腎臓病はこのeGFR低下(<60)が3ヶ月以上続く状態です。

年齢構成を同じにして検討しました。

まとめ:

1)多くの場合、腎機能はプラークが原因で悪化し、プラークによる様々な病気を横目で見ながら、粛々と独自に腎機能障害〜腎不全へと進展する(参照4)

2)腎不全の根本的な予防は、他の多くの血管プラーク病(参照4)と同じく、血管にプラークを溜めないことですし、プラークを溜めない…つまり脳梗塞・認知症にならない食べ方(参照5)をお勧め致します。

3)軽度から中程度の腎機能障害は、従来の減塩・減蛋白質食ではなく、EPA&食事療法(参照1)をお考え下さい。

小児期からの慢性腎炎、片腎摘出など、特殊な例を除き、クレアチニンが上昇していれば、血管プラークが進行している可能性が極めて高いのですが、クレアチニンが正常だからといって、血管プラークの存在を否定できる訳ではありません。

しかし、特にCr値が基準値を超えている場合など、ご自身の血管内の脂汚れの正しい情報を知る事は、継続した健康を望むためには極めて重要です。

頸動脈エコー・・出来れば8カ所の血管エコーをお勧め致します。

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