Dr.真島康雄のバラの診察室

2026年 春・・・オーガニックなバラ庭は・・・こんな感じでした

昨年と一昨年は、夏の酷暑と夏以降のテッポウ虫被害が酷く、バラたちは弱りきった状態でした。
今年は例年にも増して虫対策・施肥・水やりなどに愛情を注いでバラを育てていますが、テッポウムシ被害でデビュタントとポールズ・ヒマラヤン・ムスクのつるバラが半分以上も枯れてしまいました。

3〜4年前から、鉄砲虫被害防止ネットの設置で油断し、カミキリムシ捕獲への真剣さが欠けていたことが最大の要因です。この3〜4年は、カミキリムシ捕獲匹数は8匹前後と低迷していました。

今年は猛反省してカミキリムシ捕獲に情熱を傾け、何と昨年・一昨年の3倍の25匹も捕獲しました。

庭の写真撮影ですが、今年4月に仕方なくスマホデビューし、i-phone 17-pro で写真を撮り始めました。
接写で観察すると、バラの開花の前に繰り広げられている様々な虫たちの生活を、以前よりも身近に感じることができ、虫と一緒のガーデニングは実に楽しいことを再認識しました。

今回は虫の写真ではなく、結果としての薔薇の風景だけにスポットを当てて公開します。

4月27日 
クリニック玄関を出て、東側道路を庭の北側の入り口に向かって歩くと、最初に出迎えるのが、日常世界と香りのあるバラ世界との境界に2年前に植えた真っ赤なバラ:ヴィヴィッド。庭で1番の早咲きです。

5月12日 ヴィヴィッドの次に、写真右からシャポー・ドウ・ナポレオン、ケーニギン フォン デンマーク、グロワール ド フランス、ルイ ジマールがフェンスを飛び出して歓迎してくれます。

5月10日 左手前下がグロワール ド フランス、左上は赤紫のモスローズ:ルイ ジマール。
右:ケーニギン フォン デンマーク、このバラの香りはオールドローズの大御所であるピータービールス氏も絶賛しています。

5月10日 2000年から26年間も枯らさずに育てている古株のバラ。株は古くても、花は毎年、新鮮で鼻の奥まで広がる、透き通るような強いオールド香です。若者に言わせると"めっちゃーいい香り"。
通常、小さい可愛い感じのカップ咲きは香りが弱いですが、これ程にいい香りは経験ありません。
名前はイングリッシュローズ(EnR)のメイヤー・オブ・キャスターブリッジ。

5月11日
このバラも、26年もののカザンリクです。ダマスクの香りが強く、ブルガリアのバラの香水の原材料です。

5月6日
その先に、黄色のティージング・ジョージア(EnR)です。これは、現代バラに多いティーの香りですが、強くていい香りです。

5月6日
カザンリクまたはヨーク&ランカスターの変異種、花つきが良く、香りもいいが、テッポウムシ被害により今年はやや元気がない。

5月8日
毎年、早春を心待ちにしていた理由の一つが、テッポウムシで枯れてしまったブレアリーNo2。その2代目として、小屋の前の両サイドにブレアリーNo2を植えました。ツボミが白ばら?と思わせるほど白っぽい蕾です。
この雰囲気のバラが正統なブレイリーNo2なのでしょう。(理由は後述)
一方で、小屋の左側に対で植えたブレアリーNo2は、ツボミがピンクで、新芽の色が全く異なります。
実は、小屋の右側に植えたブレアリーが他の品種の白バラでは?との危惧から、他の業者からブレアリーNo2を取り寄せて開花を観察すると、新芽や花のツボミの色は小屋の左側に植えた株と同じでした。
2種類のブレアリーが流通しているかもしれません。
私は、こちらの外側の花びらが白いNo2の方が好みです。

香りは小屋の両サイドのブレアリーNo2を比較しましたが、強烈な甘い格別な香りは全く同じで、香りの質は区別ができません。いずれの株であっても、この香りだけで本当に幸せな気分に浸れます。

濃いピンク〜白へのラデーションが際立ち、香りがNo2と全く同じバラ。
両手で包み込んで香りを嗅ぎたくなる、そんな高貴さに溢れたバラは今まで見たことがありません。
ひょっとしたら、枝変わりの新品種かもしれません。名付けるなら、ブレアリーNo3。

同じ株で、枝が異なるだけで、下の写真のように花弁の外側があまり白くない場合もあります。

しかし、オールドローズのバイブル的書籍であるピータービールス著:「CLASSIC ROSES」の写真には、下写真の右側とほぼ同じ写真が掲載されています。「花の外側はピンクで中央へはピンクが濃くなる」、と、花の特徴を述べています。そして、書籍掲載の花のツボミの色も下写真の右側のツボミ同様のピンク色で、決して白くありません。

一方、小屋の左側に植えたブレアリーNo2の方は、花弁の周辺の白みがやや少なく、こんな感じです。

下の写真は、2010年春の、ありし日の初代のブレアリーNo2。ピンクのツボミと白のツボミが混在し、やはり2種類の花の姿を一株に持ち合わせています。白っぽいツボミの花は外側の花びらが白く、中央が濃いピンクとなります。
この株は、ピータービールス農園からの株でしたので正統な品種だと思われます。

5月12日
手前中央は、コンテ・ドウ・シャンボール、左手前の真っ赤なバラはモスローズのアンリ・マルタン。オールドローズ香のいい香りがしますが、苔がついているようなツボミをモミモミすると指先にとてもいい香りが。
左上のピンクはミセス・マジマ。ブルーのクレマチスはプリンス・チャールズ。赤いクレマチスは"マダム ジュリア コレボン"。クレマチスは鉢で育てています。

5月16日
小屋前の中央に鉢植えで育てていたら、鉢の底をくり抜いていましたので、根が枕木の間の隙間に根を下ろして地植え同然状態のミセス・マジマです。通常は、このようなつるバラの香りは微弱ですが、しっかりとしたバラの香りがして、香りのシャワーを浴びてガーデンの扉へ向かえます。

花は、やや紫がかったピンク色のカップ咲きで、次々開花するので長く楽しめます。
中香ですが、いい香りがします。私の経験では、つるバラのカップ咲きでは一番香りがいいかも。

ここを潜り抜けて振り返ると、こんな感じで、日陰の枝でもよく花を咲かせてくれます。
日陰の方が、ピンク色が濃く出る傾向があります。

5月10日
ミセス・マジマのトンネルを潜り抜けると、鉄の扉付きのガーデンアーチに辿り着けます。
バラを始めた頃、英国の雑誌に掲載されていたローズガーデンの扉付きのガーデンアーチに感動的してデザインしました。

5月12日
左のピンクのバラは、葉がレタスみたいに湾曲してユニークで、葉だけでも鑑賞価値があります。
このバラはマリーアントワネットの肖像画で有名なロサ ケンティフォリア ブラータですが、ピンクのツボミだけでまだ開花していません。

鉄の扉の右手前には、白ピンクのウエルカムローズが香りとエレガントな姿で迎えてくれます。
必ず2度嗅ぎしたくなる感動ものの優雅な香りがするフェリシテ・パルマンティエ
右上には黄色のティージング・ジョージア。正面のバラは、ザ・ピルグリム(EnR)です。

5月10日
扉の中に入ると、左正面にザ・ピルグリム、右にジュード・ジ・オブスキュア。その奥の濃いピンクはシャポー・ドウ・ナポレオン。上方の薄ピンクはファンタン・ラトウールです。いずれも香りが抜群です。

5月5日
ガーデンに入って振り向くと、ティージング・ジョージアが満開。ティーの香が降り注ぎます。

5月10日
扉を抜けて、左に反転し、ガーデン内の南側から鉄の門の上部を見上げたアングル。
クレマチス(紫)は26年前からここにいる鉢植えのエトワール・バイオレット

スカイブルーのクレマチスは、英国のクレマチス専門のナーセリーで一番感動した品種:プリンス・チャールズ。こちらも同じく26年前から鉢植えで枯れることなく来園者を出迎えてくれています。

5月6日
2代目のザ・ピルグリム(EnR)。初代はテッポウムシ被害で枯れています。姿も香りも超一級品です。

写真中央の錆びた2本の鉄筋は26年前に自作した鉄筋アーチ第1号の基礎部分。鉄筋同士はアルミワイヤーで接続して溶接部がないため、あと100年は持ちそうです。

5月10日
このまま振り向くと、右にジュード・ジ・オブスキュア、奥にセプタード・アイル
バラの間を進み、一段高くなったスペースに出られます。

5月10日
この中へ分け入って一段上がると、南西方向にティージング・ジョージアとクレマチスのエトワール バイオレットとの共演が眺められます。

5月10日
この位置で視線を北へ向けると、左にうっとりするような非常に強いフルーツ香がするジュード・ジ・オブスキュア、正面手前に非常に甘くて強いミルラ香のあるセプタード・アイル。左奥には、薄ピンクのファンタン・ラトウール。紫色のバラは、香りもいいカーディナル・ドウ・リシュリューです。
この場所は、実は香りの玉手箱エリアです。写真には映っていませんが、背後にオールドローズ香が非常に強いジャック・カルチェ、右にダマスクの強い香りのカザンリク変異種に囲まれた立ち位置です。

5月10日
扉の前まで降りてきて、左側に視線を移すと、中央に赤紫色の四季咲きローレンツ・ハイスター。奥に黄緑〜黄色のジュード・ジ・オブスキュア。左奥はコンスタンス・スプライです。右はファンタン・ラトウール

5月10日
左へ少し移動すると、待合室のペアガラス仕様のコンサバが見えてきます。左の薄ピンクはコンスタンス・スプライ:イングリッシュローズ(EnR)第一号です。右はジュード・ジ・オブスキュア。左奥の赤紫は、トウール・ドウ・マラコフ。中央の鉢物は全て、コンテ・ドウ・シャンボールです。

5月6日
大きめのカップ咲きのコンスタンス・スプライ。抜群のミルラの香りで、何度も鼻を近づけることでしょう。
ジギタリスの植え時が遅くて、花が上がってこなかったので来年修正予定。黄緑色の花は、ユーホルビアのウルフェニーです。早春は、特にはとても感動的な姿です。そのまま左(南側)へ視線を移すと

5月9日
天空に向かって、伸び伸びと育ち、特別なフルーツの香りを振りまいているジュード・ジ・オブスキュアです。
この位置から少し東側に移動して庭中央を見ると、大好きなコンテ・ドウ・シャンボールが。このバラの花びらは、ワンちゃんの大好物でした。

5月9日
丸テーブルの周りは右の一鉢(ベル・ドウ・クレシー)を除いて、全て、コンテ・ドウ・シャンボール。
四季咲きの連続開花で、香りも抜群。花びらが紫色に美しく縮れて花びらが落ちないので、仏壇に最適なバラ。この一輪だけでバラ庭といえます。この写真は西向きのショット、そのまま真南へ向きを変えると、

5月10日
左は、コンテ・ドウ・シャンボール、中央はアンブリッジ・ローズ(EnR)、甘い強い香りが特徴で26年間、周りのバラ達に日照を遮られつつ、この場所で生きながらえています。右は、2代目のシャポー・ドウ・ナポレオン。中央上の紫色のバラは26年もののカーディナル・ドウ・リシュリュー。

5月10日
そのまま北を向けば、中央に薄ピンクでミルラの香りが芳醇なセプタード・アイル、こちらも2度嗅ぎしたくなる香りです。3株の寄せ植えでしたが、2株がテッポウムシ被害であまり元気がありません。例年この頭上にデビュタントがあるのですが、昨年のテッポウムシ被害で今年は不作です。
この場所から2m北川へ歩を進めて東側を向けば、

5月12日
こんな風景が垣間見えます。中央のワインレッドはロザリー・ドウ・ライです。返り咲きで香りもいいです。
真っ赤ではなく、やや紫がかっています。中央の白ピンクバラはフェリシテ・パルマンティエです。
ここから庭の東側へ一段上がり、

5月10日
診察室の方向(北側)の風景です。左は、セプタード・アイル、右のバラの塊はコンテ・ドウ・シャンボールです。ここから北側へ進んで見下ろすと、

5月12日
こんな感じです。手前に、カップ咲で極めて香りのいいピンクのメイヤー・オブ・キャスターブリッジ。
右の赤紫はルイ ジマール、左の白ピンクはフェリシテ・パルマンティエ。

5月10日
上の写真の場所を、東側の道路から眺めるとこんな風景となります。

メイヤー・オブ・キャスターブリッジの北側を通れる作業専用の秘密の通路、香りを浴びながら通れます。
右の白ピンクはフェリシテ・パルマンティエ。

5月10日
一昨年にこの場所に植えたコンテ・ドウ・シャンボールは、背が低かったのと、東南の位置に栄えたデビュタントのための日照時間不足や昨年の酷暑によるデッキからの高温の影響、などで枯れてしまいました。
そこで、再度チャレンジ、今度は背丈の高い株を昨年秋に植えました。支えは2mの鉄筋の先端1mを丸く曲げて、鉄筋の中央で90度屈曲させて直線部分を地面に突き刺した格好です。株周りの支柱が少ないほど、株元の草取りが楽です。

5月10日
高台から南西側を眺めた風景。

5月10日
高台から南側の風景です。中央のバラはやはりコンテ・ドウ・シャンボール。鉄筋で円形の柵を作っています。

5月10日
クリニックの駐車場のバラたちの紹介です。
早朝のスロープ横のオールドローズ香が強いイスパハン。写真では伝えられない感動を覚えます。

5月5日
スロープの反対側のカザンリクです。ダマスクの香りが素晴らしいです。

5月16日
スロープの英国アンティークの既製品アーチ前に勝手に生えてきた白いばら。これは、育ててみると、ボビー・ジェームスの自家受粉の実生だと思います。次の写真のボビー・ジェームスが木に絡まって4mの高さになっていますが、落ちた実がスロープ横にころがり、落ち着いて発芽したと考えれば全て説明がつきます。最初はミニバラの実生苗と思っていましたが・・。
親との違いは、花びらが5枚で親より少なく、おしべがやや大きい。雰囲気と樹勢が強いのは非常に似ています。

5月16日
駐車場の敷地の隅に勝手に生えて大きくなったモチノキに絡まったボビージェームス。
開花時期も同時で、遠目には、先ほどのアーチのバラとほとんど区別がつきません。

5月16日
ボビージェームスの子供と思われるミセス・マジマ(登録済み)。大きくなるので、駐車場の一角にコンパクトに剪定して育てています。太いシュートがたくさん出るので、冬に思い切って短く刈り込んでみました。狭いスペースでも育てられます。うどんこ病にならないし、黒点病にもほぼなりません。温暖化の夏でも生き残れるバラでしょう。

5月16日
このミセス・マジマの特徴は、香りがあり、房咲きでフラワーアレンジメントみたいに咲くのが特徴の一つです。

次回の掲載では、バラのアップの写真で、バラの美しさを表現したいと思います。

また、機会があれば、今年は350匹のバラゾウムシを捕獲しましたが、バラゾウムシのより効率的な捕獲方法や、無農薬バラ園での虫さんたちの営みを掲載しようと思います。

冒頭でも述べましたが、テッポウムシで枯れたバラ達の敵討として、今年はカミキリムシ捕獲に情熱を注ぎました。

結果として、1匹も逃すことなく、25匹を捕獲しました。カミキリムシの心理を考えた上での捕獲方法が極めて重要です。----これは、親が子供を守るような愛情に基づく正当防衛的な行動ですので、お許しください。

日本のバラ庭は、消毒してもしていなくても4年で消滅する場合が多いですが、それはこのカミキリムシの幼虫であるテッポウムシが、文字通りテッポウの筒みたいに、トンネルを作りながらバラの根幹部や根を奥深くまで、内側から食い尽くし、その結果でバラが枯れるという被害が主な原因です。

この「バラの診察室」というサイトは単なる趣味のサイトではなく、当初から目的があります。

  1. バラに消毒薬(本当の意味は毒薬)を散布する人を減らし、本人の健康被害や環境汚染を減らす。
  2. 環境に優しい無農薬のバラ栽培が、忙しい人でも可能であることを証明し、その具体的な方策を未来のバラファンに伝える。
    ただし、無農薬・有機栽培のバラの香りは、消毒薬で管理されている公園のバラの香りとは、比べ物にならない程に豊かであることは、実際に体験していただく以外に方法がありません。

今後は、その目的に従って、虫の情報なども掲載予定です。

2026年7月12日(日)
真島消化器クリニック
真島康雄

ページの先頭へ戻る

「Dr.真島康雄のバラの診察室」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ