脳梗塞・心筋梗塞の予防法

頸動脈エコー検査で「プラークなし」と安心しては危険・安心させても危険。

頸動脈にプラークを認めず・・5年間が経過・・・そして・・頸動脈プラークの悪化は認めず・・でも・・
左大腿動脈の血管のみに・・5年間で・・プラークが著しく堆積・肥厚した症例を経験しました。

全身の血管プラークを観察してこそ・・脳内の全ての血管の「有り様」が判ると言えます。

事実のポイント1

3年前〜孫達と暮らし初めて・・この5年間でプラークが急激に溜まりだした=動脈硬化が急速に進行!5年間で(2.85-1.6)1.25mmもプラークが肥厚!!

症例の概要
58歳女性 父:**歳:脳梗塞or心筋梗塞で突然他界
2010年4月調査・・受診時 体重42Kg BMI=20 やや痩せ型 血圧=130/80
食習慣点数=291点 甘い物:好き 肉:大好き 揚げ物:好き 魚:大好き 野菜:好き 

LDL=138 TG=91 HDL=88

8カ所血管エコー:A-max=2.1mm F-max=1.6mm S-max=1.3mm C-max=1.0mm
2013年から孫、子供夫婦と同居・・・(食生活・・さらに今風に・・)

2015年5月・・・血管エコー時  体重42Kg BMI=20 やや痩せ型 血圧=120/70
便秘傾向(+) 朝のふらつき(-)、立ちくらみ(-)、胸圧迫感(-)

LDL=171 TG=78 HDL=86

血管エコー:F-max=2.85mm S-max=1.26mm C-max=0.88
(脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=3(0〜4))

治療:食習慣改善食(RAP食)指導+エパデールS(900)2,2x+ラックビー微粒N:2.0、2x 開始

事実のポイント2

**5年間に 頸動脈・右鎖骨下動脈のプラークは肥厚せず・・・左大腿動脈 のプラークのみ悪化 **

考察

1)この5年間・・特に食習慣を改善させることはなく・・3年前〜・・孫・子供夫婦と暮らして・・元来好きな・・「肉や揚げ物・油炒め」を食べる機会が増加。

・・高血圧・肥満・糖尿病・LDL・喫煙・・などが動脈硬化の主な原因と考えている現代医学は誤りであって・・食習慣こそがアルコール多飲と並んで・・動脈硬化の「真の原因」である事を伺わせる明確な1事例です。

食習慣、アルコール多飲(月に1、2回の多飲でも)・・この二つが動脈硬化の本当の「根本原因」である事は、日常のプラーク観察と、各県の食品消費量と血管病とのランキング比較(このサイトに掲載)から・・明白な事実です。

(2015年5月のLDL上昇は食習慣の悪化によるプラーク肥厚と同じく・・単なる結果です)

若夫婦と孫の将来がとても心配です・・・・若くても食習慣でプラークは溜まるのです。(当サイト症例参照)

2)頸動脈エコーのみでの血管病の予知は・・頸動脈プラークが>2.4mmの症例でのみ可能で・・
当サイト記載データのごとく・・頸動脈にプラークが無い・少ないからといって・・安心してはいけない・・まして・・安心させてはいけないのです。・・「安心すれば・・プラークを悪化させる食習慣に拍車がかかります」。

3)2010年と2015年の左大腿動脈エコー写真は同じ拡大率ですが、2015年の大腿動脈の方が少し拡大しています。これは余計なボリュームの脂(プラーク)が血管内に出現したために、血管自体が拡張しているためです。
このように・・脳動脈にプラークが堆積・肥厚して脳血管が拡張すれば・・慢性的な・・いやな頭痛が・:女性・男性を問わず生じてきます。  50歳以降に頭痛が出現する場合は・・高率に脳血管プラークの肥厚が疑われます。

4)ドラえもんの声優である方は・・脳梗塞後に・・認知症になられました・・ 血管プラークが進行して肥厚すると認知症・脳梗塞になりやすいことが報告されていますので・・・認知症や脳梗塞になりたくない方は・・日頃から・・このサイトに記載の事柄をお守り下さい。

結論)

1) 血管病で倒れないためには・プラーク堆積・肥厚が平均以下でも・・全身の血管(動脈)エコーを2年に一度は受ける必要があります。
2) 若者との同居・単身赴任などで食習慣が洋風に傾けば・・1年に一度の8ヶ所の血管エコーをうけましょう。
3) 頸動脈エコー検査のみで・・・安心してはいけない・決して・・安心させてはいけないのです。

-------(2015年5月18日掲載)-------

 

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