脳梗塞・心筋梗塞の予防法

LDLはそんなに悪玉なの?・・疫学調査なしに判定しました

「LDL値が高い父親に娘が・・早くお医者さんに行って・・」そんなコマーシャルがありましたが、あれを見ていて、「LDLが低いお父さんには・・良かったね、安心していいよ・・」に聞こえたのは私だけでしょうか?・・・

心筋梗塞を100人集めると、日本でも欧米でも1/3はLDLが高く、1/3はLDLが正常で、1/3はLDLが低いのだそうです。
しかも心筋梗塞を既に経験した患者さんで、冠動脈疾患で再入院を余儀なくされた20,054人中の約60%がLDL<100mg/dlであったとの報告が米国の専門誌(Am Heart J 2009)に報告されています。
LDLを低下させるだけでは再発を防げないという結果ですが、食習慣の管理が必要なのでしょう。

今までのこのHPをご覧の皆様は、実例からLDLが脳梗塞や心筋梗塞の予防にあまり貢献していない事がお判りと思いますが、追加で説明致します。

正確にプラークの高さを測定しながら不思議な結果が見えてきました。
肉が大好きでも、お菓子が大好きでもLDLの値に差が出ないのです。不思議なのは、魚を嫌いでも野菜を嫌いでもLDLの値に差が出ません。つまり、食習慣を改善しても、悪化させてもLDLはあまり変わらないだろうと考えられます。

血管の汚れ具合は、LDLよりも食の好みに左右されますから、
LDLが低いからといって決して油断してはいけません。
多くの医師は患者さんのLDLが低いと動脈硬化が進行していることに気付かないでいると思われるからです。
HDLの低値によるL/H値の高値やTGの高値は参考になりますが、確実ではありません。

そもそも生物の発生・進化に対して科学的に向き合えば、悪玉の物質や悪役の細胞が存在する訳はなく、LDLもマクロファージも必要不可欠なメンバーなのです。

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